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メタバースとは?あなたにとっての世界とは?

(約 8,900文字の記事です。)

【広義】メタバースとは、現実世界とは異なる世界、主にバーチャル空間で構成された世界(バーチャル世界)を人が認識した状態で、その人が何かしらの活動をする際にバーチャル世界でも現実世界と同等あるいはそれ以上に活動ができることを認識した上で、「現実世界とバーチャル世界の両方を一言で言い表す」ための言葉

  1. 例:私はメタバースによって会話力を向上させることができた。(現実世界でもどのVRSNSサービス上でも会話力そのものが向上した。)だが現実世界では寝不足が続いている。clusterはいいとしてもVRChatが深夜に及ぶのでプレイ時間を減らす必要がある。

【狭義】上記のバーチャル世界だけを指し示す言葉。特定のVRSNSサービスだけを指すわけではなく、現実世界ではないほうの世界(バーチャル世界)を言い表すための言葉

  1. 例1:私はメタバースで英会話の練習をしてスピーキング力を身に付けた。メタバースで異国の人と会話することでたくさんの考え方を学んだ。(何のVRSNSサービスを使っているかは伏せた状態となっている。)

  2. 例2:私は複数のVRSNSサービスを利用してメタバースを楽しんでいる。



以上が「私が定義したメタバース」の解説です。

ネット上で「メタバース」を調べると、上記の広義と狭義の使い方が入り交じっている気がします。そうなるとメタバースが指し示すものが1つなのか複数なのかで話がかみ合わなくなるため、ネットで調べる際には上記の2種類のうちどっちの意味で書かれた記事なのかを意識することで理解しやすくなると思います。またそのように解釈することで意味が分かる記事が割と多かったことからも、上記の解釈は割と便利だと思います。

なお上記の定義は私が解釈して解説しただけであって、どこかの学術機関が正式にメタバースの定義をしているわけではありません。あくまでも私個人の定義であるのでその点はご了承下さい。

対象読者は「メタバースとは?」「メタバースって何?」という人です。

ユニバースとメタバース ( universe and metaverse )

ユニバース(universe)、英語で 「宇宙」の意味だ。実はこの単語の解釈がとても重要。

  1. uniは、「一つの」を意味するラテン語 unusが語源
  2. verseは「~を~に変える」を意味するラテン語 vertereが語源

なので両方足すとuniverse=「一つになった」を意味する言葉になる。

(一つの何かを別の何かに変えたとしても一つだし、複数の何かを一つの何かに変えたとしても、やっぱり最終的に一つになる)。

それが転じて「1つの状態で全ての状態に対応する物やサービス」「1つの形態で全てのサービスに利用可能・適用可能なサービス」などの意味で「ユニバーサル(universal)」も使われている。ユニバーサルデザイン、ユニバーサルサービスなどだ。(意味は各自でお調べ下さい。)

なのでどうやらメタバースという言葉も同じように解釈できそうだ。メタバースについてはWikipediaで詳しく書かれている。

メタバース(metaverse)とは、英語の「超(meta)」と「宇宙(universe)」を組み合わせた造語となっているが、もう少し深掘りしよう。

  1. metaは、「超越した」、「高次の」を意味する古代ギリシャ語
  2. uniは、「一つの」を意味するラテン語
  3. verseは「変える」を意味するラテン語

これを考えると、メタバースとは、「過去よりも更に次元の高い、過去を超越して『一つになったもの』」というように解釈できる。

ただし厳密には「今とか過去とか、そういう時系列の要素」は言葉としては含まれていない。だがユニバースの意味が「宇宙」であることを考えると、時間や空間をイメージするのは間違ってはいないだろう。

  1. 時間を考慮すると、「過去を超越した、過去よりも優れた(高次になった)今」を意味することになる。高次を「優れた」と解釈した。時代が進むと何かが色々とよくなって便利になるのは必然。

  2. 空間を考慮すると、「過去の空間の物理特性そのものや過去の空間で体験できるものを、さらによくした今」を意味すると考えられる。

なのでmetaという言葉を考えると、「以前と比較して今は」というニュアンスがついて回るようだ。そしてユニバースの語源を考えれば「一つになったもの」という意味がきちんと出てくる。

では再びメタバースという言葉を解釈してみた結果、こうなった。

メタバースとは、「過去の空間ではできなかったことができるようになった、一つの何か」を指し示すと解釈した。

ポイントは「一つの何か」ということだ。

うん、なるほど分からん(笑)もう少し細かく考えてみよう。

体は一つ、世界は複数

体は一つだ。これは今も昔も変わらない。では世界は一つか?

現実世界は一つと言っていいだろう。地球は一つだし、地球を包む球状の大気圏の空間も一つだ。誰もタイムスリップも時間変化なしの空間移動(ワープ)もできない。

なので「体も一つ、現実世界も一つ」これは分かりやすい。そして今までの人類にとっては、「体も一つ、現実世界も一つ」だったので、何の問題もない。

だがVRSNSが登場し、バーチャル空間によるバーチャル世界が現実世界に近づくにつれて「世界は複数」になり始めた。現実世界とバーチャル世界。しかもバーチャル世界はさらに複数あってもいい。

けれど体の老化などの時間経過は相変らず現実世界に縛られるわけが。バーチャル空間で過ごしていても現実世界の時間は止まらない。皆同じペースで成長や老化する。複数の世界を切替えても、時間の経過は止まらない。
SFの世界みたいに肉体も含めて全く別の次元にワープするわけではない。ここは勘違いしてはいけない。

さて、ここで出てくるとても重要な問題がある。

あなたにとっての世界とは何?

これがとても重要だ。この解釈なしにメタバースは理解できない。

世界とは何か?何とも哲学的で難しそうだが、これがとても重要。というのも、「現実世界以外は非世界でしかない!」という人にとっては「体も世界も一つ」なので、メタバースの概念が不要なのだ。むしろ理解不能だろう。

メタバースという言葉が必要になる人とは「体は一つだが世界は複数」という人なのだ。だから「このバーチャル空間での体験は、自分にとって『新たな世界』と言えるだけの空間か否か」が重要になる。価値感の問題なのだ。

そして新たな世界としての分かれ目が、ヘッドマウントディスプレイ、没入感である。

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没入感というキーワード

ヘッドマウントディスプレイと、両手をバーチャル空間内である程度自由に動かせるデバイスの普及、これによってバーチャル空間内での没入感が高まった。つまり「自分がバーチャル空間にいるような感覚」になりやすいわけだ。

目の前にいる他人の体(アバター)、笑顔などの感情表現、会話で感じる人間性、手を振ったり指で指し示したり、ある程度自分の思い通りになる体の表現、音で感じられる空間、現実世界ではできないジャンプ、現実世界では滅多に会えない「漫画やアニメのような綺麗な、可愛い、魅力的なアバター」が目の前にいて、話ができて、感情表現ができる。

これらは当然ながら「そういう操作が可能となるように作られたアバター」だからであって、現実の肉体や顔面のように表情の個性を各自で出せることとはちょっと違う(同一アバターは同一の笑顔だ)。だが喜怒哀楽の表現を操っているのはユーザーであり、リアルタイムに時々刻々と変化していくものなのだ。それがリアルに感じられる。没入感につながる。

そしてゲームのキャラのように「目の前の姿と個性が一つに固定されている」場合ではなくて、あくまでもアバターは仮のボディーを表現したものであるので着替えるように見た目を変えられることを理解すれば、「そのキャラクター」と会話しているのでなくて、その中の人そのものと話をしていることが分かってくる。これも現実世界では不可能な「見た目や見た目から来る性別の判断、顔かたちの美しさや醜さ」そういうしがらみを一切捨てて、ピュアな、ナチュラルな、フラットな状態で、誰もが平等に同じ空間内でコミュニケーションできる。これは現実では不可能だ。

だがバーチャル世界であっても体で表現し、顔や声で喜怒哀楽を表現し、お互いに会話ができる。現実世界では不可能な、現実を超えた別の何かがありつつも現実味を感じられる、不思議な世界

そこに「世界」を感じられるかどうかがポイントになる。

バーチャル世界が「別の世界」と認識できたとき

没入感というキーワードはとても重要だ。没入感があるレベルに達したとき、脳は錯覚する。ハイレベルなVRChatユーザーの中には「におい」まで感じる(錯覚できる)ようになるらしい。なるほど分からん。だが仮にそう錯覚できたならば、それはもう「現実世界ではない別の世界での体験」と言える。

別の世界ができたわけだ。ただ毎回「別の世界」と言っても単語としてはコミュニケーションしにくい。そこで登場するのが「メタバース」という単語だと思っている。上記の彼はVRChatというバーチャル世界で「におい」まで体験できているわけだ。もちろん錯覚だが、夢でもにおいがあるように、現実と非現実の違いは、個人が決めることになる。体験した人にとっては現実だったわけで。

だが、肉体が存在する現実世界とは別のバーチャル世界であっても現実と同じかそれ以上のことができる「別の世界が存在する」ことを認識したとき、現実世界+別の世界=メタバース、ということになる。メタバースという世界の中で、宇宙は一つ、地球も一つだが、バーチャル世界は一つ以上ある。

だから広義の意味で「メタバースで何かをする」という表現は、ちょっと不思議な使い方になる。そのメタバースの「どの世界で何をするのか?」という疑問が生じる。

そんなときにはこのメタバースという単語は狭義の意味で使われている場合だ。例えばその話者にとってはメタバース=VRChatやclusterの意味で使っているかも知れない。だが両方のVRSNSを使うユーザーもいる。

ただし、今後VRSNSが普及して、複数のVRSNSを使う・使い分ける事が当たり前になったとき、「メタバースでバーベキューをしよう!」という表現では、「現実世界ではないバーチャル世界でバーベキューイベントをしよう!(どのVRSNSサービスを使うかはまだ未定)」という意味になり得る。

このように、メタバースを理解する上で「没入感」をきっかけとして「バーチャル空間での行動が現実世界と同等かそれ以上の価値がある」と認識したとき、それはきっと「別の世界」を感じることになる。もちろん今はまだ体の全てを自由自在に動かせるわけではないのでまだまだ現実世界とバーチャル世界では没入感を阻害する要素が多いが、一方で現実世界では絶対にできない「肉体のしがらみに縛られないフラットな人間関係」を感じることもできる。年齢、性別、出身地、容姿、母国語、宗教、文化、一切関係ない。

また悪いことをされたとしても、物質的な被害もない。あくまでもサーバ上のデータでしかないから。

VRSNSを体験しても「メタバースにならない理由」

VRSNSにデビューすればすなわち「メタバースを知った」ことになるのか?答えはNoだ。VRSNSサービスを使ってみたところで、本人が「新たな別の世界」を感じなければ、これまで通りの「一つの体、一つの世界(現実世界)」のままなので、メタバースにならない。ユニバースのままだ。

また重要なことなのだが、メタバースがユニバースより「優れている」とは限らない。メタバースもユニバース単なる概念でしかない。なので「メタバースを知っているから(理解できているから)、メタバースを理解できずにユニバースにしか属さない人を馬鹿にする」という浅はかなことはしてはいけない

フォルダ階層が1段増えたようなもの

だからバーチャル世界のいいところと悪いところがユーザーにとって理解できて、その上で、それでもバーチャル世界の良さが分かったとき、そこは現実世界とは別の世界として認識できる。これをメタバースという言葉でまとめることができる。「今日はどっちの世界で何をどうしようか?」と考えるとき、メタバースという大枠から辿って「現実世界か、VRChatかclusterか」を選ぶ思考の流れ、これをメタバースという単語によってスッキリ説明できる。

簡単に言うとWindowsのエクスプローラーの最上位フォルダが1段階増えたみたいな感じ。最上位が「メタバース」フォルダで、その下に「宇宙(地球、肉体、時間経過)」フォルダと「VRChat」フォルダが並列して属している。人によってはここに同列でclusterも入ってくる。

以前の人類にとっては、こんな感じだった。(精神世界などという曖昧なものを除く)

宇宙が最上位で、その下に惑星としての地球があり、その中で日本があり、肉体があって性別がある。そんな感じで色んな情報が各フォルダに格納されているだろう。これらのフォルダの切り替えは、できることとできないことがある。海外に移籍して国名を変えることはできても年齢は変えられない(偽ることはできても)。

だがメタバースによって、フォルダ階層がこうなる。一番上が変わる。

まず最上位だった階層が一つから複数に増えた。宇宙と同じ階層のフォルダが複数になった。なのでかつての最上位フォルダが単一=ユニ(uni)ではなくなったのだ。

VRChatとclusterフォルダが増えた。そのフォルダ内のデータはいつでも自由に変えられる。肉体年齢に相当するプレイ時間もアカウントを変えればリセットできる。アバターを変えれば見た目も性別も変更できるし、日本という地理的な縛りもない。世界各国の人が同じ時間を共有している。

そのバーチャルな共有空間で「世界を認識できるか・感じられるかどうか」これによって、つまり各自の考え方によってユニバースかメタバースかが変わる。つまりメタバースか否かは、まずはVRSNSを利用してみてそこに(別の新たな)世界を感じられるかどうかにかかっている

人によって感じられる・感じられないがあるから、メタバースの理解が難しくなる。フォルダ階層と一緒で、「ここが最上位フォルダだ!」と思い込んでしまえば、実はその上にあるはずのメタバースのフォルダは認識できないので、概念を理解できないわけだ。

ゲームとどう違うか?(存在の目的)

ゲームには「達成目的」がある。だからいくら没入感があったとしても、ゲーム内で定めた目的が達成されてしまうと、それはゲームの終焉だ。世界の終わりということになるかな?そして別のゲームをやることになるか、新たな目標を設定してそこに挑戦することになる。

では質問です。

あなたが現実世界に「存在し続ける理由は何ですか?」

これは難しい(笑)生まれてからまだ心臓が止まっていない、だから存在すると言える。存在目的があっても無くても、現実世界にいる。理由はない。

なので「理由がなくても存在する、存在できる、それが世界」この解釈がとても重要。

そんな世界、あなたはどの世界に行きたいですか?

え?どういうこと?世界は一つじゃないの?これがほとんどの人の感覚だろう。

存在していたい世界が複数ある

存在していたい世界を選べる、これがメタバース。

バーチャル世界を「世界として認識」するためには「存在理由があってもなくても、そこに行きたい、そこにいたい」と思えることが重要なのだ。これがVRSNSとゲームとの違いだ。

だからVRChatには目的がないとよく言われるが、各自がそれぞれ「それでもアクセスしたい、その空間にいたい」と思える理由をきちんと見つけている。だからこそ「別の世界」なのだ。別の世界にあるものを手に入れるために「別の世界に行く」。そしてそれは現実世界では手に入れられないものだから。

現実逃避とどう違う?

これも重要で、別に現実世界から「逃げるために別の世界にいく」わけじゃない。逃避じゃない。あくまでも現実世界では手に入らないもの、手に入らなかったものがバーチャル世界に「既にある、あるいは見つけた、見つけに行く」ために、そこに行くわけ。

現実逃避ならむしろ目的がハッキリしているゲームのほうがよほど現実逃避にぴったりだ。

そもそも現実逃避ならば、釣りやレジャー、スポーツ、映画鑑賞など、現実世界でもできる。

だがバーチャル世界には「現実世界ではどうやってもできないこと」ができたりする。しかも「別に存在理由はなくてもいい」のに、それでも行きたいと思えるものなのだから、それはもう本人にとって「別の世界」なのだ。

現実世界では手に入らないものをバーチャル世界に見出した。これをかつての言葉で表現することは難しかったのだが、メタバースという単語が表現を簡単にしてくれるだろう。

ただしその理解には、実際にバーチャル世界を体験して理解しなければならない。体験を伴わない理解は、なかなか難しい。メタバースという言葉の意味の理解のためには体験が必要というハードルの高さが、メタバースの理解を困難にしている。

【結論】メタバースは「もう一つの別の世界」を含んだ概念

  1. メタバースがその人にとって「最上位フォルダ」になるかならないかは人による。
  2. VRSNSサービスでの没入感がキーワード
  3. 世界の価値を感じられるか(価値を認められるか)
  4. 世界の価値を感じられなければ「単なるおしゃべり可能な空間」

実はこれ以外にも色々と書きたいことがあったのだが、軽く8,000文字オーバーなのでいったんこの記事はこれで終了。また別の機会に続編を書くかも知れない。以後は当ブログ内の「VRChat」のカテゴリをご確認下さい。





今回の創作活動は約3時間30分(累積 約2,787時間)
(812回目のブログ更新)

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