Rhino 3Dに関する現状調査(2025年3月版)

ライノセラスというCADベースの3DCGモデリングツールがある。その調査の2回目のメモ。

(約 2,200文字の記事です。)

目次

Rhino 3Dの主な用途

ライノ 3Dの強みはNURBSモデリングだ。

  • 繰り返しの形状パターンの動的な変更や配置に強い
  • 流れるような滑らかな流線型の形状(特にゆる~いカーブで長いカーブ形状)
  • ブーリアン後の面取り(万能ではないけれど)
  • CAD用データで出力できる(当たり前)

う~ん、これくらいじゃね?一般人には相当に「向かない」特徴しかない気がする。

強みは緩い曲線

NURBSのサーフェスだと原理的に面荒れが起こらない。Shiftキーでスムーズ化ができない(する必要もないが)。なので緩くて均一なカーブ、曲面を作り出せるのがNURBSの強みだ。また規則的なパターンや画一的な表現も得意だ。結果的に工業製品だったり、ロボットだったり、宝飾デザインに偏っていく。

少なくとも変曲点まみれの人体モデリングにはまぁ向かない。(金色のC3POは作れるだろうが、どう見ても工業デザインでしょ?あれは。)

調べてみるとどうやら、コンセプトアート、つまりは設計図から立体化したら実際にどう見えるの?を可視化するためのモデリングツールという位置付けらしい。本番の設計は「物性を考慮」したメチャンコ高価なCADで細部まで設計して施工に入っていくようだ。ライノはそのコンセプトデザインアートの立体化に使われる、という印象。

  • 建築コンセプトアート(完成イメージの確認用)
  • 工業製品のコンセプトアート(同上)
  • 宝飾デザイン(同上)
大和 司

私としては「デザイナー用のCAD」だと思っている。

もちろんCADデータなのでそこで作られたデータを流用して本番の設計・施工に入っていけることがライノのメリットにもなる。(これがポリゴンモデリングではゼロからCADデータ化が必要になるだろう。)

これに対してBlenderやZbrushなどのポリゴンモデリングは、勝手気ままにモリモリとモデリングできる。非工業製品の立体化に強い。なので当然ながら多くの3DCG初心者が最初に手を出すのがポリゴンモデリングだろう。

最初からCADやライノってのは、それなりの事情や時代背景がないと、今からいきなりCADの人は少ないだろうな、と思う。例えば建築学専攻や機械工学専攻などでない限り、一般人はほぼポリゴンモデリングでスタートするだろう。そこら辺もライノユーザーの少なさの原因。

用途は分かった。私の場合や個人の場合はほとんどがコンセプトアート目的でライノを使うことになるだろう。

ArtStationでのライノの作品を調べてみた

  • 宝石デザインが多い
  • 建築デザインもそこそこ多い
  • 平面が多くて「ショボいアマチュアモデル」も多い
  • 度肝を抜く有機曲線モデルもたまにある
  • ショボいと凄いの両極端で中間層が少ない

ArtStationを見ても、やはり宝石の装飾品のデザインが多め。次に建築デザイン。まぁ予想通りだった。そして想像以上に工業製品コンセプトアートが少なかった。

大和 司

まぁアート作品と考えると工業製品のモデルのレンダリング・ビューは地味とも言える。だからあまり人気がないのかも?

全体としては面取りなしのカクカクしたアマチュアモデルと、本当にスポーツカーや電動ドリルの製品にしか見えないような、ガチの工業製品コンセプトアートの二択だと感じた。前者はいわゆる「チュートリアルを終えてできあがりました!」的なモデルだ。後者はガチのモデリング。クオリティが違いすぎる。

そしてCADを使ってコンセプトアートを作るなら後者のレベルに達しないといけないと感じた。というのも、CADで習作レベルの出来は、実はポリゴンモデリング初心者の習作レベルと大差ないのだ。どっちでもいいなら大半はポリゴンモデリングを採用するだろう。あえて面倒なCADを使うメリットがないからだ。

Rhino 3Dならば「ハイクオリティが大前提」

もしライノを学んでモデリングするなら、ちょっとやそっとのモデルなら「それ、ポリゴンモデリングでよくね?」になってしまうのだ。CADの個性を生かした造型をハイクオリティで仕上げる必要がある。

大和 司

そうでないと私の中でのモチベーションは「それ、ポリゴンモデリングでよくね?」になってしまうのだ。

ポリゴンモデリングでもできるけど、CADのほうが効率的、またはハイクオリティに仕上げられる、という「CADの強み」これを感じられるほどのモデルを作る必要がある。そうでないとCADを学ぶ上でのメリットを感じられないし、モチベーションも上がらない。CADの強みを生かしたモデルをCADで作るからこそ、そこに最大の効率化があると思うし、ゆえにCADでモデリングする意味があると思っている。

要するに「これをポリゴンモデリングで作るのはキツいな」と思えるほどのモデルを作る必要がある。なのでちょっとやそっとのモデルではダメだと感じた。

大和 司

う~む、なかなかにハイリスク・ハイリターンなソフトウェアだと分かってきたぞ……。主に学習コストの点で

ちょっとだけ宣伝

ライノセラスを学び始めた初心者によく効くノウハウをnoteのマガジンにまとめています。興味のある人はぜひご覧下さい😊

今回の創作活動は約1時間(累積 約4,181時間)
(1,026回目のブログ更新)

ご支援のお願い

筆者はAmazonアソシエイト・プログラムに参加しています。(Amazon様の商品を宣伝することで紹介料をAmazon様から頂けるという大変ありがたい仕組みのこと。)
以下の商品名や画像アイコンをクリックしてからAmazon様で何かお買物をして頂ければそのご購入総額の1~2%が私に寄付されます。クリック後に別の商品のご購入でもOKです!誰が何を買ったかは私に通知されませんのでご安心下さい😊

また当サイトは楽天アフィリエイト、バリューコマース Yahoo!ショッピング アフィリエイト、および第三者配信の広告サービス(Googleアドセンス)を利用しています。

著:中島淳雄, 著:角田大輔, 著:竹内聡, 著:斎藤浩章, 著:中川歩, 著:畑中快規, 著:熊野優美, 著:田上雅樹, 著:押山玲央, 著:金野圭祐, 著:深澤妙子, 監修:山梨知彦(日建設計)
¥3,960 (2025/03/07 12:10時点 | Amazon調べ)

【他の関連記事を絞り込む場合】
下の カテゴリ名 タグ名 をクリックして下さい

目次