3DCGで何をどう作るか考え中

ZbrushとBlenderの使い方、ヒント、コツなど。たまにZbrushプラグイン開発も。

DCC化するZbrush2021とスカルプトを強化中のBlender2.9系

(約 4,000文字の記事です。)
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Zbrush2021の機能を紹介する動画が公開された。リトポ機能や物理演算機能の追加など、新機能が沢山追加されたという印象だ。またZRemesherなどの動作の高速化も図られているらしい。


Official Pixologic ZBrush 2021 Full Broadcast

明日には2021がリリースされる。私はしばらくは様子見の予定なので、随時出てくる他者のレビューを観察してみたい。

DCCツール化するZbrush

動画をざっと見ると、BlenderやMayaのようなDCCツールにZbrushが近づいたという印象。今までスカルプト特化だったソフトから、リトポや物理・布シミュレーションなどの機能が追加された。ここから先は実際に触ってみないと分からない。

ユーザーフレンドリーかどうか

なので問題は使い勝手の良さ、ということになる。要するに、使いやすいのか、実際、便利に使えるのか?という点が気になる。手間暇掛けてようやくできるのか、サクッと簡単にできるのか。これは「できない」事に比べれば進化だが、手間暇掛けて作るならば価値が低いことになるし、サクッと作れるならば価値が高い。

DCCツールの機能は多機能なので、使いやすさが重要になる。MayaやBlenderと比較されることが多いだろう。Blenderではかなり前にリトポツールも実装しているし、物理シミュレーションは当然布もパーティクルも風もある。機能だけで見ると完全にZbrushがBlenderの後追い、というように見える。なので使い勝手の良さがBlenderよりも優れているならばまだ歩はあるのだが。

使いやすさの問題

心配事としては、Zbrushはとにかく実装が独特で使いにくいことが今まで多かった点。Blenderとの両刀使いになって同じような機能を比較すると、Blenderの方が使いやすいことが多かったりする。だからこそZbrushとBlenderとの往復の価値があるわけだが。

ZbrushとBlenderを連携させるZbrush用プラグイン「GoBアシストツール」(Windows専用) - YAMATO Tools - BOOTH

新たな価値を提供できるかどうか

つまり、現状でBlenderとの往復で実現できることが、Zbrushのみでも実現できるよ、になったところで、ユーザーとしてはあまりメリットを感じない点。手動リトポツールについてはBlender純正機能のポリビルド機能があるし、有料アドオンではリトポフローという有名アドオンがあるわけで。布シミュレーションについてはBlender2.9系のデモリールを見る限りではかなりリアルに演算できている上に、2.9系ではシワを作るスカルプトブラシの強化も予定されている。Blenderによる布シミュレーションとZbrushのシワブラシとを組み合わせるならば、Zbrushでの布シミュレーションは出番がなくなる。Blenderでは風のシミュレーションも加えられる。Zbrushではどうだろうか?今回のデモには風はなかった気がする。重力くらいしか見当たらなかったような。

またZbrushのナノメッシュ?マイクロメッシュ?のデモだが、一部にはポテンシャルが感じられる。衣類の繊維質の変更などはぱっと見が派手で分かりやすいデモンストレーションだった。が、可逆性はなさそうだから、後からの修正に弱いかも知れない。またばらまき系の表現ならばBlenderのパーティクルなどで実現できているし、もともとリンクオブジェクトの概念があるから、これもZbrushのみで実現できたからといって特に何も感じない。また以前はナノメッシュの運用に使いにくいところがあって実質役に立たなかったが、今回はどうなっているのかは期待したいところ。が、Blenderに送ってリンクオブジェクトとして配置したほうが後からの変更にも強いので、癖のあるZbrushのナノメッシュの使い方に習熟するコストを掛ける意味があるかどうかは検討事項。

全体的にポテンシャルが感じられるが、使い勝手や応用性の幅の広さはまだ未知数なので、もろ手を挙げて歓喜、とはならなかった(笑)将来性半分、デモンストレーション倒れの懐疑的な見方半分、という所。ただ、Zbrushのみでもできることが増えたのでZbrush専門ユーザーにとってはやれることが増えたのでいいことだと思う。

バグの可能性

これだけ今までにない機能を取り入れてきたものだから、予感としてはバグ修正版の2021.1までは様子見したい(笑)色々バグが出てくるだろうと思う。特に物理シミュレーションが入ってくるとなると、色々とユーザーからの問い合わせにサポートが一杯一杯にならないか不安。またZModelerにも新機能が追加されていることからも、旧来のZModelerにバグが発生するリスクもある。2020でもあったような、基本的な動作にバグがあると困る。Zbrushではあくまでもスカルプトに関する部分は重視してほしい。

私個人としてはZbrushはスカルプトに特化した機能をカリカリにチューンして効率化、使いやすさを高めて欲しいというのがホンネであり、DCC的な部分はDCCツールに任せていいと思っている。とはいえ、スカルプト部分が習熟して他のソフトとの差別化が難しくなってきているならば、高機能化で付加価値を高めるしかないというのもよく分かるのだが。

そうなるとやはり、最終的には「使いやすいかどうか」で決まることになる。複数のソフトで同じようなことができるならば一番使いやすいソフトが選ばれるわけだ。


Blender2.9系のスカルプト機能の強化

Zbrushの進化とは逆にBlenderはスカルプトブラシの強化に取り組んでいる。2.9系ではハイポリでのブラッシング時のもたつきの解消に着手している。これはZbrushにとっては脅威で、ともすれば超絶ハイポリでもBlenderのスカルプトモードならばサクサクスカルプトできるようになったならば、Zbrushの地位は危うくなる。ZModeler相当のことはローポリモデリングでBlenderでも実現可能なわけだし、リトポも物理シミュレーションも既に枯れた技術としてBlenderに実装済みだ。加えて有志の有料・無料の優れたアドオンが沢山ある。リギング、マテリアルやテクスチャリング、レンダリング環境、動画撮影環境もある。

またスカルプトブラシ選択アドオンなども出てきた。Blenderはスカルプトに注力している。Zbrushとは逆の進化だが、それだけBlenderにはスカルプト機能の強化が望まれているわけで、それに答えるように2.9系では進化を始めている。

スカルプトでは歩があるZbrushがスカルプトそのものの進化を止めて多機能化する一方で、Blenderはスカルプト機能を強化している。そしてZbrushではなかった斬新なブラシなどもデモリールで公開されていて、新しい視点によるスカルプトの価値の提供の予感がある。Blender Marketなどでカスタムブラシの販売が始まったりすると、いよいよ活気溢れることになるだろう。そしてもしそこに物理シミュレーションを駆使したユーザー作成の優秀なシワブラシが有料販売されたりすると、市場として活気が出ることは間違いない。そうなるとZbrushと常に比較されることになるが、そうなったときにZbrushにまだ歩があるかどうか、それは分からない。

最終的にはZbrush2021を触ってみないと分からない

ここまではタダの予見でしかない。実際には触ってみないと分からない。本当の比較はBlender2.9リリースの後にできると思っている。それだけ2.9系の布シミュレーション+シワブラシのポテンシャルが高いためだ。2.8系とZbrush2021とを比較するのはちょっときつい。1年分の差がある後発のZbrush2021の方がその上を行くのは明らかだし、そうでないと勝負にすらならない。

ただ、YouTube動画を見る限り、今すぐ使ってみたい、という機能はないので、とりあえずバグ修正版の2021.1が出るくらいまでは現状の環境でBlenderとの連携による可能性を模索する予定です。



久々の記事更新でした。

今回の創作活動は約2時間30分(累積 約1,857時間)
(605回目のブログ更新)



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