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Blender 2.8のスカルプトモードとZbrushとを比較した感想

(約 3,000文字の記事です。)
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Zbrush中級者がBlender 2.8のスカルプトモードをちょっと触った感想です。

有料ソフトと無料ソフトを比較することが間違ってるって?

その通りです。絶対に有料ソフトの方がいいに決まっている。なので結論はもちろんZbrushの圧勝です。とまぁありきたりな結論は置いといて、Blenderのスカルプトモードはどのくらい使えるレベルになっているか、の感想文です。ただの感想文です。気になる人はさっさとBlenderをDLして実際に触って下さい。その方が早い。DLの待ち時間中にでもお読み下さい。

調べたショートカットやコツ

  • カメラの回転は中ボタンをドラッグ。
  • カメラの平行移動はSHIFT+中ボタンのドラッグ。
  • Zbrushのサブディビジョンレベルの上げ下げはPageUp/PageDown。レベルを上げる際にはかなりもっさりするので深呼吸でもして待つべし。
  • 真正面はテンキーの1番。BlenderはZ-upなのね。
  • ワイヤーフレーム表示とスキン表示切替えは画面右上の地球アイコンみたいな一列の好きなアイコンをクリックすれば分かる。

ブラシ盛り、マスクかけなら普通に使える

思ったほど重くない。サクサク使える。一見するといい感じだ。ペンタブで筆圧も反映される。ちょっと鈍い気がするが、カスタムまでしていない。

Dyntopo(Zbrushのスカルプトリスプロモード)だと重くなる

三角面で140万ポリゴン。球体の表面が滑らかに見えるレベル。結構もっさりする。まるでLazy Mouseが強く効いているかのよう。単に処理が重いだけですが。非力PCだと辛い。

Multiresolution Modifier(Zbrushのサブディビジョンレベル)を上げても快適動作

確かにレベルが上がってしまえばその後の操作は軽い。ただし、レベルを1つ上げるのに20秒近く待たされるのはまずい。とてもイライラするぞ。

Zbrush使いの感想

以下、感想です。ただし、「操作性の善し悪し」は慣れの問題だけだと思うのでそこについては評価しない。両者に慣れたと仮定して比較してみたい。また、有料ソフトであるZbrushのほうが圧倒的に有利な点もご了承下さい。そりゃそうだ(笑)

ブラッシングでのテンポがとても悪い

ちょっと触ってみると、いい感じかも、と思う。が、Dyntopoは重かった。残念。

三角面にはなるが、ダイナメッシュ相当のリメッシュ機能もある。だが、フィギュアレベルでの滑らかさが必要になると急激に重くなる。ちょっと使えないレベル。また、サブディビジョンレベルの上げ下げも30秒くらいかかったりと、これもまた使えないレベル。現状でBlenderに実装されている機能だけでZbrushと比較しても、だいぶ弱い。テンポよく作業ができないというのが致命的だ。Zbrushの4倍くらいの作業時間が必要だと感じた。逆に言うと、手間暇を惜しまなければ何とかスカルプトはできるレベルにある。

ブラッシング以外の機能の不足

有料ソフトと比べるなって気もするが、一応。リトポ機能に不安が残る。ZRemesherが優秀なだけだが。スカルプトの宿命として最終工程に小ポリゴン化がある。ZRemesherと転写は必要。

ま、そういう高機能を抜きにして話を進めると、ポリグループの概念の重要性が良く分かる。マスクの呼び出しにも使えるし、部分的な非表示にも使える。ZModelerでの効率的な作業もできる。クレイポリッシュ系の処理などで面の荒れを減らす処理などもありがたみを感じる。

なので現時点の感想だと、Blenderでもスカルプトできる形も多少はあるけれど、効率が悪い上に、造形手段が限られているので最後の最後に詰まる可能性が高い。

Zbrushがデジタル粘土だとすれば、Blenderのスカルプトは小豆大の極小レゴの組み合わせに近い。どうしても仕上がりの粒度の差がはっきりする。また、作業効率も違う。例えば粘土の球体を押しつぶすだけでハンバーグになるのに、レゴだと上下の両側をもぎ取ることでハンバーグ化するようなイメージ。作業効率と作業の直感性に差がある。

マニュアル的なHow To情報の不足

出てきたばかりだからしょうがない。これもまたZbrushに歩がある。インターフェースの使いやすさはきっとBlenderのほうがまともだと思うのだが(笑)、Zbrushの変態インターフェースであっても他に換えの手段がないのだからしょうがない。慣れるしかなかった結果、それで普及しちゃったわけで。そしてそのHow To情報もあるので、それに従ってやりたいことをやるしかなかった。その情報源がたくさんある分だけ、Zbrushがまだ有利だ。

結論

そりゃ有料ソフトのほうが強いに決まっている。ソレを再確認した。

今後の展望

で、ではBlenderのスカルプト機能はどんどんよくなっていくか?を勝手に妄想する。
う~ん、1,2年は多分無理じゃないかな、と思う。リトポの機能強化は有志による有料・無料のアドオン次第で解決可能だと思うのでひとまず置いといて。肝心のスカルプト機能の強化が今後どれだけ進むのかって話だね。ポリグループ相当の機能や、クレイポリッシュ系の半自動で面を整える機能の話以外で重要なのは、ハイポリ時の動作の重さだ。これが解決しないと使い物にならない。Blender本体が落ちるのは論外だw サブディビジョンレベルの切替えも遅いのも気になる。

では逆に言うと、どんな点が改良されていくとZbrushの代わりになり得るか?を考えてみた。

  1. ハイポリ時の動作の軽快化
  2. ディビジョンレベルの高速切替え
  3. ポリグループ相当の操作方法の追加
  4. ポリッシュ系機能の実装
  5. カスタムブラシの充実

1が特に難しい気がする。それだけZbrushが特殊仕様なのだ。そして統合環境ということを考えても、1の対応は特に難しい気がする。Zbrushが特殊な故にハイポリに異様に強い理由もここにあるからだ。だから逆に普通の統合環境ソフト上でハイポリを軽快に操作することは、原理的に考えても難しい気がする。

やっぱりデジタル粘土をこねたければ、しばらくはZbrush一択というのが、今回の記事の結論です。なので心配しないでZbrushでの造形を楽しんで実力を向上させていいと思う。少なくともスカルプトに関してはZbrushの操作感や仕上がりが基準となっていくことは間違いないので、王道ソフトを使えることは重要だ。

おまけ

王道ソフトを使えることは重要だ、といったけれど、その点で統合環境を見てみると?
もしMayaが破格の年間使用料で使えるプランを日本にも開放したならば、やっぱりMayaに流れる気がするなぁ(笑)

上記のほとんどの考察でZbrushをMayaに置き換えた記事になるぞw

今後の動向に注目だ。

今回の創作活動は約1時間(累積 約906時間)
(308回目のブログ更新)