Zbrushのサブツールをラフな操作で確実に選択する「YT SubTool Selector」

(約 3,900文字の記事です。)

Zbrushのサブツール選択にはコツがある。リスト左側のアイコンかサブツール名かその上の余白をクリックしなければならない。だがアイコンのすぐ隣のリターン矢印アイコン、これが結構厄介だったりする。また他にもブーリアンの指定アイコンや目玉アイコンなどをクリックすると、サブツールの選択状態は変わらずにそのアイコンの状態だけが変化する

これ、地味にイライラする要素だったりする。

ユーザーにとって必要なことは「確実なサブツールの選択」なのだ!

というわけで、簡単操作で確実にサブツールを選択状態にするプラグイン「YT サブツールセレクタ」を開発いたしました!サブツールボタンの上にマウスカーソルを重ねてホットキーを押すだけ。ただ、それだけ😍

対象読者はZbrushを10時間以上ヘヴィーに使い込むプロのZbrushユーザー、あるいはサブツール選択ミスで悲しい思いをした人。

目次

サブツールを選択したいだけなんだ!

そう、ただそれだけ。サブツールを選択状態にしたいだけなんだ。だがZbrushではクリック箇所を間違えると、サブツールが選択状態にならない。そうならないばかりか、クリック箇所によってはSTARTアイコンがONになったり、ブーリアンの状態変更になるだけだったりする。

それに気が付かずにギズモ操作した日には目も当てられない。一体どれくらいの作業をアンドゥしなければならないのか。頭がクラクラする……。

特にハードサーフェス系のカッチリした造型の場合、数手順前の「誤ったギズモ操作による歪み」は、作業工程の後半で発覚するとかなりの致命傷になります。何日前の、どの手順の「サブツール選択ミス」の影響か……。考えるだけでもゾッとする😱

また場合によっては、現在選択状態のサブツールを誤ってダブルクリック(というか2回目のクリック)すると、今度は目玉アイコンがON/OFFのトグル切り替えになる。もちろんそのサブツールを選択下状態ならば目玉アイコンの状態に関わらずキャンバス上に表示される。だが別のサブツールを選択すれば、当然ながら目玉アイコンのON/OFFによって表示/非表示になる。

……、私はただ、サブツールを選択状態にしたい、ただそれだけなんだよ……。

そういう地味だけれど切実な願い。プロの商用原型師様からのリクエストを受けて開発したのが当プラグイン「YT SubTool Selector」なのです!

カーソルを重ねてホットキーを押すだけ

そう、マウスカーソルを目的のサブツールの上に重ねて、後は事前に割り当てたホットキーを押すだけ。ただそれだけ。

カーソル位置は「サブツールボタンの上ならばどこでもOK」だ。別に左側のアイコンに限定されない。それどころか、曲がった矢印アイコンの上でも、ブーリアンアイコンの上でも、筆アイコンの上でも、目玉アイコンの上でもOKだ。

そこにマウスカーソルを重ねた状態でホットキーを押せば、サブツールが選択状態になる。他の状態は変更しない。

また、現在選択状態のサブツール、通常であればそこでクリック動作をすれば目玉アイコンがON/OFFトグルする。だが当プラグインのホットキーを何度連打したとしても、目玉アイコンを変えない。当プラグインはシンプルにマウスカーソル下のサブツールを選択状態にする、ただそれだけ、逆にそれしかしない」ツールなのだ。

高機能を「あえて指定した機能=サブツールを選択するだけ、ただそれだけ」に絞ったツールだ。それ以外に何もしない。

だが実はこのシンプルな機能をシンプルに実装することがメチャクチャ大変だった。ヒント:クリック時、Zbrushフォルダは必ず開閉トグルするが、サブツールの場合、選択されるか目玉トグルするかの条件分岐がある。こういう「サブツールかZbrushフォルダかで挙動が微妙に違う」場合に、実装にとても苦しむことになるのである。。。

Zbrushフォルダも単にトグルさせるだけ

Zbrush純正機能の場合、Zbrushフォルダについても、左側の「フォルダアイコン」をクリックすれば開閉トグルする。だがそれ以外の余白でクリックしても何も起こらない。

ところが当プラグインを使えば、Zbrushフォルダについてもフォルダボタン上のどこにマウスホバー+ホットキー押下で簡単に開閉トグルさせられる。もちろんZbrushフォルダの歯車アイコンや目玉アイコン上でも、単にZbrushフォルダを開閉するだけの操作に限定している。

その他のボタンはクリック動作(Windows 限定)

サブツールやZbrushフォルダ以外のボタン、つまりごく普通のZbrushのボタンUIにマウスカーソルを重ねてホットキーを押すと、Windowsの場合はクリック動作するようにした。その方が色々便利だろう。クリック動作のためにペンタブを持つ利き手を消耗させる必要はない。クリック動作を逆の手に負担させれば利き手の保護に役立つ。

ただし諸事情によりWindowsユーザーの場合はほぼあらゆるボタンUIをクリック動作させることに成功しているが、Macの場合には、それができなかった。なのでMacユーザーの皆様の場合は、残念ながらサブツール・ボタン上かZbrushフォルダ・ボタン上でしかホットキー押下の操作ができない。他の一般的なZbrushボタンについては素直にペンタブレットタップかクリック動作をして下さい。

これについては実は「特定のボタン群以外」で良ければMac版でもクリック動作を実装可能だ。だがその「特定のボタン群のみクリック動作が発動しない」という美しくない実装が嫌だったので、リリース当時はまずはWindows限定でフル機能を実装した。

今後の機能拡張についてはMacユーザー様からのお問い合わせ&開発支援金次第です。。。

最後に

The シンプルなZbrushプラグインだ。機能拡張所か逆に「機能制限をメインとしたプラグイン」になった。なかなか珍しいパターン。だがこれで「確実に狙ったサブツールを、ラフな動作で選択状態に」できるようになる訳だ。1日10時間以上Zbrushを使うプロユーザーにとって、サクサクと狙ったサブツールを選択できる価値は非常に大きい。

サブツールを選ぶ、ただそれだけの事に神経を使わずに済む。望む造型に集中できる。

「狙ったサブツールをあっさり確実に選択状態にする」。それだけを実現するためのプラグインです。

左手キーボードの活躍シーンが今後増える予定です。(意味深、今後のZbrushプラグイン開発活動にご期待下さい😊)

ダウンロードはこちら

今回の創作活動は約1時間30分(累積 約2,886時間)
(840回目のブログ更新)

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