
ライノセラス(Rhinoceros、動物のサイを表す)という名前の3DCGモデリングツールがある。色々訳あって今日はその情報収集。というか3DCGをやっている人は一度は耳にしたことがあるだろう。実際に私も過去に一度学ぼうか検討した時期があって、当時は見送った。だが今回、また再検討に入った。

Mayaでの3DCGアニメーション学習が沼過ぎた反動で、今回は逆に「モデリング」について少し考え直す結果となった😖
正式には「ライノセラス(Rhinoceros)」という3DCG CADソフトですが、当ブログではRhino 3D、ライノ 3Dまたは単にライノと書くこともあります。
(約 3,900文字の記事です。)
更新履歴
2025/03/06 公開
ライノセラスって何?CAD?
NURBS?3DCGを学んだ人は一度くらいは触っているはずのNURBSモデリング。特にmayaで学習開始した学生は一度はさら~っと基礎講座で触っているはず。多分「めんどくせぇ」という印象を抱いたはずだ😅
ところがBlenderから独学で3DCGをスタートするとなかなか出会えないNURBSモデリング。BlenderにはNURBSモデリング機能がデフォルトでは備わってはいないため。というかBlenderでNURBSモデリングはできるのか?🤔 聞いたことがない。
お絵描きでPhotoshopとIllustratorの違いをイメージすると分かりやすい。ブラシで自由に描けることと、(ベジェなどで)カーブ・オブジェクトを制御して描くことの違い、これの3DCG版だ。前者はポリゴンモデリングやスカルプトモデリング、後者はNURBSモデリングだろう。
Illustratorを触って感じる違和感とほぼ同じで、「これは描いているのか?デザインしているのか?」という違いがある。それの3DCG版ね。スカルプトはとても直感的にモリモリしているので作っている感覚に近い。
個人所有できるCAD、というかデザイナー向けCAD?
CADにも色々あって、それこそ何百万円/年というソフトもある。もはや企業で買わないと使えないレベル。CADにも色々あるらしいが、価格帯として個人が所有できるソフトとしてはギリギリのラインを攻めてきているのがライノセラスという感じだ。なのでもちろんCADとしての基本機能はあるし、NURBSモデリングほか色々なことができる。実際、Rhino 3Dでは
- NUBBSモデリング
- SubDモデリング(いわゆるサブディビジョン・モデリング)
- メッシュ・モデリング
- 四角ポリへ変換するQuad Remesh機能
これらが使える。要するにポテンシャルとしては色々やれる。



(とはいえNURBSモデリングこそがライノ 3Dの強みなのであえてポリゴンモデリングする必要はない。というかBlenderのほうが快適。)
あと、ファイル形式の変換が多彩。特にCADの標準ファイル形式であるSTEP, IGESにも対応。これはBlenderやMayaといったポリゴンモデリングでは不可能な形式。
日本ではマイナー、世界的に見れば割とメジャー
ライノ、日本ではあまり使われていないようで、強いて言えば建築、宝飾、アクションフィギュアやハードサーフェスモデリングなどで使われているようだ。
世界的に見ればライノ 3Dは割とメジャーなソフトらしく、情報収集しても英語で調べればそこそこ出てくる。(日本語情報はかなり少ないが……。)



なので現時点の手応えでは、う~ん、まぁまぁ微妙なラインのCADソフト、という印象だ。少なくとも日本語メインで学ぶソフトではないな、と感じた。
実際にYouTubeで探しても日本語情報はかなり少ない。英語で調べても、あまり多いとは言えない。オープンソース文化のBlenderやPythonの活況とはかなり違う。オートデスク製品やUnity, UE5のように充実した公式動画チュートリアルがあるのだろうか?調べてみたが、無料で手に入る情報がかなり少ない。
ないのかと思ったが実は見つけにくいところにあった。


しかも.jpドメインではなくて.comドメインにあった。どうりで.jpのサイトを眺めてもチュートリアルが見つからないわけだ。(このパターンは外国製ソフトの日本語サイトによくあるパターン。)
それは裏を返せばユーザー数の少なさを表していると思う。使っている人は使っているが、使い始めてさえいない人のほうが多いという印象。



要するに日本ではマイナーな3DCGソフトってことになる。
ユーザー数と性能は比例しない
ただしユーザー数が少ない=低性能だとは限らないことがポイントだ。狭くて深いニーズにハマっていれば、ユーザー数に関わらずソフトは生き残れる。それにシェアが世界レベルで確保されているならば運営としては「日本は一部の市場」でしかないわけで。なので日本でマイナーだからと言っても必ずしも未来が暗いわけではない。



将来性については問題ないと感じた。
要するに日本人の初心者は手を出しづらい、というネガティブな状況にあるものの、ソフトウェアとしては個人所有ができるギリギリの価格帯のCADソフト、と言えるだろう。
過去に学んだFusino 360を思い出す
その昔Fusion 360で作った謎肉w


だいぶ以前に個人利用が無料だった時代にFusion 360を試していてCADを学んだ思い出がある。(今のFusion 360状況は知らんw)ただしFusion 360は自分には合わなかった。CADは自由で気ままな面出しが難しい。設計図通りにカッチリキッチリが得意だが、気ままなあとからの修正には弱い。ライノも例外ではなさそうだ。
ただしライノ 3DではNURBSモデリングが使える。なので「有機的かつ滑らかな曲線の変化」にメチャクチャ強い。それに対して松の表皮のようなランダムな凹凸表現には弱い。そこはスカルプトのほうが強い。
ポリゴンモデリング、スカルプトモデリングとの違い
ローポリで押し出しや分割を繰り返すポリゴンモデリング、ハイポリでブラッシングして形を出すスカルプトモデリング、この両者は頂点数の違いだけだと思っていい。デジタル粘土だと超絶ハイポリゆえにブラシで制御するが、ローポリであってもブラシで制御できる。そうなるとBlenderでいうところの「ギズモ+プロポーショナル変形的な操作」と変わりがない。
ポリゴンモデリングの壁
ポリゴンモデリングで形を出すのは割と自由だ。モリモリ持って、ゴリゴリ削る。それだけ。ブラシで削るも良し、ブーリアン減算で削るも良し。
だがそれはあくまでも美術鑑賞レベルでの形の出し方であって、例えばCNC加工による金型加工などで最終形状を作り出そうとしている場合、ポリゴン・データでは色々と面倒になる。工場などで形を作り出すためのデファクトスタンダードはCADデータ(STEPファイル)だからだ。ポリゴンメッシュはCADデータではない。ここに1つの壁がある。



個人の手作業で3Dプリンタで出力する場合と、工業製品として金型で大量生産する場合とでは、元データの要求が異なるらしい。主に工場側の事情らしい。
なので、
- ディスプレイ上のデジタル空間が全てのモデリングと、
- 個人で3Dプリントする場合のモデリングと、
- 工場での大量生産前提のモデリングデータ作りと、
では色々と前提が異なるのだ😱どれも「形を作る」ことは間違いないのだが、その手法が変わってしまう。そしてポリゴンメッシュをCADデータ化することは「できなくはないが手間、あるいは相当に手こずる形状もある」らしい。要するに③の場合、否応なくCADモデリングしかなくなってしまうのだ。
経験値としてCADを学ぶのもいいかも
個人が使えるぎりぎりのCADソフトとして、ライノを学ぶのもいいかもしれない、と思った。まだ本格的に検討してはいないが、mayaでのアニメーション学習を一時停止したわけで、では次はどうするか?を探していたところでのこのライノとの出会いは、まぁいいタイミングだったのかもしれない。
関連情報については英語でならば手に入る。ないよりはマシ。なので学習環境はあるといえばある。なのでライノを学ぼうと思えば学べる状況だ。
あと今日は時間切れだが、ライノのプラグイン開発はC# やPythonでもできるらしい。丁度いいじゃないか!😊 無料のSDKに関する情報も公式サイトに載っていた。


全部は見ていないが、なるほど、ライノはプラグラマブルな3DCGソフトと言ってもいいかもしれない。



(ただしメチャクチャはまる業界は主に建築系かな?とか思ったが……。)
とりあえず今日はライノに関する情報収集の話でおしまいです。
ライノセラスを学び始めた初心者によく効くノウハウをnoteのマガジンにまとめています。興味のある人はぜひご覧下さい😊


今回の創作活動は約1時間30分(累積 約4,176時間)
(1,025回目のブログ更新)
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