Blenderのトゥーンシェーダーとアウトライン

(約 3,400文字の記事です。)

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色々とかなり試したが、結論だけを書こうと思う。途中経過の苦労話は誰得だし、そこを力説しても何にもならないので。

目次

トゥーンシェーダーは「KiryToonShader」に決定

当初はToonKit for Cyclesで行こうと思ったが、ドキュメントの動画を見る限り、線画を太らせる様子に引っかかった。イマイチ細いのだ。そして太ったラインを見てみると、線が二重三重に重なるようなけばけばしい表現に。こりゃあかん。ということで不採用。

で、再びリサーチ。今度ばかりは多少の手間をかけても実現可能なシェーダーを探そうと思い、面倒な動画視聴などもした結果、上記のシェーダーを試してみた。
Eeveeベースなのでリアルタイム。基本的には手順はToonKitと同じで、影、ハイライトの色指定可能だ。だがEeveeなのでリアルタイムに変更結果が見える。そして動画の通りいじってみると結構直感的で分かりやすい。制御しやすいと思った。ベースカラーもテクスチャを入力すれば問題なさそう。

デカールマシーンとの相性は?

これも色々とこねくり回した結果、Eeveeのノードベースで上手く合成できた。
画像はテストとして、青色=強制影エリア、赤=強制ハイライトエリア。

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以前自作したこちらのロゴをデカールマシーンで貼り付ける。透明化のエッジにムラがあるためそれも画像でしっかり見えている。ご愛敬。

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頭頂部のデカールのみ上手くノードベースで合成。こめかみ寄りの小さなデカールとあごのデカールはポン付けしただけ。トゥーンシェーダーで作られた影やハイライトのでき方に違いがある。

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だが、結局は後述の線画対策のためには一度テクスチャにベイクしてからの重ね合わせになりそうなので、徒労に終わったわけだが。

問題は線画

で、歓喜の後によく観察すると、アウトラインがない。線画がない。なのでこれはピュアなシェーダーでしかない。肝心の線画がない。ToonKitにはあった。だがそれは線を太らせるのに難がある。なのでEeveeノードベースで線画を足すか、あるいは後付けで重ねるしかない?コンポジットやCLIP STUDIO PAINTでのレイヤーなどを使って。

KiryToonではリムライトを黒にした結果、望ましくないアメコミ調に。

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でこれまた探しまくったわけ。フリーのアウトラインシェーダーや、LANPRでの線画出力など。でも、イマイチ。線画汚い、乱れる、二重三重になってCLIP STUDIO PAINTでも処理が大変、等々。

で、結局はBlender純正のFreeStyleが一番という結論に。

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デカールの四角いエッジまで線画に。これを上手く除外できればいいのだが今は手段が分からない。
何とかコレクション単位で除外した結果、今度は輪郭部分まで消える。

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あまり気にはならないが、仕上がりとしては不満である。なので、結局はデカールマシーンのデカールは最後にベイクしてテクスチャとしてベースカラーにノードで入力する必要がありそうだ。残念。

とりあえずトゥーン表現+線画表現は手に入った

もういったん終了です。しばらくはKiryToonで色々試す予定。Eeveeベースなのでリアルタイムに変更具合が分かるのがいい。アニメ調の具合も満足だし、かっきりぱっちりな堅い線も、グラデ有りの軟らかい表現もできるので、色々試してみたい。

線画も中々満足のいく線を得られなかったが、結局は純正のFreeStyleの疑似入り抜き線が一番綺麗だった。最悪の場合でも線がここまで綺麗ならばCLIP STUDIO PAINTに持って行ってベクターレイヤーに変換してから手動調整も有りだ。かなりの手間だしアナログ作業だから最終手段として残しておきたい。でも線が綺麗だからできなくもないだろう。将来的に本気の一枚を作る際に線の入り抜きまでCLIP STUDIO PAINT上で制御できるポテンシャルがあるってのは嬉しい。だがしばらくはそこまでやるつもりはない。

いったんはリアルなPBR表現からシンプルなトゥーン表現に

今までのPBR表現とは逆だ。ハイライトも影も自分で設定できる。影のでき方も頂点ペイントで意図的に操作できる。これはアニメ顔の影の制御に重要かも知れない。トゥーン表現は実はアナログ表現なので、突き詰めるとアニメーターみたいに影もクリエイトすることになる。まだそこまで深みにはまりたくはない。ある程度は全自動で作りたいのだ。こだわりたくなったときだけこだわる。が今はそのときではない。

輪郭線を意識した造形にシンプル化

トゥーン表現になるので、フラットな部分は全てベタ塗り状態になる。例外としては髪の表現くらいだろう。トポロジもほぼほぼ無関係になる。ベタ塗りなので、細部の凹凸は無視できる。逆に言うとZbrushである程度のハイポリでモリモリ造形しても、そこそこフラットな表現になるわけだ。あるいはモコモコのハイポリをリトポして多少の凸凹があっても無視される。見た目上は。だからポリゴン表現の細部にこだわらなくていい。これはフィギュア造形とは対極にある。

またマテリアルの質感にこだわる必要もない。色だけが重要。あとは明度の違いでハイライト部分とシャドウ部分を表現できるし、その領域はメッシュの法線方向でだいたい決まる。微調整はパラメータ調整になる。PBRみたいにリアルではなくなる反面、ある程度自由だ。

要は見慣れたアニメ表現でいいわけだ。金ピカの光沢表現に苦心する必要もない。光源の形状やライティングにこだわる必要もない。光源側にピカッと明度の高い(白い)エリアがあればそれは「金ピカ光沢」なのだ。そういう世界観がアニメ表現だから。

細部にこだわるのを止めて全体を作りたい

今回、トゥーンシェーダーを探った理由はここにある。フォトリアルな表現のままだとボルト1つネジ1つにハマりそうだった。光源の配置やライティングの表現の全てにハマりそうだった。永遠に終わらない。もっとシンプルに作りたかった。シンプル化のための手段として、トゥーンシェーダー、セルルック表現。多くの人が気付いているように、顔の影なんてアニメ絵ではほぼ嘘絵だからね、アニメ顔でのリアルな陰影は不気味になるだけだから。なぜならばアニメ顔の頭蓋骨の形状そのものは不自然で不気味だからw。

別にリアル表現にこだわるつもりはなくて、単に見栄えのいい作品が作れて自己満足できればそれでいいのだ。趣味なのだから。

今回の創作活動は約3時間30分(累積 約1,515時間)
(541回目のブログ更新)

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