Zbrushでもリグポージング可能?(実用性はかなり低い)

(約 2,300文字の記事です。)

な、なんだって~!まぁ、知っている人は知っているけど、私はZbrush=モデリングしかできないもの、と思い込んでいた。チュートリアル動画を見まくっていたときにも、ギズモで関節をちまちま動かす動画を目にしていたから。

だがしかし!MMDのようにボーンを動かすとメッシュが付いてくるようにすることができる。これでZbrush上でポージングさせることができる!これはすごい!

と、最初は思った。結論としては「実用性が低すぎた」

目次

ポージング限定

期待させてすまないが、ZbrushでMMDのように動画を作れるっていう訳ではない。

あくまでもポージング限定の操作である。

しかしながら、こんなところにZスフィアの価値を見いだせようとは思わなかった。ラフな造形ならZスフィア使わなくてもFusion 360上でほぼ形にしてからZbrushでスカルプトしたほうが楽なので、Zスフィア=使いにくい=存在価値なし。だったのだが、これにようやく存在価値を見いだしたw モデルが完成したらZスフィアの使い方勉強しなきゃ。

ポージング後に関節を修正するほうが楽?

TポーズやAポーズでモデリングを完成させたら、それを壊さないようにバックアップしておいて、ZスフィアとTポーズマスターとを利用してポージングさせる。変形を確定させたら関節周りをスカルプトして整える。特に股関節、膝、肘、肩はリギングでは無理がある。MMDやってると分かるよね。リギングでその辺を完璧にしようとすると膨大な数のボーンを入れなければならず、相互関係の設定もめちゃくちゃ大変。

でも固定モデルなら、ポーズが決まりさえすればあとは関節周りの造形をレタッチしてあげればいいだけの話。

3DCGの静止画限定なら理想的?

私の目的にぴったり。そもそもが小説の挿絵を3DCGで作りたかったので、モデルが完成したら、後はひたすらシーンに合わせてポージングして小物を配置して撮影すると挿絵が完成する。だから、いかに効率よくポージングさせられるかが重要なのだが、どうやってメッシュを変形させようか思案していた。パーツ単位でFusion 360に移植してFusion 360上で動かそうか?など。

だが、これでZbrush上でポージング&関節修正ができるみたいなので完璧だ。レンダリングのためだけにFusion 360にインポートするだけですむのでワークフローとしてはすっきりしている。しかも元のポーズデータはバックアップしておけば何度でもポーズを元に戻せる。

やってみたけど

結構面倒くさい。裸体ならそこそこイメージ通りになるが、衣類がつくと別のボーンも入れないとうまく動かないことも多い。そして何よりも「ひねる」表現に弱い気がする(うまくひねることが出来ない)手首を返せなかった。結局、最終仕上げにはマスクとギズモのコンビが登場。

やっぱりAポーズやTポーズからの変形のさせにくさがZbrushの欠点かもしれない。困った。

やはりきつい角度の関節が微妙

肘に注目。さすがにこのままでは使えない。ちなみにZスフィアの回転ではなぜか手首の回転ひねりができなかった(私の操作ミスかも知れない。Zスフィア滅多に使わないので)。画像ではギズモで180度反転させた後。

結局関節部分の調整が必要。だったら最初からマスク+ブラー+ギズモの方がいいかもしれない。ブラーで影響範囲を調整しながら曲げられるのはメリット。

20190328080510.png

雑でもこの程度には直しておきたい。だいぶ肘っぽくなったし。

Zスフィア変形ではウェイトが自動みたいなので関節の表現は微妙だ。きちんとボーン入れするならBlender等の統合環境ソフトが必要だ。Zbrushでは手に負えない。

衣類や小物まで変に変形する

上手くいっているかのように見える動画たちの落とし穴。それは「素体だけ」だから上手くいっているように見えること。

実はこの2つはいずれも「素体のみ」なので衣類やアクセサリの追従や変形の影響を考慮していない。実際、最初のスカート付き素体の例でもアクセサリを個別に修正して対処している。CTRL+Zで変形適用前に戻してから位置の微調整をしているね。

う~ん、MMDのようには行かない。スカートならごまかしがきくが、棒状、幾何学形状では修正(CTRL+Z)と位置合わせが必須。

もし小物周りに対するZスフィアの配置方法などを工夫すれば、ひしゃげずに単純移動だけを実現できるかもしれないが、その方法までは今のところ知らない(探していないので)。Zスフィアの位置、大きさ、配置数等を試行錯誤すればひしゃげずに移動させられる気がするので、粘り強い方はご自身でお試し下さい。(私はパス。ポージングや小物の配置は別ソフトで検討し、Zbrush上での詰めは「開発したプラグインのBack To the Center」と組み合わせて対処するので。)

結論

  • いまいち
  • 少しのポージング変形程度なら使えるが、きつい曲げが入ると破綻しやすい
  • 上手く工夫すればZbrush上の操作なのでポージング後の細部の修正がしやすいかも
  • 上手くボーンを入れられたならば1つのモデルで何パターンものポーズを作る場合はギリギリ使えるかも
  • 万能というよりはかなり局所的な使い方(特殊な使い方)になると思う。
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