画力がないなら立体を作ればいい

「何を作る」より「どう作るか」を考えたい人

ZRemesherはローポリまでリトポできない理由

(約 5,400文字の記事です。)
f:id:yamato-tsukasa:20191112002151p:plain
結論を先にいうとZRemesherはローポリを1, 2回ディバイドしたような「ミドルポリ」までしかポリゴン数を減らせない。つまり、ローポリまでリトポできない。え?なんでできないの?理由はいくつか考えられるが、事実として、ローポリになりません。これがZRemesherの最大の弱点です。

ZRemesherではミドルポリまでしか減らせない。

ミドルポリとは私の造語。ローポリとハイポリの間くらい、ならばミドルということでミドルポリゴンの省略型です。だいたい伝わると思う。カクカク以上メッシュ真っ黒未満のほどほど。ゲームキャラとしてはハイポリだが、フィギュアの原型としてはラフモデルという状態。感覚的なモノです。

ポリゴン数というよりもメッシュ密度で捉えて理解している人が多い(なぜならば、ローポリでも世界全体を表現したら何千万ポリだし、ハイポリでもピーナツ1粒なら何千~何万ポリだ。意味がない。ポリゴン密度だと考えればしっくりくる。

一般的なローポリ状態

そもそもローポリも厳密な定義があるわけじゃないが,一般的にはこの程度がだいたいローポリかと。

f:id:yamato-tsukasa:20191112000908p:plain

VRoidの素体もローポリかと。
f:id:yamato-tsukasa:20191112001345p:plain

ハイポリ

Zbrushでいうなら、メッシュが真っ黒に近づいた状態。黒ければ黒いほど。もちろん密度での表現なので、カメラでズームインすればすかすかのローポリに見える。これが罠。Zbrushのみしか扱っていないと、今のメッシュがローポリなのかハイポリなのかがわかりにくい(Zbrushの快適な基準がミドルポリ~ハイポリなので、何がローポリなのかいまいちわかりにくい)。なので、人体1体で何万ポリかで判断したりすること多い。全体として見える状態でのポリゴン密度で考えると多少は分かりやすい。面の数と、表現したい物の形との差が重要だが、これもかなり感覚的な話。

f:id:yamato-tsukasa:20191112001710p:plain

私の考えるミドルポリ=ZRemesherの下限のローポリ状態

Dogがミドルポリと考えると割とよく分かる。

f:id:yamato-tsukasa:20191112010742p:plain

細部が表現できているが、ハイポリほど真っ黒ではない。だがポリゴン数を半分にはできそうだよね?と思えるほどの分割数だ。だがそうすると耳がなまって消え始めます。なのでギリギリ細部を表現できるけれども、ローポリというほど粗くもない、微妙な状態。実はこれくらいがZbrushでは最も良く造形できるポリゴン密度。扱いやすいから。

で、ZRemesherで最小ポリゴン数にしてもこの辺で打ち止めになる。

f:id:yamato-tsukasa:20191112011220p:plain

確かにローポリなんだけど、何だか色々あと一歩足らない。もう少し減らせそうだし、表現の潰れをなくするためにはあと一歩ハイポリにしなければならない。かなりローポリ寄りのミドルポリなんだな。

f:id:yamato-tsukasa:20191112011529p:plain

なんか惜しい。

で、最初からかなりのローポリのメッシュをZRemesherしてもこんなことに。
f:id:yamato-tsukasa:20191112002151p:plain

あまり減ってないし、ゆがんだメッシュに見える。悪化した。

ZRemesherのポリゴン数の下限がミドルポリになる原因の予測

これはただの予測だ。公式な発表があったわけではない。あくまでの私の経験と予測。

ZRemesherは頂点群の傾向を分析してリトポしているらしい。そうなるとある程度頂点が群れていてくれないと、予測ができなくなる。だから4点からなる面のサイコロみたいなリトポは原理上不可能なのだ、と思っている。最低でもサイコロをさいの目上に数分割した状態までしかならないのも、各面に数十以上の頂点群が必要からだろう。そうなると色々説明が付く。ミドルポリ止まりなのもそのためだ。1つの面の頂点群の傾向の違いを読み取ってリトポするわけだから、ローポリにはなり得ないのである。

有機的な形状は割とローポリまで達することもある理由は、恐らく、1つの面をなすであろうとカウントされる頂点群が多いからだと予想。滑らかにつながっているからそれ全体を1つの面として捉えているならば、頂点群の下限に余裕があるので思ったよりもローポリな仕上がりになると思っている。逆にハードエッジがある面はきっちり面が別れる分、そこに含まれるべき最低限の頂点数は必要だからそれ以上削れない故にミドルポリ止まりなのだろう。


ってことはZbrushってローポリに弱いの?

はい、そうです(断言)

もちろんZbrushでもZModelerでローポリ操作は「何とかできます」が、快適でもないし、早くもないし、効率的でもない。ローポリのポリゴンモデリングならBlenderなどの他のソフトの方が圧倒的に早い。ZModelerでガチャガチャとオプションを選んでいる時間があれば、Blenderならば2, 3個の頂点・辺・面の移動が完了している。

ポリゴン操作は、Zbrushでは「考えない方がいい」(ZModelerがあるから「できなくはない」だけです。)

作業内容によっては一度Blenderにメッシュを移してから瞬殺して再びZbrushに戻す方が早くて快適だったりします。GoBなら瞬殺だし。一手間かけてFBXでの往復でもいい。

ZModelerはその使い方に習熟したとしても、活躍するのは一部の頂点・辺・面の調整のみです。あまりここでの学習にエネルギーを使っても意味がないと思っています。メッシュがローポリなんだからBlenderとの往復で調整はできるわけだし。GoBで一瞬だから、Blenderが使えるならばまずはZModelerなしでも何とかなるでしょう。


じゃあ、ZbrushとBlenderとを組み合わせて運用すればいいのでは?

そういうことですね(笑)ローポリまではBlenderなどの別ソフトでモデリングし、Zbrushに移す。修正はちょっとならばZModelerで済ますこともできるし、根本的に一端Blenderなどに移して調整後に戻すことも十分にアリだ。ZModelerに習熟していないならば、それでもその往復だけで何とかなる。

で、ミドルポリ以上がZbrushの戦場ということになる。もちろんハイポリならZbrushの独壇場だ。だから迷うのはミドルポリをZbrushかBlenderかどちらで扱うか?ということにはなると思う。

これはお好みでいいだろう。Blenderのプロポーショナル編集でもいいし、Zbrushのムーブブラシでもいいだろう。

BlenderとZbrushとの往復の唯一の弱点は、メッシュを確定させておかなければならないこと。ディバイド類が使えない。ローポリモデリングならダイナミックサブディビジョンを多用するだろうが、そっちはOn/Offができるから可逆なのでZModelerが使えるが、ただのクラシックサブディビジョンは一度解除すると可逆性がなくなるから、結構厄介。一応フリーズさせることで使えるが、フリーズは元に戻す際に、結局は解除&再ディバイド&ProjectAllを繰り返すので、厳密に元の形に戻るわけではない。ここを気にするかどうかは、人による。またProjectの設定値やメッシュの状態によっては穴あきなどが発生する。これを嫌がってフリーズを使わない人もいるみたい。

https://www.reddit.com/r/ZBrush/comments/359j1k/after_unfreezing_my_subdivision_levels_anybody/

とはいえ、実際にご自身で試して問題がないなら使えばいいと思う。(若干情報が古いし)

ディバイドレベルがあってももちろんMove系ブラシで動かせます。問題は「回転系の移動が絶望的」だということ。これはまた別の回にて。

それでもZbrushが有利な点

既にメッシュ全体が何百万ポリゴンになっている場合。元がローポリでも、何かの事情でハイポリ化状態になってしまったら、ポリゴン数によってはBlenderでの操作が快適ではなくなる可能性がある。残念ながらBlenderではあまりにも多いポリゴン数は、快適に扱えない。毎回何の作業をするにも1, 2秒かかってしまう。その閾値は各PCの性能に依存するかも知れない。そうなるとBlenderではそのメッシュは扱えないことになる。不便でもZbrush上で完結させなければならない。そうなるとZModelerの復活です(笑)

回避策はあります

とはいえ、指の調整なら、手首までのメッシュを分割してBlender移行してポージング調整後にZbrushに戻して重複頂点を結合(Weld Points)すればいいだけの話。一工夫すればBlenderの便利な恩恵にあずかれるわけだから、やはりZbrush1つで万能、とはならない。

結論1 Zbrushはモデリングについて万能ではない

得意な部分はもちろん多いし、Zbrushでしか扱えないハイポリについてはZbrushが一番効率がいい。ブラシ操作なども習熟すれば凹凸を作るのも便利だ。一方で、ローポリモデリングと、メッシュの回転にはとても弱い。(メッシュの回転の話はまた後で。)
また、幾何学的に正確な形にも弱い。角度N度で曲げ、等間隔での配置、角丸のベベルの幾何学的な正確なRの難しさ、等々。それらはCADやポリゴンモデリングの方が作りやすい。

面白いことに、Zbrushの得意/不得意と、Blenderのそれとは対照的なので、だったら両方使って組み合わせて、一部のメッシュを往復させて、やりやすい方で編集して仕上げればいいんじゃない?ということ。

私は今までモデリングはZbrush1つで済ませようと思っていたが、ローポリかミドルポリ以上かで、使い分ける必要性を感じている。その方が効率的だと思えたのだ。で、Blenderでの頂点操作の学習の必要性を感じたわけ。もちろんZModelerでごりごりできるけれど、スマートじゃないなとずっと思っていた。なので、残念ながら、Zbrushではローポリ操作については、Blenderを使ったほうが「楽」だと思う。認めざるを得ない(笑)

なので今後は、しばらく、ZbrushとBlenderとの往復での謎を解明する記事が続くかも知れません。Zbrushでのこれ、Blenderではどうやるの?的なコラム、有料記事の紹介などを予定しています。

結論2 リトポ手段は模索すべし

私がBlenderに期待する要素の一つは、純正でもアドオンでもいいので、割と実用的なリトポツールの実装だ。これがあれば、Zbrush上でトポロジ無視の自由な形をハイポリで作り、Blender上で手動リトポし、Zbrushに戻してProjectAll(転写)すればいい。造形とトポロジ整理とを完全に分離させるのだ。これはBlenderの今後に大きく期待している。

といっても現状、私がその機能を欲する創作活動をしているわけではない(笑)ただ、ワークフローとして、自由な造形と綺麗なリトポとを操る工程には興味があるし、将来何か作りたくなったときにそれが身に付いていればスタートダッシュが早い。壮大な暖機運転とも言える。

おまけ

実はこの記事を書いているうちに、ZbrushとBlenderとの比較の話になって膨大になったため、中身を3等分したうちの1つがこれです。それでも十分に長い。もっとコンパクトにすることを考えないといくら時間があっても足らない。反省。

今後は「タイトル(第1回)」「タイトル(第2回)」というように、1つのテーマについて執筆時間で区切ることが増えると思います。そうしないと時間がかかりすぎるのです。ご了承下さい。今回の記事は多分3回分くらいのボリュームだと思います(笑)書いてばかりだといざ3DCGをやりたくなったときに既に時間切れだったりします。それはそれでせっかくの創作のモチベーションが消え去るのでそれは避けたいのです。。。



今回の創作活動は約2時間30分(累積 約1,218時間)
(429回目のブログ更新)