フルーエントの全機能をマスターした

(約 3,200文字の記事です。)

(Fluent 2.0ではありません。執筆当時のFluent 1.0系のみの解説です。)

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フルーエントの公式動画を全て理解し、Blender上で実際に使ってフルーエントの全機能を理解した。

目次

公式動画はバージョンが古くて最新版での使い方が分からない

これな!旧バージョンの使い方に用はない。今のバージョンではどう操作するの?これが分からなかった。で、結局はインターフェースが違ったりホットキーが違ったりと、結構な落とし穴があった。これだと仮にアドオンを手に入れても使う気になれない。チュートリアルのないソフトなど作者の自己満足でしかない。便利機能も便利に使えなければタダのプログラムに過ぎない。

で、全機能を理解した上でフルーエントとはどんなアドオンなのかをご紹介。

平面ベースのブーリアンモデリングツール

とにかく四角形を基本とする造形に強い。あと角を正確なRで丸めるのも得意。

また、スライス機能で複雑な形を「手前から奥に貫く」か「途中で直角に折り返して終了」させるか、の2つにも強い。後者は広く解釈すれば四角形でのカットということで理解できると思う。前者はこれまた波打つ側面を持った四角形で奥まで対象メッシュを貫くカットと言うことで理解できるだろう。なので、基本は四角形の箱を使ったブーリアンモデリングである。

幾何学的な繰り返し造形に強い

等間隔での配置、円周上に等角度での配置などにも強い。

円形ベースの造形にも強い

例えば断面図を描いてぐるりと一周させることで、ツボのような形を作れるし、それでくり抜くこともできる。その角を丸くするのも得意。

角丸の弱点的な造形

実は豆腐の角を丸めるのは得意だが、豆腐の真ん中くらいをスプーンですくった後の角を丸めるのは苦手。要は外周の角を丸めるのは得意だが、くり抜いた穴の角を丸めるのは、フルーエントでは無理。手動でBlender上のモディファイアの順序を入れ替えることで可能だが、モディファイアの順序入れ替えはプチプチと操作しないといけないので辛い。残念ながら今日現在でもBlenderではモディファイアのドラッグ&ドロップによる順序入れ替えは実装されていない。そのようなアドオンも見つからなかった。これは苦行。

もちろんメッシュ全体の角を一律に丸めるLatest Bevelsを適用させればいいという発想もあるけれど、それだと困る造形もある。そうなると可逆でありながらSecond Bevelを適用させるためにはやはりモディファイアの適用順序を手動で入れ替えるしかない。

押し出し、押し込みの弱点

筒状に押し出し、押し込みは得意だが、それをテーパー形状にするのは苦手。例えば突起を台形状の突起にするのはフルーエントでは無理。メッシュを確定させてからSキーなどで端面を縮小するしかない。この点はFusion 360などの方が可逆性がありつつ作業できる範囲が広い。残念ながらフルーエントは万能ではない。

フルーエントの得意な形は瞬殺だが、できないことも多い

なので、造形の形によってはフルーエントで瞬殺することもできるが、フルーエントだけではどうにもならない造形もある。またフルーエントの最終形状はCADのSTL出力と同じで結局は三角ポリまみれになるから、後加工できる部位は限られる。またブーリアンモデリングなので、作業の手順的に非可逆な手順での手動モディファイア適用>次の工程へ、という流れも発生する。

なのであくまでもフルーエント上で加工できる形状についてのみ可逆で加工できるだけである。この点は、残念ながらFusion 360などのようなCADの方が可逆性の幅が広い。

CADが十徳ナイフならば、フルーエントは小型のナイフとキリとプラス・マイナス電動ドライバー、という具合。クラシックな缶詰は開けられないし、ワインのコルクも抜けない。けど、果物のカットと木ねじの打ち込みは早い。そんな具合。

ガンダムを作るのは辛いがコアファイターならできそう

曲面の制御がほぼ無理なので、平面ベースの造形なら結構早く作れそうだ。
だからガンダムのふくらはぎのカーブは無理だが、コアファイターの翼ならさくっとできそうだ。とにかく平面ベースな造形なら早い。なので平面ベース専門の造形ツールだ。

でもそれならFusion 360などのCADソフトでも十分に早いってことになるんだけれどね……。

牛乳パック型のベースを作って四角ポリまみれにするならば勝機はある

無理にフルーエント上でテーパーやふくらはぎを作る必要はない。寸胴で牛乳パック型に作っておいて、四角ポリになるようにポリ分けすれば、後はZbrush上でブラシで盛り上げればふくらはぎは作れることになる。そういう使い方もアリだろう。メッシュ同士を無理矢理結合しなくても、重ねるだけのメッシュにしておいて各ポリゴンを四角ポリで構成しておけばZbrush成形後にZbrush上でブーリアン結合する手もある。

そう考えると、ふくらはぎの曲面に囚われすぎず、ふくらはぎ用パーツを独立させれば、太ももなどは四角ベースだから、フルーエントで作れる部分は結構多い気がする。腰回りなどは思い切り平面構成パーツだらけだ。よく考えると上半身はほぼ平面ローポリじゃないか?あるいは円形ベースだ。頭部だけがまた丸みを帯びた形だが、ツノも目ももみあげ?部分の繰り返し造形も……。結構作れるのかも知れないね。作らないけれど。

(ザクは無理っぽい。色々と丸すぎる。)

案外フルーエントの限界を探る造形も楽しいかもしれない

制約が多い反面、驚速なので、得意・不得意を探ってみるのもいいかもしれない。得意側の造形ならば驚速なので、ワークフローの一部にフルーエントを組み込んでターボ加速ってのもアリかも知れない。

ノーマルマップを作るための細部作りに便利かもね

メッシュとして運用するには辛くても、細部の凹凸を作った後にノーマルマップを作るためのベースメッシュ作りとして利用するならば結構いいかもね。Blender内限定ならデカールマシンなどがあるが、UE4やUnityなどの外部ソフトに持って行くならばノーマルマップとして必要になるだろう。(デカールマシンがノーマルマップとしてエクスポートできるのかどうかは知らないです。)

なので、一度Blender上でメッシュとして実体化し、そこからノーマルマップを作り、つるんとしたローポリメッシュにノーマルマップを適用させれば、UE4やUnity上では凹凸に見えるわけだから。そういう使い方になるのかも知れない。

可逆性をある程度保ちながら複雑な作業をするにはBlenderの知識が少し必要

モディファイア関連の適用に関する知識とか、どこまでの可逆性を残してどこからを確定メッシュにして頂点編集するかの見極めが必要。そこを突き詰めるとCADに行き着いてしまう。なので、フルーエントの使い方のコツは、インスタントに平面ベースの造形をさくっと作るってことになる。それ以外は無理。なので、割と造形に依存するツールだ。

狭いカバー範囲だが驚速で作れる。そんなツール。

今日は疲れたのでこの辺で。使い方記事はボチボチ書いていきます。

今回の創作活動は約4時間(累積 約1,268時間)
(450回目のブログ更新)

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