スカルプトはZbrushかBlenderか?(第1回)2023年版

(約 4,200文字の記事です。)

ワークフローの途中で1,000万ポリゴン以上が必要ならばもちろんZbrush一択だ。またフィギュア業界でもZbrushが有利だろう。だがゲームキャラやアニメーション動画用途となると2023年現在で言えば必ずしもZbrush一択ではないかも知れない。今回は2023年9月時点での「かなり使えるようになってきたBlenderのスカルプト機能」とZbrushとの比較記事の第1回目。

目次

「私にとって」Zbrushでなければならない理由探しの旅

実はここ数ヵ月間、特に悩んでいた。いや実は2年くらいずっとZbrushでなければならない理由とは何か?自分にとってZbrushでなければならない理由を探していた。YT Symmetrizerを完成させたときに燃え尽きた感がある。

私の回想録になるのでお暇ならお読み下さい。(読み飛ばしてOK)

自分にとってのZbrushの価値の変化

過去・現在の視点で見れば「私にとってはZbrushはマネタイズの手段」だった、結果として。作品作りよりもマネタイズの柱だった気がする。重要な点は「過去形」である点。現実的にはZbrushプラグインの売れ行きはよろしくない。友人にヒアリングしたり現状調査をしたり、色々と検討した結果、Zbrushはフィギュア業界では浸透しきって安定期に入ったという結論になった。目新しい機能よりも安心・安全で安定した使い心地が求められていると感じた。なので機能面では既存のものでもう十分で、これ以上新しい機能を使いたい・その使い方に習熟したいといユーザーが減ったのではないか?という仮説が立った。

それはZbrush純正機能だけではなくて、当プラグイン群で実現させてきたことについても当てはまるだろう。なので今後Zbrushの新プラグインをどんどん開発したとしても、その機能をお金を出してまで欲するユーザーはどれくらいか?と考えると、やはりZbrushでのマネタイズは先細りで未来が暗いと感じる。なので方向転換が必要だ。

大和 司

過去&現在と、未来がつながっていない感じなのだ。分断というか断絶を感じる。

方向転換が必要だ。だがどの方向へ?ここの答えが出ずに数ヶ月が過ぎた。私自身の活動が停滞していた。動いたとしても迷走していた。例えばHoudiniを学んでみたり、MMDへ行ってみたりw

自分のやりたいことはミドルポリまでで十分

過去2年くらいを振り返っても、Zbrushでなければならないほど超絶ハイポリである必要はなかったのだ。自分の場合は。なのでミドルポリ、といっても主観の話だが、せいぜい100万ポリもあれば十分で、完成型は1~3万ポリ程度だ。リグポージングの必要性からハイポリになればなるほどウェイト調整で苦労するだけなので。

となると、ミドルポリで十分であって、かつBlender 3.6が600万ポリまでなら軽快にスカルプトできるとなると?この点と点を線で結ぶとその延長線上に、「私にとってZbrushでなければならない理由とは何ですか?」という自問自答の壁にぶつかった。

Blender 2.9の「200万ポリゴンの壁」

Blender 2.9の頃はスカルプト時のハイポリにとても弱くて約200万ポリを境としてそれ以上では急激にBlenderの反応が鈍くなっていた。つまりBlenderでは200万ポリゴン以下のスカルプトしかできなかった。なのでほぼ役に立たない。(注意、私のPC環境の場合。ハイスペックPCだとその上限が200万ポリよりも多少上がるようだ。)Zbrushがまだまだ主力の時代だ。

大和 司

おっと、もう3年前の記事なのか……。2年前くらいの感覚でいた。月日が流れるのは早い。人は老いるのも早い😭

Blender 3.6では「600万ポリゴンの壁」まで改善

だが最近のBlenderの進化は目覚ましい。Blender 3.3 LTSくらいからBlenderのスカルプト機能が割と軽く動くようになってきた。そして最新の3.6 LTSを試したところ、驚きの600万ポリゴンくらいまでならばそこそこ普通にBlenderが反応してくれるようになった。(注意、私のPC環境の場合。ハイスペックPCだとその上限が600万ポリよりも多少上がるようだ。)モード切替の待ち時間も3秒程度で済む。

もともと3.6 LTSの目玉の一つは内部ソースの改良による「全体的なレスポンスの改善」だったのだ。それがスカルプトモードでも感じられるようになった。

大和 司

ただし処理が重いブラシの場合は600万ポリ付近ではやや動作がもたつく詳細は各自のPC環境でお試し下さい👍

このもたつきを嫌がる人はZbrush一択という結論が出ておしまいだ。

だが普通のスカルプトブラシならばサクサク動く。なお400万ポリゴンならば処理が重いブラシでもサクサク動く。またもたつきについてもブラシ設定を少し調整すれば快適になった。

これらが一つの重要な分岐点だった。

2023年のスカルプト事情の変化

Blender 2.9の比較記事から3年経ち、今のBlenderのスカルプトモードは600万ポリでも動くようになったわけで、改めて調査をしてみるとYouTubeでもZbrush vs Blender, Blender vs Zbrush というテーマの動画がたくさん見つかった。2022~2023年に公開された比較的新しめの動画で両者を比較している動画を探して視聴してみた。

オススメの比較動画一覧:全部英語(興味がなければ読み飛ばしてOK)

多くの動画の共通見解はこんな感じ。

  1. ZbrushもBlenderも道具に過ぎず、作品を作り出すのは「あなた」。道具ではない。
  2. 作業効率や作業時間については「一概には言えず」、各業界の要求水準によってどっちがいいかは変わる
  3. 両者のメリット・デメリットは当然ある
  4. 業界標準に従うべし。そうでない場合は「お好みでOK」
  5. Zbrushはハイポリスカルプトのチュートリアルなど「利用可能な作例」が豊富
  6. BlenderはDCCツールなのでスカルプト以外の機能にシームレスに連携できる(リギング=ポージング調整、モディファイア調整など)
  7. ゲームや動画用途かフィギュア用途か(最大ポリゴン数の違い)

以下、どの動画だったかは忘れたが面白い指摘があった。

Zbrushは2.5次元。ピュアな3次元ツールではない。

これは理解できる。Zbrushは元々2次元のお絵かきソフト出身であり、機能の中にも2.5次元モード?(機能?)がある。使ったことはないが。この「Zbrushの成り立ちに起因する絶対的・致命的な」制約によってZbrushではDCCツールでは当たり前のことができない or 苦手なことが多いのだが、その代償としてどのDCCツールよりもハイポリなスカルプトに強い

そしてこの指摘の重要な意味は、通常、DCCツールでは普通にできることがZbrushでは全くできないか、できたとしてもかなり使いづらい状態で実装されているという点。そりゃそうだ。ないものは、ない。これはBlenderやMayaに1000万ポリのスカルプトを快適にさせる機能を載せろ、というくらいい無茶な話。だからZbrushが悪いわけではないが、そういう背景が分からない「ごく普通のユーザー」にとっては、Zbrushでできないことにもどかしさを感じているようだ。「あの機能はいつ実装されるのか?」と。

大和 司

だが、そういう事情なのでZbrushの場合は恐らくは将来的なアプデであっても「無理なものは無理。実装されない」と思う。

次の面白い指摘はこちら。

特化型とDCCツールが比較されている=Blenderのスカルプト機能が優秀

「Zbrush vs MayaではなくてZbrush vs Blenderというのが凄いよね」とどこかの動画で配信者がコメントしていた。私もそう思う。スカルプト機能特化型のZbrushと、DCCツールであるBlenderの「スカルプト機能」とが同一ステージ上で比較されているのだから、この時点でBlenderの優秀さがよく分かる。

だがその人もまた「結局は各自の利用条件で一番ベストな方を選べばいい」とも言っている。なのでここでもまた両者には一長一短がある

じゃあ結局どっちがいいんだ?となるわけだが。

あなたに必要な最大ポリゴン数はいくら?(続く)

今回のテーマはこれ。もちろん「多ければ多いほどいい」のは当たり前だ。その視点で行けばZbrush一択となる。Zbrushならば何億ポリゴンでも動く。驚異的。

でもね、冷静になって考えて欲しい。あなたの作品作りで「1オブジェクト当たりで本当に必要な最大のポリゴン数はいくら?」これに答えられないとZbrush vs Blenderの「その人なりの結論」が出せないのだ。

今回は長くなったのでいったんここで記事を区切りますが、考えてみて下さい

あなたにとって本当に必要な最大のポリゴン総数はいくらですか?と。もちろん案件によって変わるとは思いますが、何千倍も異なることはないと思います。作業全体の中で最も必要な最大ポリゴン数を考えてみて下さい。

仕上げ時のポリゴン総数ではなくて、例えばノーマルマップを作るためにハイポリで作業しなければならないときの、そのときの最大ポリゴン数はいくらですか?上限がいくらあればいいですか?

【超重要】フラットシェード?スムーズシェード?

作業中で必要になる最大ポリゴン数だが、それはフラットシェードでの話?スムーズシェードでの話?これによって面の分割数の量が大きく異なる。Zbrushにはスムーズシェードの概念はない。これが1つの大きなヒント。

私が色々考えた結果、これによって今後はZbrushでいくべきなのか、Blender「も」使う、あるいはBlenderに「全面的にシフトすべきか」が変わってくると感じた。

今回は長くなったのでいったん終了です。次回をお楽しみに😊

続きはこちら。

今回の創作活動は約2時間30分(累積 約3,345時間)
(913回目のブログ更新)

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