3DCGで何をどう作るか考え中

ZbrushとBlenderの使い方、ヒント、コツなど。たまにZbrushプラグイン開発も。

Deco Fun Sを使ってみた!ワコムとXP-Penで比較(Sサイズの板タブを探す旅 1)

(約 4,000文字の記事です。)

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私は長年ワコムのIntuos 4 Largeを使ってきたのだが、デスクの占有面積を小さくするべく、Sサイズの小さな板タブが必要になった。そこで今回試してみたものがこちら「XP-Pen Deco Fun S」である。

結論としては「向き/不向きの作業がハッキリする板タブ」という感想。

対象読者はXP-Pen Deco Fun Sを検討している人、3DCGクリエーターで板タブを検討している人。

と、ここまでは単にDeco Fun Sのレビュー記事のつもりだったが、調べるうちにワコムとXP-Penとの差が明らかになったので、急遽そのレポート記事に変更(笑)



まず結論から言うと、Deco Fun Sのスタイラスペンのペン先が残念だったのでお蔵入り(笑)

Sサイズの板タブの性能一覧表

Deco Fun のスタイラスペンのペン先が残念だったからと言って、XP-Penがダメとはかぎらない。ではワコムのほうがいいのか?分からなくなったので、改めて調査し直して表にしてみたら驚きの事実が!

1位が黄色、2位が水色。

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表にして眺めてみると、何とXP-Penの最新のエントリーモデルの仕様が、ワコムのIntuos Proの仕様とほぼ同じだ。ワコムは約2.6万円、Deco Funが約4千円。

6.5倍の価格差があってもスペック性能は同等

こりゃ、ワコム離れも進むわけだ。

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(参考までにワコムのエントリーモデルのOneも載せています。)

比較用にエントリーモデルのMサイズのOne by Wacomも載せているが、Deo Funと同じくらいの価格帯のエントリーモデルでありながら、そのスペックの差が激しすぎる。これを知ったらOne by Wacomを買う気になれない……

また、Sサイズの板タブで傾き検知を使えるのはIntuos ProとDeco Funだけだが、価格差6.5倍のものとカタログスペックがほぼ同等って、ワコムさんはついに板タブでの市場を諦めたのか?

Intuos Pro smallの発表時期は2019年5月、Deco Funの発表時期は2021年5月と、ぴったり2年差。だが2年前の物で6.5倍の価格差で同性能とは……。

XP-Penが頑張ったのかワコムが殿様商売なのか、分からない……。

この比較は本当は「やっぱり高くても質のいいワコムにしとけ!」という記事にするつもりで調査したが、意外なことに「今後はワコムより格安で同性能のXP-Penにしとけ!」としか言い様がなくなった。そしてもっと言うならば、板タブに慣れないかもという不安があるならば最初から液晶タブレットにしとけ、と。

では液タブでワコムをオススメしますか?と言われると、正直微妙。なぜならば液タブにしても同じような傾向があるからだ。十数万円 vs 5~7万円と2~3倍の価格差があっても性能が同等だったりするわけだから。

とはいえ、液タブには液タブで視差とか滑り具合とか、板タブよりもこれまた検討事項が多いらしい。話が逸れるので割愛。

というわけでここからはXP-Penの板タブ「Deco Fun S」の良いところのご紹介……、といいたいところだが、結論から言うとかなり使いにくい製品ということに。

そしてあくまでもSサイズの板タブのお話であることに注意。

公式サイト

Deco Fun ペンタブレット XS/S/L 3つのサイズ カラフル4色 学習・仕事・ゲーム・イラスト|XP-PEN公式サイト

Deco Fun シリーズはお絵描き用途には不向きかも

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まず最初に言っておくが、ワコムのIntuosシリーズとDeco Funでは価格が何倍も違う。なので質の差は絶対にある。それは勘違いしないで欲しい。価格差による製品の質の違いは間違いない。なので今回の比較でワコムがXP-Penより優れているというつもりはない。質の差があったら質がいいほうが勝つに決まっているので。

IntuosがDeco Funよりどこかしらの質がいいのは価格差から言って既に明らかだから。あくまでも個別の製品同士の比較であってメーカー同士の比較ではない。

ではそういう差を理解した上で、純粋に、Deco Funはお絵描き用途に適した板タブなのか検討してみる。

見出しの通り、正直言って、Deco Fun でのお絵描きは非常に微妙である。私がDeco Funでお絵描きしたいかというとNOである。本体の性能ではなくてペン先に不満がある。

スタイラスペンP01のペン先の精度の甘さ(ぐらつき)

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①についてだが、これは体感で結構ぐらつきがある。クリアランスが大きい。なので暫定的に芯の周囲にセロテープを巻いて隙間を埋めることで、何とか使える程度にすることはできた。だが問題は②である。これは改造のしようがない。

②が、体感で0.2mmくらい沈み込み始めてからようやく感圧入力が開始される。なので指先の感覚で、芯の先が板に触れてから体感で0.2mmくらいの沈み込みがあって始めて線が出始める。このちょっとした遅延が、歯がゆい。しっくりこない。

あくまでも体感で0.2mmくらいの感じがする、ってだけであって、正確な計測値ではない。念のため。そしてこの記事は個人の感想です。異論は認めるw

対してIntuos付属のスタイラスペンではそういう遅延がない。少しでも触れると感圧入力が開始されて線が出始める。かなりダイレクトな感覚である。

なのでお絵描き用途でDeco Funを考えると、本当の初心者のエントリーモデル(使い捨てレベル)か、お子様用のプレゼント品、あるいはビジネス用途でホワイトボードの代わりに使う用途ならば十分許容範囲だが、ガチで板タブでお絵描きしようと思うと、論外かな、と思っている。

Zbrushでのスカルプトには十分OKでコスパ最高か?そうでもないw

対して3DCG、ZbrushやBlenderのスカルプトでは、十分に使えるコスパの良い板タブだと感じる。

そもそもスカルプトでは、そんなに繊細な感圧入力が必要ない。感覚としてはせいぜい「弱、中、強」の3段階を感圧で使い分けられればそれで十分だと思っている。線画ほどシビアに感圧を使うことがない。盛りの厚さを0.1mmでシビアに調整する人はほぼいないだろう。強いて言えばかなり柔らかく押しつけて「最弱、微弱、弱」と感圧で入力できればそれで十分で、ペン先が板に触れたか触れないか、というシビアな感圧入力は必要ない

なので3DCGのスカルプトでは、極端に言うと、ペンの形をしたマウスでも何とかなる。Z強度を都度スライダで変えてスカルプトすることも、できなくはない(効率は悪いが、できないわけではない)。

そういうわけで、スカルプトでは感圧のシビアさはほとんど必要ない。感圧デバイスであれば何でもいい。むしろ画面上の縦横の移動が重要になるので、上図の①のぐらつきの方が気になる。なのでセロテープで隙間を埋める微調整は必須だと思っている。その方が遊びが少ないのでダイレクトに描く感覚が強化されて、気持ちよくスカルプトできる。一方で②の遊びはほとんど気にならない。

だが本質的にスタイラスペンのペン先の出来の悪さは何ともならないw

ゆえにDeco Funシリーズはあまりオススメできない

Deco Funで使える別売りのスタイラスペンって?

サポートに問い合わせた結果、付属のP01という型番のスタイラスペンしか使えないそうです。

オワタ。

【結論】XP-Pen Deco Funはオススメできない

おもちゃだと思っておいた方がいい。感圧入力ができるおもちゃデバイスだと思っておけば「がっかりしない」むしろ、そこそこできるね、という印象になる。

だが、板タブ、ペンタブレットだと思うと、作りがちゃっちすぎてダメだ。ペン先は工作精度の悪さから、普通の感覚を期待しているとかなりがっかりする。

というわけで購入したDeco Fun Sは処分することにしました(泣)

だが私としてはSサイズクラス(入力面積が横置きハガキ程度)の板タブが必要なので、次に検討しているのはこちら。

XP-Penは替え芯が1本30円と適正価格なので(笑)何も気にせずガシガシ使えるのが魅力。

今回の反省を生かして色々と再検討中。詳細は第2弾として近日中に公開予定です。

続きはこちら。

板タブの入力範囲と縦横比の罠(Sサイズの板タブを探す旅 2) - 3DCGで何をどう作るか考え中





今回の創作活動は約4時間30分(累積 約2,459時間)
(735回目のブログ更新)

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