3DCGで何をどう作るか考え中

ZbrushとBlenderの使い方、ヒント、コツなど。たまにZbrushプラグイン開発も。

スカルプトはZbrushかBlender 2.9か?200万ポリゴンが一つの基準(2020年10月時点での感想)

(約 4,600文字の記事です。)

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最近のBlenderの発展は目覚ましく、スカルプトについてはZbrushを脅かす(笑)Zbrushも頑張ってはいるが、Blenderの勢いは強い。で、実際問題、スカルプトではZbrushとBlenderどっちがいいのか?これは長年議論されてきたが、今日現在の私の感想を書こうと思う。

更新履歴

2020/10/10 執筆
2020/10/12 ユーザー環境によってはモード切替時の遅延は発生しない場合もある、という記事を追記

200万ポリゴン未満ならBlenderでも快適。それ以上ならZbrush

約200万ポリゴンを更にディバイドすると4倍の800万ポリゴンになる。それが快適かどうか。

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なので、200万ポリゴン未満か以上か、これが結論です(笑)200万ポリゴンという基準はBlender2.8系で試した結果の私の感想に過ぎない。どこかに確固たるソース(根拠)が転がっているわけではない。ただ、なぜか200万ポリゴンを境にしてそれ未満ならばBlenderでも快適なのだが、それを超えると、具体的にはそこからディバイド1回して800万ポリゴンになると、Blenderはレスポンスが悪くなる「場面が多い」のだ。

実はBlender2.9系では800万ポリゴンでも「スカルプトモードでのみ」快適に動く

救いはある。2.8系と2.9系ではパワフルさが違う。スカルプトモードになってしまえば、実はBlender2.9系でも800万ポリゴンでも割と軽快に動く。ただ、残念なのはそこから編集モードなどへの切り替えに十数秒~数十秒も待たされることだ。もちろんPCスペックが良ければもっと時短できるかも知れないが、そんなハイスペックPCは私の手元にはない。

2020/10/12 追記
ユーザーのPCスペックやOSによってはそのような遅延は発生しないとのこと。なので私のようなショボいWindows PCではそうなることがあるものの、ハイスペックPCやLinuxなどの別OSでは軽快に動作する可能性がある。この辺はユーザーの環境次第なのでこれ以上は分からないが、とにかく人によっては「問題なく軽快に切り替え動作が可能」という環境があることが確認されている。
追記終わり

私のショボいWindows PCの場合では、Blenderで800万ポリゴンではブラシのカクツキが気になる。段差となってスカルプト結果に表れる。これは困る。

対してZbrushでは800万ポリゴンではカメラ操作にやや鈍さが出始めるものの、スカルプト自体のレスポンスは忠実だ。



これが現状のBlenderとZbrushとの差だ。200万ポリゴン以上を使うかどうかで両者に決定的な差がある。

Blenderを推したい気持ちはあるものの

もちろん昨今のBlenderの勢いを考えるとBlenderを推したい。だが、今回のテストの結果を踏まえると、200万ポリゴン以上の滑らかな表現を欲する人、例えばフィギュア原型師や指輪などのアクセサリー作家などにとっては、Zbrushがまだまだ現役という結果になった。そういうハイポリ必須の状況においてBlender2.90のスカルプト能力では、まだまだ力不足だと感じる。

もちろん現在の最新の2.91 アルファ版も試してはみたが結果に大きな違いはなかった。ハイポリ前提の作業環境ではZbrush一択の現状に違いはない。

逆に200万ポリ以下の作業環境ならばBlender2.9系がオススメ

例えばゲームキャラやMMD、VRChatキャラなど、現状でも「より少ないポリゴンでの仕上げ」が必須の環境では、Blenderでのスカルプトに慣れる価値はある。そこからリグ入れやテクスチャ作成、特にSubstanceペインターなどのとの連携は既に既存のアドオンで快適になっているからだ。そのようなミドルポリ環境下で敢えてZbrushとの往復を選ぶ必要もないだろう。

もっとも、現状ではZbrushとBlenderとはGoBアドオン経由で往復可能だから、TポーズやAポーズでのベースメッシュは、実はどちらで作っても問題ない。そこから先の作業との連携に差が出る程度だ。

筆者のGoBアシストツールを使えば更に快適だろう。

ZbrushとBlenderを連携させるZbrush用プラグイン「GoBアシストツール」(Windows専用) - YAMATO Tools - BOOTH

最終出力をBlenderでやる場合にも当然Blender内完結が有利

キャラにポーズを付けてレンダリングして1枚絵として仕上げたい場合には、多少はBlender内完結の方がZbrushとの連携を要するよりも有利だ。特にイラストに3DCGを活用しようと考えている場合にはBlender内完結が向いている。無料の上に線画化するための有料アドオンも豊富だし、レンダリングによる画像化にも強い。

つまり最終アウトプットが2次元平面の場合、Zbrushを使うかBlenderオンリーで行くかのアウトプットの差は僅かだと思うのだ。

で、実はこの「僅かの差」ってのが難しい。ZbrushユーザーならばZbrushを使えばいいが、これから3DCGを始める新規ユーザーにとって、Zbrushの価格ほどの価値がZbrush+Blenderと、最初からBlenderオンリーとの差の価値につながるか?といわれると、とても難しい。差が僅かならば、ソフト代の差にアウトプットが見合うか?と言われると、ちょっと難しい。ここが難点かも知れない。既存ユーザーと、これからの新規ユーザーとの温度差。

これをちょっと心配している。



さて、ここから先は私のぼやきです。

個人的には私の作品が1オブジェクトあたり200万ポリゴンを超えることはない

なので私にとっては、実はフルでBlenderで製作する環境に移行した方が色々とメリットがあります(笑)なので、実は製作環境をフルでBlenderに移行しようか検討中だったりします。

フルでBlenderに移行すると、リグ入れ後のポージングとスカルプトによる微調整との可逆的な往復ができるのでメリットがある。そこから色塗りや質感設定など、Blender内で進められることが多いからだ。敢えてZbrushとBlenderとの往復を選ぶメリットが、私個人にはないのだ。

とはいえ、いきなりZbrushを切るつもりはなく、Blender移行後に改めてZbrushにもメリットがあるかもしれないし、慣れたZbrushをすぐにやめるのも惜しいので、徐々に移行、あるいは両者を使い分ける、ということも考えている。なので、迷っている最中だったりする。

ブラシの反応の良さはまだZbrushが上。量も豊富

スカルプトの先輩たるZbrushにはまだ一日の長がある。ブラシに関してはまだZbrushが上で、実際のスカルプト体験上もZbrushが上だと感じる。だが200万ポリゴン未満になるとその差はかなり小さい。加えて、さほどブラシ形状にこだわらないような造形ならば、残念ながらBlenderに歩がある。この辺は、超絶プロフェッショナルユーザーかそうでないかで結構違いが大きいと思う。

200万ポリゴン未満の場合、両者でほとんど同じことが同じ感覚で出来るが、細かい点を見ていくと、特にフィギュア原型師などの細かい作業においての違いを見てみると、ZbrushとBlenderでは実は結構違いがある。なので、プロフェッショナルユースを考えると、あと1年はまだZbrushが優位だと感じる。

が、1年よりも先はよく分からない。Blenderの進化はとても早いから。今の弱点を埋めるような進化は有り得る。

ローポリモデリングはBlenderがかなり上

これはこれまでの説明とは逆に、ローポリモデリングについては当然ながらBlenderが有利だし、便利な有料・無料アドオンもある。敢えてZModelerでコツコツやるメリットはないだろう。Blenderでざっと作ってGoBアドオンでサッと往復してしまえばいい。ローポリモデルで製作途中におけるリグ入りポージングモデルというのは考えにくいので、そういう点でもBlenderとZbrushとの往復で支障は出ないだろう。完成後にBlender上でリグ入れ&ポージングで事足りるだろうから。

結論 200万ポリゴン未満か以上か?

これが一つの目安になるかも知れない。200万ポリゴン未満ならば、無料でスタートできるBlenderスカルプトが有利だ。逆に200万ポリゴン以上が必須ならばZbrush一択だろう。もちろんリトポなどして最終的に200万ポリゴン未満になったならば後はスキにすればいい。だが作業過程で200万ポリゴンを超えるならば、スカルプトについてはZbrush以外の選択肢はないように思う。

逆にローポリなどはもちろん200万ポリゴン未満だろうからBlenderを活用する価値がある。その後の後工程との相性も良い。

結局、今回再調査してみても、実は結果は1年前と変わらず、200万ポリゴンが一つの基準となった。布シミュレーションや布ブラシの差は、誤差の範囲にとどまった(笑)それ以外の本質的な部分で決着が付く以上、そこは余り問題にならなかった。

というわけで、なんだ、去年、一昨年と対して変わらない結論になってしまった。

うん、なんか拍子抜け。





今回の創作活動は約4時間30分(累積 約1,941時間)
(631回目のブログ更新)

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