Rhino 3Dのリトポ=リビルドと、曲率の可視化(Rhino 3D学習45日目)

Rhino 3Dの学習 45日目。日本語版公式トレーニングマニュアル Level 2のうちハンズオンしていない部分を演習中。今回は割と学びが多かったので、時間数はかかったが充実していた。というか「滑らかとはどういうことか?」の自分自身からの返答レベルが上がった気がする。レベルアップした😊

名称の表記について

正式には「ライノセラス(Rhinoceros)」という3DCG CADソフトですが、当ブログではRhino 3Dライノ 3Dまたは単にライノと書くこともあります。

(約 3,400文字の記事です。)

目次

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クリース編その2を実施。前回のその1ができれば「ちょっと工夫」しただけだった。おそらく滑らかクリース変化の手法はこの2パターンしかないのかもしれない。だとすれば貴重なテクニックを手に入れられた。

ってか自動車の表面くらいしか応用先が見当たらないが、テクニックはいくらあっても困らない。

ちょっとさかのぼって、石鹸みたいな全身G2の作例のハンズオン版。実はこれの手順はかなり「適当に」紹介されていた。序盤で頭を抱えたが、結論から逆算して「多分こういうことだろう」で作った。

要するに6面を用意し、全部を立体交差させて、余った部分をトリムで切り取る。ソリッドの完成。その後に必要なエッジにBlend Edgeで面取りするだけ。ただしY形状の組み合わせができないように、最初に側面の4本のエッジだけを角丸化し、次に天面と下面の各周囲に対して同様に角丸化。結果としてフルG2となった。

大和 司

スター結合=特異点=Singularityを回避すればBlend Edgeは超絶強力だね。

天面がG1接続に見えるが、ライノ 3D上で拡大してよく見ると微妙に滑らかに繋がっている。なのでG2接続なことは間違いない。

なめらか~。

そして今日の収穫はこれらではなくて。

要するにリトポのNURBS版

BlenderやZbrushなどのポリゴンモデリングで「リトポ、またはリトポロジー」という用語を聞いたことがあると思う。ハイポリを、ほぼ形そのままにミドルポリやローポリに変換する作業だ。リトポツールには全自動のツール(Quad RemesherやZRemesherなど)と、手動でリトポするRetopoFlow、あるいはプチプチとポリゴンを貼り付けるやり方もある。

それのNURBS版。NURBSではイラレのような「カーブ」を使って面を構成し、それを立体的に繋げて立体化している。なのでNURBSでのリトポは実はカーブの再編集になる。ライノ 3D用語では「リビルド、Rebuild」になる。

大和 司

ライノ 3Dではカーブの再編集もサーフェスの再編集もリビルドという用語で統一されている。要するにリトポのNURBS版がリビルドなのだ。

カーブのリビルドの必要性

この4本のカーブは、例えば外部のスキャナで3Dスキャンしたものの輪切りだったり、イラレから取り込んだり、何かしらの手段で取得した「無駄に高密度なカーブの結合体」だったりする。

大和 司

ライノ 3Dは色んな形式のデータを読み込める。だがどんなカーブが作られているかは割と重要。

それをロフトでつないで面にしたら、こんな感じでIsocurveだらけ。つまりはマルチスパンカーブなので面の制御点がとてつもなく多い。

分かりやすく言うと、ハイポリでサブディビジョン・モディファイアをセットしたような感じ。制御点を制御しきれない😭原因は以下の左のカーブ。制御点が多すぎる。

これを形をほぼそのままで制御点の少ないカーブに変更する作業がリビルドなのだ。カーブの次数Degreeを上げてSpan数を1にすればかなり扱いやすくなる。Span数が1からなる4つのカーブで面が構成されればサーフェス1面が綺麗なクアッド面を保てる

大和 司

ライノ 3D使いが気にすべき重要な点だ。1面がシングルスパンなのかマルチスパンなのか。つまりはカーブに関する深い知識と正しい知識の有無でその後の処理がまったく変わる。これは重要だ。

その具体的な手順をハンズオンで実践してみた。これはかなり実りのある学習時間だった。

ハイポリゆえの面の乱れを解析

CurvatureAnalysisという別のツールが出てきた。カラフルだ。オリジナルのカーブから作ったロフトを解析した結果。The ギザギザ。

この色は要するにグラデーションが滑らかならば「滑らかな曲面」を意味する。このようにギザギザしていると言うことは、表面の曲率がでこぼこに変化しているので、起伏の激しい面を意味する。(きゅうりやアボガドの表面みたいな?全体的に滑らかであっても、ぼこぼこ、ごつごつ、という状態)

大和 司

結局はポリゴンモデリングでもNURBSモデリングでも、無駄に高密度な状況では面が波打つリスクがあるのだ。これは面白い共通点だ。BlenderスカルプトやZbrushではShiftキーのスムーズブラシでごり押しできるが、NURBSモデリングではそうはいかない😭

これを修正するためにはカーブのリビルドで面の張り直し、これが一番早い。

Level 2はやはり一筋縄ではいかない

そしてチュートリアルに従ってカーブをリビルド。The アナログ作業。コツコツとやるしかない。だるい。んで最初にできたものが左の図。何だかツノが生えている😭だが作例ではそうなっていない。何度か試したが無理。必ず角が1つ生えてしまう。

なのでテキストにはないやり方で仕上げた。まったく手段と目的が逆転した編集だが、これは自分にとってはいいトレーニングになった。

大和 司

教材にしたがった結果、望まない結果にしかならなかったのならば、逆に望む結果となるような手段を手に入れる必要があるのだ。今回はそれを自力で獲得できた😍

この解析結果からしても、左の表面は望まない形状なのだ。欲しいのは右側。なのでそれが手に入るようにカーブを修正できたことは非常に意味のある経験だった。

ゼブラと曲率解析を手に入れた(CurvatureAnalysis)

今まではゼブラと鏡面マテリアルによる分析しかできなかったが、今回からは曲率の変化を色で表示するコマンドのCurvatureAnalysisを使えるようになった。また一つ、滑らかとは何かについて詳しくなった。この解析を使えば例えば車をバックでぶつけたような「突然の凹み」を色で可視化できる。

ライノ 3Dの場合は製作中に意図せぬでこぼこの検出に使える。ゼブラはG0~G2の曲率の変わり目を発見しやすいが、曲率の変化を見ることは難しい。今回は曲率の変化を可視化するツールを学んだ。また1つ「滑らかとは何か?」について知ることができた。

そして逆説的に「滑らかな曲率変化」となるように、既存のサーフェスのカーブの調整ができるようになった。これは地味だがかなり強力な基礎テクニックだと思う。Level 2には突然にこういう重要テクニックが出てくるから、侮れない。やはりコツコツと丁寧に読み進めたい。可能ならばハンズオンもいいが、全部をやらずともよい。

前回、前々回の記事では敗北ばかりだったが、今回のLevel 2からは収穫がたくさんあったので良しとする😊

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ライノセラスを学び始めた初心者によく効くノウハウをnoteのマガジンにまとめています。興味のある人はぜひご覧下さい😊

今回の創作活動は約1時間(累積 約4,320時間)
(1,069回目のブログ更新)

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