3DCGで何をどう作るか考え中

ZbrushとBlenderの使い方、ヒント、コツなど。たまにZbrushプラグイン開発も。

ZbrushとBlenderを使い分ける 第2回(両者でできないこと)

(約 4,100文字の記事です。)

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前回の続き。両者の連携で技術的にできないことがいくつかある。今回はその解説。

ZbrushとBlenderを使い分ける 第1回(両者のメリット・デメリット) - 3DCGで何をどう作るか考え中

対象読者はZbrushとBlender ユーザーです。

できることがたくさんあるが、別にこの記事は辞書にするつもりはない。だから網羅していない。

ここで紹介する以外のできること、できないことは当然ある。それはご了承下さい。

技術的に困難なこと

  1. サブディビジョン・レベルの個別の共有
  2. クリースの共有
  3. BlenderのレストポーズをAポーズに保つこと

サブディビジョン・レベルの個別の共有はできない(解決策あり)

そもそもサブディビジョンの形状は、各ソフトウェアのメモリ内に保持されたメッシュ形状なので、別々のソフト上で共有することが難しい。メッシュとして確定させた「静的メッシュ」としてならばソフト間でファイルを通じてやりとりできることはご存じの通りだ。だがサブディビジョンレベル1つずつの共有というのは聞いたことがない。おそらく無理だと思う。

ただし、Zbrush内でサブディビジョン・モデリングをしていてもBlenderでボーン・ポージングによるポーズ変形は「いつでも」可能だ。

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Zbrushのサブディビジョン形状そのものはZbrush内で保管・管理されているので、Blenderで最低レベルのメッシュをボーンでポージングさせたとしても、変形後に追従する。

また現在開発中のMyアドオンでは「トポロジ変更した新メッシュ」にウェイトとボーンを転送できる。なのでZbrushでのサブディビジョン・レベルの下位レベルを1段適用させてトポロジ変更できる。つまりいつでもサブディビジョン・レベルの適用が可能だ。それを適用しても引き続きボーン・ポージングでポーズの変更ができる。

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詳しいやり方は割愛するが、技術的にはもう「Zbrushのサブディビジョン・モデリング」とBlenderでのボーン・ポージングは両立できている。(だからこそ私はZbrushとBlenderとの使い分けを決めたのだが)

クリースの共有はできない(解決策あり)

これはおそらくGoBアドオンの仕様なのだが、現在の使用ではZbrushのクリース情報をBlenderにGoBアドオンでは渡せない。なのでGoBアドオン経由でワンクリックで、というのは無理だ。

クリースについても基本的には各ソフトの内部利用しかできない。そこで私が編み出した手法としては、BlenderからBetter FBX Importer/Exporterというアドオンを使ってFBX形式でやりとりすることだ。これはBetter FBX Importer/Exporterの開発者のワン氏に働きかけて「Zbrushから出力したFBXからクリース情報をBlenderに渡せるように改良してもらった」ことで実現できた。

ZbrushのクリースをBlenderで編集する「Better FBX」と「YT Quick Importer」 - 3DCGで何をどう作るか考え中

逆にBlenderからZbrushにFBXをインポートした際にワールド軸の位置がずれる問題も「YT Quick Importer」プラグインで解決した。

この手法以外にも、Zbrush内で手付けでクリース設定したものについては、トポロジ変更されていないことが前提とはなるが、GoBアドオンでの往復後にクリースを復元するプラグイン「GoB ReCreaser」で解決した。

BlenderのレストポーズをAポーズに保つこと

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これは今はできない。まずBlender内ではレスト位置でAポーズを基準としてボーン入れしているはずなので、ポーズ位置とレスト位置をいつでも往復可能だ。ポーズ状態は動的なメッシュだ。アーマチュア・モディファイアが効いているから。だがZbrushにGoBアドオンでメッシュを送った後にZbrushから受け取るメッシュは静的なメッシュになるので、Aポーズの静的なメッシュとは形状が異なる。なのでポーズ状態のメッシュ形状が従来のメッシュ形状と一致しなくなる。一致させるためにはBlender側でレストポーズの適用をするしかない。

レストポーズを適用すると、当然ながらそのポーズ状態がAポーズ状態にセットされるので、再び「以前のAポーズ」に戻すことが困難だ。(数学的には回転角度を正確に逆にすれば復元可能。だが手作業ではほぼ絶望的)

とはいえ、ポージング作業を進めた段階でAポーズに戻す必要があるかといわれれば、多分不要だろう。もちろんAポーズのまま往復する分には何の問題もないし。そしてレストポーズを適用させてまでポージングさせたい人は恐らくフィギュア造形師や静止したレンダリングで十分な人なはずなので、実質的にAポーズに戻したいという需要はないと思っている。

なので、技術的に困難だが、それで困るシーンが思いつかないので、実質問題ないだろう。

これについては、将来的に私が「全てのボーンを逆回転させるアドオン」を作れば解決する分けだが、予定は未定。そもそも需要が謎だし。

できないことはAポーズに戻せない程度

あくまでもモデリングについての話とした上で、できないことはAポーズに戻せなくなることだけだ。今は。もしかしたら将来的にレスト位置とポーズ位置とを入れ替えるアドオンを開発すれば、この問題も解消される。そしてこれを気にしない運用ならば、ほとんど制限がない。

なのでモデリングを進める上では、Zbrushの得意なこととBlenderの得意なことをGoBで往復させて使い分ければ、何の問題もない。

だから私はZbrushとBlenderを使い分ける事にしたわけ。両者の使い分けをオススメします。

【まとめ】GoBアドオンで快適に往復する

サブディビジョン・モデリングであっても両者を快適に安定して往復させたい人はGoBアシストツールV3をオススメします。私も当然使っています。

GoBアシストツールV3(メッシュをZbrushとBlenderで往復させるWindows専用プラグイン) - YAMATO Tools - BOOTH

いよいよモデリングとポージングについてはZbrushとBlenderでほぼ何でもできるようになった。あとはテクスチャリングやレンダリングの話になっていく。UV展開やサブスタンス3Dペインター、あるいはCLIP STUDIO PAINTなどでテクスチャお絵描き。そして光源の設定や撮影スタジオのセットアップなどの撮影環境の構築に入っていくことになる。

とりあえずこのシリーズはいったん終了。

モデリングについてはZbrush+Blenderでほぼ何でもできる。あとは如何に効率を高めるか、ということだけ。それにはZbrush+Blenderが効く。

というか私はもうそのワークフローに完全にシフトしている。

なのでZModelerは多分使わないのでこれ以上覚える気もないし、Zスフィアも使わない。Blenderのスカルプトモードもほとんど使わないと思う。GoBアドオンでワンクリックで往復するだけだから。

ただしBlenderについては今後の動向や「ZbrushではやりにくいことをBlenderのスカルプトモードで簡単にできる」機能があれば、それらを使い分けることだろう。

どちらか一方にこだわるのではなく、より便利な方を使う、使い分ける、スイッチする、それだけだ。

妙なこだわりは最初から無い。





今回の創作活動は約1時間30分(累積 約2,525時間)
(748回目のブログ更新)

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