(約 1,800文字の記事です。)
今回、オリジナル小説用の地図を立体地図にZbrushで作ってみようと思って四苦八苦して気づいたこと。それは、立体地図をZbrushで作ればブラシの特性がよくわかるのではないか、ということ。
- 立体地図を作ってみたら思いの外苦戦した
- ブラシの特性をきちんと理解して使っていないから
- 立体地図にはブラシのほとんどの要素が含まれている
- 山、川、平野、湾のある立体地図を作ってブラシの特性を理解する
- しばらくは小説用モデリングを中止して立体地図作りによるブラシの特性を探すかも
立体地図を作ってみたら思いの外苦戦した
この地図を立体にしてみよう。
で、75分掛けてできた結果がこちら。
残念なくらいにショボい。なぜ75分もかかる?30分くらいでできそうなモノなのに。で、考えてみた。
ブラシの特性をきちんと理解して使っていないから
今まで何となく使ってみて、お気に入りのブラシはある。だが、そのブラシの特性をきちんと理解した上で使えていたかというNoである。思い通りに造形できていたのであれば30分で作れていたはずなのだ。だが倍以上かかっている。つまり、今までは、何となく盛ってスムーズブラシで滑らかにしていただけに過ぎない。それが人物造形で通じていただけであって、立体地形の造形では通じないことが露呈した。つまり、ブラシを使いこなせていないことがよく分かった。
立体地図にはブラシのほとんどの要素が含まれている
立体地図を作ろうとすると、例えば次のように相反する2つの要素がふんだんに盛り込まれていることが分かった。
- 山脈の鋭いエッジと山麓のなだらかさ
- なだらかな山麓と切り立った岩山
- 凹凸の山脈と真っ平らな平野
- 川幅は細い上流域と広い下流域
- なだらかな浜辺と断崖絶壁の海岸線
- 滑らかな海岸線とリアス式海岸のような入り組んだ湾
これらはいずれも動画や画像で見たことのある風景なので、自然か不自然かは誰の目からも明らかだ。Google Earthで眺めてみてもいい。だれもが「認識」できているのに、それを立体として作れないのは、ブラシの使い方が分かっていないことの証拠でもある。
もちろん細かな凹凸はアルファを使うなどすれば効率的に作れるが、今はそれよりも基本的な形の作り方ができていない。遠景はよほどのことが無い限り基本的には滑らかな表現で表現できるはずなのに、それすらも作れなかった。
山、川、平野、湾のある立体地図を作ってブラシの特性を理解する
これがいいかもしれないな、と思った。山は、山麓、山脈、山、の3要素で作る。鋭い山頂、鋭い尾根線、なだらかでモコモコする山麓。これだけでも収穫はある。
川は上流は細く、下流は広く作る。滑らかなカーブと、上流の鋭いカーブとを混ぜること。
平野は、ブラッシングで段差ができやすいかどうかの判断基準になる。スムーズブラシに頼らない場合にどうなるかのテストである。
湾は、滑らかな斜面と、切り立った斜面とを作りやすいか、制御しやすいかのテストになる。
しばらくは小説用モデリングを中止して立体地図作りによるブラシの特性を探すかも
Zbrushのブラシの特性を知らないまま経験時間数を重ねても無意味だ。理解できていないものは使いこなせるはずがない。Zbrushはデジタルツールだから、経験で補えない部分のほうが多い。なので、本などですぐに得られる知識を除けば、知識を得るためのテストを通じて知識を増やすことでしか上達できない。何となくの経験値は上達にほんのわずかしか貢献できない。ツールの使い方に慣れる、という1点。そんなのは1時間も触れば十分だ。
今一度、初心に戻り、自分が普段よく使うブラシの特性をきちんと確認したくなった。ある形状を作る際に、どのブラシでどういう操作でその形に最短で持って行けるかのパターン作りである。山の稜線ならこのブラシ+こういう加工、川幅を滑らかに変えるためにはこういう操作が必要、など、全ては立体造形の基本に通じる。盛り、彫り込み、平坦化、滑らか化、角度の制御。これをきちんと身に付ければ、何でも造形できる。今一度、ブラシの種類とそのブラシで作れる形とに向き合ってみたい。
今回の創作活動は約15分(累積 約827時間)
(239回目のブログ更新)
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