Zbrushのメッシュをリグ入りモデルでポージングさせる方法

(約 4,000文字の記事です。)

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Zbrushにはリグ(ボーン、アーマチュア)という概念がない。そのため、BlenderやMayaなどという統合環境ソフトでよくある「リグ入りモデル」のリグをマウスで移動させてポーズを変える、ということがZbrushではできない。マスク+マスクブラー+ギズモでコツコツ変形+マスク解除、の無限リピート。辛い。辛かった(笑)

今回ご紹介する方法は、ZbrushとBlenderとをGoBアシストツールを使ってZbrushとBlenderとを連携させることで、ほぼ実質的にZbrushでリグ入りモデルをポーズ変更させられる方法だ。これ、ほとんどZbrushにリグとウェイトを導入できたようなものだ!

目次

できるようになること

スカルプトを進めていってもZbrush上での作業を無駄にすることなくポーズだけを後から変更できるのだ!

時系列的に直列なUndoによるやり直しとは決定的に異なる。

しかもリグ変形なので操作が早い上に角度調整の試行錯誤&観察を簡単に繰り返せる。ようやく実現できた。

  1. Blenderで粗めのメッシュにリグ入れ
  2. 自動ウェイト設定(必要ならば更にウェイト手動調整)
  3. リグを動かしてポージング検討&観察
  4. ポージングを完成させる
  5. Zbrushにメッシュを送る
  6. Zbrush上でスカルプト(ただしトポロジは変更しないこと)
  7. ポージングを微調整したくなる
  8. GoBでBlenderに戻してポージングをリグ変形で微調整(※1)
  9. 再びZbrushにメッシュを戻してスカルプト再開(※2)
  10. メッシュ密度を上げたくなったら一度Blenderに戻してハイポリ化(ウェイトの保持)(※3)
  11. 再びZbrushにメッシュを戻してスカルプト再開
  12. 上記の繰り返しで「スカルプト、リグ変形、ハイポリ化」を好きなタイミングで実施可能
  13. スカルプトの完成!

上記手順の※1~※3の往復がZbrushでのスカルプト中にできるようになったことが大きい。
ハイポリなのにリグ変形によるポージングがいつでもできる上に基本的にはスカルプトはZbrushで行える。夢のようなワークフロー。
実質的にこれ、Zbrushにリグとウェイトを導入したようなもの
ZbrushとBlenderとの往復が1~4クリックで済むのだから。もはや手間でも何でもない。マスクとギズモのZbrush変形には戻れない。

厳密には前述の通りZbrushにはリグもウェイトも存在しないので、Zbrushでスカルプトしたメッシュを数クリックでBlenderに渡し、Blender上でメッシュに設定したウェイトとボーンとのリンク付けを復活させてそのままリグでポーズ変更し、再びメッシュをZbrushに戻してスカルプト続行、ということになります。

画像ギャラリー

スクショをご覧下さい。

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具体的な実施方法

詳細な手順はこちらに書きました。有料マガジンのご購入をご検討ください。
なお同記事の初稿をBOOTHのこちらの「GoBアシストツール」にも追加でアップロードしましたので、既にBOOTHで購入済みの人はBOOTHから無料でDLしてお読み頂けます。

BlenderのTips集の目次はPC画面右側の カテゴリ > BlenderのTips集 からご覧下さい。

興味のある人はまずは純正のGoBアドオンを試したあとに当プラグインのご利用も併せてご検討ください。

結論 Zbrushにリグとウェイトを導入できたようなもの!

これが今回の結論。GoBアシストツールを使って数クリックでZbrushメッシュをBlender上でリグ変形させて、再びZbrushに戻せるのだから、疑似的とはいえ、もうZbrushにリグとウェイトが導入できたようなものなのだ。作業効率が半端なく向上する。

以下の画像も繰り返しになるが、このメッシュもリグ入れ後にマウスでちょっといじっただけなのだ。

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Zbrushのみのスクショ、Blenderのみのスクショを眺めて、最初と最後の形を見て、どちらか一方のソフトだけで作ることを考えてみてほしい。

とてもではないがマウスでちょんちょんと作ることは難しい。だが両者の得意な作業を組み合わせるとそれが実現可能だ。効率が桁違いだ。

もちろん理想的には全部Blenderで作業を完結させられれば一番いい。だがスカルプトに関してはまだZbrushが有利な場面も多いし、Blenderのスカルプトに関してまたゼロから学ぶのか!という人が多いのも事実。

スカルプトはソフト的にも優位であり使い方もようやく身に付けたZbrushで行い、それ以外のメッシュ操作はBlenderで、という住み分けが、今回のGoBでようやく実現可能になった。だからそこに価値があるのだ!

プロならばこれによる時短の効率の価値が分かるはず

プロほど時短と効率にこだわるべきだろう。少なくとも今、Zbrush+BlenderでGoBアシストツールを使って1体のポーズ付きフィギュアを仕上げようとする場合、Zbrushのみで作る場合と比べてどちらがどれだけ効率的か、明らかだろう。

長かった「私の初期の願い」

Blenderで四苦八苦しながら学んだリグ入れ&ウェイト調整
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Zbrushで再ポージングができなくて苦しんでいるとき(笑)
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そしてTwinmotionでレンダリング
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元ネタの記事はこちら。

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ここまでで、やはりどうしてもZbrushでスカルプト中にポーズの微調整が発生するが、マスクとブラーとギズモでの調整はメチャクチャ非効率で疲弊しただけだった。

そしてそもそも、この問題はZbrushを触り始めた時から感じていた。
Zbrushでリグ変形ができればもっと快適なのに!

そして数年の年月を経て、ようやくそれを手に入れた。長かった。不可能だと思っていたことが実現した。Zbrushの学習も大変だったし、Blenderの学習もボリュームがあった。Zscriptの学習なんてそれこそ膨大な学習が必要だったし、Kromar氏ことダニエル氏との英語でのやりとりも、かつてFluentの作者のRudy氏とのやりとりがなければ億劫すぎてやろうとも思わなかった。

全てが一つにつながって、ようやく実現できた!

全ては無駄じゃない。そして努力は必ず自分に還ってくる。
神様と多くの皆様に感謝いたします。

今夜は祝杯です。

おっと、またGoB Ver.3.3.7のマイナーバグを見つけてしまった。また英語で書き込むのか……(笑)

乾杯!

今回の創作活動は約4時間30分(累積 約1,700時間)
(584回目のブログ更新)

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