画力がないなら立体を作ればいい

「何を作る」より「どう作るか」を考えたい人

ゼロから作ったオリジナルキャラがポージングされてレンダリングされた日

(約 5,200文字の記事です。)
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今日、ついに完成。ZbrushでゼロからモデリングしたオリキャラにBlenderでリグ入れ&ウェイト塗り&ポージング。Zbrushに戻してメッシュの破綻箇所を修正し、Twinmotionに移して撮影。CLIP STUDIO PAINTでエフェクトを追加して、ついに完成。これがやりたかった。とても長かった。理想をイメージしてから1年半、ついにイメージを実現させることができた。

まずは結果をご覧下さい

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ブラーはCLIP STUDIO PAINTの指先ツール。ただし筆の運びによっては全体的なブラーに統一感がなくなる。ダイナミックとも言う(笑)
なので2枚目はフィルタの移動ぼかしを利用。オリジナル画像レイヤと、全体に移動ぼかしを適用した2枚を用意し、ブラーの方の画像のマスクを削る方向でオリジナルの画像を表示させる感じ。マスクの調整ならブラシと消しゴムでやり直しが自在だ。でも細かいことにこだわってもしょうがないのでキワとかあまり神経質にならない程度にごまかした(笑)

ポスプロのエフェクト演出は重要

何気なく流し撮りのイメージでブラーをかけてみたが想像以上にダイナミックな感じになった。ポスプロエフェクトは重要だと改めて認識。逆に3DCGからのポン出し画像だと、微妙につまらない。絵としては加筆による加工が「イメージを伝える」ためにはとても重要らしい。
もっとも、そのつまらない画像ですら絵として描けるかと言われると無理。ポージングの線画だけで、描いては消してを繰り返して2時間は消えると思う。

ボーン入りのポージングでも難しい

Blenderでボーンを入れてポージング。最初はFKのみでトライしたが、無理。IKがないと微調整ができない。なので急遽、肘と膝にIKボーンを設定。IKボーンを設定すると、体幹のボーンを動かしても手足の位置はほぼ固定されているので、微妙なポージングの表情付けに便利だと分かった。やはり何事も試してみないと分からない。一通りボーン関連の学習をしていてよかった。FKで力業で粘ると、ポージングだけで軽く1時間は超えるね。それはアナログ作業だ。一方でIKで手足固定ならデジタル作業だ。何度ポーズを調整しても基本姿勢が保たれているから。可逆性がある。(FKだと1つのボーンを動かすと子ボーン全体が移動するのでポージングが全滅する、だからアナログと表現したわけ。)

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それではこのポージング、簡単にできたかと言われると、結構大変だった。IKボーンの初ポージングだと言うことを差し引いても、360度どこから見ても自然なポージングというのは、調整がまず大変。IKボーンで半自動になっても、やはり大変。基本的には手足、体幹のボーンはちまちまと3次元移動させることを繰り返すことで望みのポーズに寄せていくわけだ。IKがあれば、まずは手足のだいたいの位置に寄せれば、その4点はほぼ固定。後は体幹のひねりなどを調整し、最後に手首、足首の調整だ。ここはIKで位置を変えると微妙に位置が変わるため、最後の調整にすべき。でないと全滅する。

今回、両手で棒を持っているため、両手の位置の物理的な制約がある。これをFKでやるのはかなりきつい。左右の手のどこかを調整したら全滅するからだ。IK入りなので微妙にずれるが大ずれしない。あと、一時的に左手のボーンと、捕獲器用の暫定ボーンとを親子関係にしたため、一度手の甲の位置に捕獲器を移動させると、手の甲と捕獲器は一緒に動く。なので、左手を調整した後に、棒のお尻が右手に合うように微調整することで整合させることができる。(右手のIK調整よりも早いし、微調整のみならそれでいい。捕獲器の位置や角度にこだわるなら逆に右手を調整するだけだし。右手のIK本を調整すれば、勝手に肘が動いてくれる。)

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左手に棒がリンクしているため、左手の位置と棒の角度を決めたら後は水色の右手IKを動かして右手の位置を調整すればいいだけ。肘は勝手に曲がってくれる。肘の角度は肘用IKで調整すれば、肩と手首の位置を保ったまま肘だけが回転する。最後に手首の位置と握りを付けて完成。

また、両足についてもこれまた位置に制限がある(笑)なんでこんなデザインにしたのか自分は。右足と左足を固定するために、それぞれ固定部分にしっかりと位置合わせする必要がある。

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特に左足。パイプの中にきちんと足先を入れる必要がある。位置、角度、全て重要。これもIKでおおよその位置を合わせ、最後に膝の角度IKと足首ボーンで微調整して合わせてある。
右足はさほど難易度は高くないが、上から見てぴったり穴に足首が入る必要がある。

苦労したけれどポージングにはIKなしではもはや考えられない

つまり、このポーズ、手足の4箇所の位置が適当では完成しない。IKの力無しには無理。そして自分で設定したボーンでないと調整しきれない。人が作ったモデルを流用するだけでは難しい。ボーンの知識全部がないと調整しきれない。

後は体全体の重心とか勢いとか、表現したいポーズにするための微調整。IKを入れてよかったのは、腰の位置を変えても足首の位置が変わらないので、中腰の深さをドラッグ一発で変えられる点。それを変えても手足のIK位置は変わらないので、ポーズ自体は大崩れしない。(手足の先の角度は微妙に変わるけれど)

苦労した甲斐があった。もう裸体ポージングでZbrush+ギズモのレベルに戻れない。戻りたくない。Blenderでオートウェイトでボーンを入れた暫定モデルをポージングした後にZbrushに戻して破綻メッシュを直したほうが、多分早い。

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実際、このポーズの股関節の幅はボーンを平行移動させて調整している。ボーンは人の「骨」ではない。あくまでも回転情報を取得するための仕組みだ。だから、最終的に自由に移動させて「メッシュの状態」を制御すればいい。

ここがBlenderでボーンを入れるメリットだ。市販のポージングソフトではこれができなかったりするし、左右対称移動の縛りがあったりする。

ボーンのヘッドの位置の影響で、大開脚するほど股関節が幅広になる。
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だがポーズモードでボーンそのものの間隔を詰めれば自然になる。ホットパンツという形状の性質上、どうしても腰回りの自然な表現が重要になる。逆に言うと違和感が強調される。いやはや、何でこのデザインにしたのか……。(設定上の理由はありますが割愛)

ワークフロー上の課題も沢山見つかった

もちろんZbrushとBlenderとで位置合わせや大きさを完璧に保ったまま往復させるための試行錯誤(ノウハウ)を何とか手に入れたからこうして実現できている。同様にZbrushとTwinmotionについても。これだけでも結構ハードルが高い。いずれ記事にするかも知れないし、しないかも知れない。未定。

今のところGoBでZbrushとBlenderを連携させているが、ポリペイント情報が不要ならobjでの往復でもいい気がする。なおfbxだとZbrush側でなぜかTポーズになるから使えない。Windows10のビューワーではポーズ済みだが。恐らくZbrush側がポーズ済みFBXに非対応なのだろう。なのでデフォルトポーズで読み込むと予測。GoBならポーズ付き。元のポリペイント付き。Blender側で不用意に頂点グループを削除しない限り、元のポリグループも保持されている。

Twinmotionに持っていって見つかるミスの往復が多すぎた

Twinmotionに持っていって色を指定しようとすると、ポリグループを結合し忘れていて細切れだったり、逆に分けるのを忘れていたりして、ZbrushからFBX再エクスポートからのTwinmotionリロードがかなりあった。後半戦で集中力が切れるとミスが目立つ。その度にマテリアルをドラッグし直しなので無駄が多かった。

Zbrush側のサブツール名をきちんと統一しておけば、Twinmotion側で過去に色指定した同一名のマテリアルは、上手くそれが維持されてポージングだけが変わってくれる気がするが、未検証。もしそれなら、今後はBlenderでのポージングと、Zbrushでの調整が終われば、Twinmotion上で色が付いた状態でスタートできる。かなりUE4的なワンシーンメイキングのワークフローになる。できる気がする。今後の課題。

後はドラゴンや鳥にもボーンを入れればポージングが楽

あと失敗したのは、シーン全体をBlenderで角度調整しなくて、Zbrush上で角度調整した点。その結果、ツインテールの角度がおかしくて、結局Zbrush上でマスク+ギズモで調整したけれど、大変だった。ボーンなら2,3回ドラッグして終わりなのに(笑)

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最終決定した上昇角度が思いの外きつくて、ツインテールの角度が全然足らない、ってなった分けで。Blender上で全部の角度を設定すべきだった。

あとはドラゴンや鳥にボーンを仕込めば、羽ばたきの表現もドラッグ一発。首の角度も同様。鳥やドラゴンの足のボーンは今後どうするか未定だが、飛行モデルと足出しモデルでモデルを分けた方が便利だと思う。別に完全変形モデルを作る必要ない。羽も広げる、閉じるの2つがあれば、完全変形させる必要はない。ウェイト塗りが無理(笑)あとリアルに羽を作るつもりがない。はんぺんでいいじゃない。
口も開閉させられるようにしておくべきか、等と夢は膨らむ。

3DCGで効率的かつかなり自由な表現を手に入れた日です

静止画を3DCGで表現するだけなのに、実はモーションやアニメーションやリアルタイム性のあるエフェクトを除いて、全部の知識が必要だった、というのが結論です。そりゃ長いわけだ。

  1. モデリング
  2. UV展開とテクスチャ(ポリペイント)
  3. 基本的なリギング技術全部
  4. 基本的なウェイト塗り
  5. 撮影テクニック初級
  6. CLIP STUDIO PAINTの使い方

これだけ必要だった。やばいな、ハードル高いわ。たまたまCLIP STUDIO PAINTと撮影技術の知識があったくらいで、あとは独学で身に付けたけれど、Zbrushでのモデリングも相当大変だったし、Blenderの使い方とリギングとウェイト塗りも、きつかったな。どれもきつかった(笑)楽なところは、なかったな。

モデリングはZbrushベースになるから、いわゆるローポリはZRemesherでは不可能なので、基本ミドルポリで押し通す予定。幸いBlenderもTwinmotionも正常に動いている。ファイル容量さえ気にしなければ別にローポリでなくていい。ゲームでもないしムービーでもないので。静止画なので。

というわけで、3DCG初心者が、独学でモデリング、ポリペイントなどで見た目を作って、リグ入れしてポージングして、レンダリングしてエフェクト加筆して「1つの画像」にすることができた日です。私の場合は1年半かかりました。長かったなぁ。

今後は、これらを駆使して自由に創作することができます。

やっと、創作のスタート地点に立って、一歩を踏み出せた。

とっても長かったです。



今回の創作活動は約3時間30分(累積 約1,116時間)
そのうちモデリング作業 約2時間30分(累積 約210時間)
(383回目のブログ更新)