3DCGで何をどう作るか考え中

ZbrushとBlenderの使い方、ヒント、コツなど。たまにZbrushプラグイン開発も。

動画編集ソフト「PowerDirector 365」とVEGAS Proの比較(2021年5月版)

(約 7,500文字の記事です。)

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私は長年のVEGAS使いだが、今回からPowerDirectorを使うことにした。正確には両方を「使い分ける」ことにした。最初のうちはVEGASを使い続けるか、PowerDirectorに乗り換えるかの検討もしたが、最終的には適材適所で使い分けが一番いいという結論に。

対象読者はVEGASユーザー、動画編集に挑戦したい初心者です。

更新履歴

2021/06/04 動画編集のメインツールとしてPowerDirectorを採用したことを追記

PowerDirectorの入手先

PowerDirectorの入手先はこちら。( Mac対応版はこちら

PowerDirector 365(Windows版)

サイバーリンク

まずは1ヶ月間の無料試用期間がある。ただしフル機能が使えるわけではない。例えば一例として、以下の機能は試用版では利用できなかった。

  1. スクリーンレコーダー(アドオン扱い。試用版ではアドオン導入不可。)
  2. SVRTによるスマートレンダリング機能
  3. NVEncによる高速ハードウェアエンコード出力
  4. H.265 HEVCエンコードファイルの読み書き

なお製品版では、自動でScreen Recorder 4がインストールされたし、NVEncによるエンコードもできた。またH.265の出力も選択可能になった。

またサブスク製品版購入後であっても30日以内であれば返金処理が可能

カスタマーサポート - CyberLink ソフトウェア/アプリの返金ポリシーについて | CyberLink

ソフト買い切りか1年サブスクか?

結構情報収集した。例えば買い切りならばAmazonからPowerDirector 19を買うことになる。価格も6千円台とお手頃だ。私もこれを買おうかと思っていた。

だが、気になってサブスク版も調べてみた。初回のサブスク申し込み時にはほぼ常時25%OFFで、こちらも約6千円台と、ほぼ同じ価格

だがしかし!サブスク版には「色んな素材が1年間無料で使える」というメリットがある。それは動画・BGM素材は当然として、その他にもフィルター系、動画用テンプレートなど、色んな素材が毎月追加される。各種素材を無料で1年間試せるならば、サブスク版を試す価値が大いにある!と思ったのだ。

買い切り版とサブスク版の比較の詳細は以下の公式サイトからご確認下さい。

機能比較表

サイバーリンク

個人的には、後述する「YouTube受けする派手で実用的なテンプレ」がVol.1, 2とあって、しかも今後も充実しそうだ、という予感がある。

PowerDirector 365のバグ?【解決策あり】

サポートに問い合わせ中の致命的なバグ。

PowerDirector 365のカット編集後のレンダリング結果に余計なフレームが残る - 3DCGで何をどう作るか考え中

2021/06/04 追記

こちらの記事で解決策を書きました。

PowerDirector 365のレンダリング出力時のフレームレートに注意 - 3DCGで何をどう作るか考え中



さて、ここからしばらくはVEGAS Proの話です。

私は元々はVEGAS使い

VEGASはソースネクストのセール時に買うのがお得。半額近い8千円台で買える場合がある。

VEGAS Proシリーズは、ソースネクストで

手元にあるのはVEGAS Pro 15だ。今の最新版は18だが、それまでは大したことをやっていなかったので今でも15で十分使えている。セール時に買うと8千円くらいだし、機能的にはAdobeのPremiere相当の機能なので、格安と言える。その代わりプロ用なので細かい事もできる反面、専門知識がないと扱えないという玄人向きのソフト、それがVEGASだ。最近になって日本のユーザーが増えたことで情報源も増えたが、なかなかネット上を駆け回らないと情報を集めにくい。

とはいえ、私の知る限り、高性能で低価格、そしてタイムラインの動作が軽快なのだ。これは今回紹介するPowerDirectorよりもかなり軽い。体感で2~3倍ほど軽く感じる(個人差あり)。

なので実はカット編集について言えばVEGASで十分だと感じている(笑)

【余談】設定一つで爆速カット編集ツールに生まれ変わった

VEGASも「とある設定を最近見つけた」ことで爆速のカット編集ツールに生まれ変わった。それまではどうしてもカット編集にもたついていたので、VEGASから乗り換えられる編集ツールを探してPowerDirectorを試していたわけだが、その際に比較としてVEGAS側でも色々試していたら、今まで見落としていた部分があって、それを適用したらビンゴ!結果として「一番早いカット編集ツール」になったVEGAS……。

その話はまた別の記事にて。。。

VEGASはエフェクトに弱い

で、カット編集を含めたタイムライン上の操作は、VEGASが軽快。だが、それ以外の演出が弱い、弱すぎるのだ。ハッキリ言って「手間がかかる割にはショボくて素人チックな仕上がり」にしかならない。かなり手間暇掛けてようやく、巷のYouTube動画のような派手な演出ができる。これが結構ネックで、世の視聴者の目はYouTube動画で肥えているので、VEGASで四苦八苦した「ショボい動画」は、どうやってもショボいのだ。

この演出力の弱さがVEGASの弱点だった。

お手軽で派手な演出のPowerDirector

対してPowerDirectorではそういう見栄えの良い派手な演出が簡単な操作でテンプレから引っ張ってきてオリジナルカスタムして用意できる。ほぼポン付けでかなり見栄えのいいモノができたのだ。

そして色々と無料版のPowerDirectorで試行錯誤した結果、やはり今後の動画編集において「演出力の高いお手軽ツール」は重要だと考えて、VEGASとPowerDirectorの二刀流で行こうと決めたので、今回、PowerDirectorを購入した。

PowerDirector 365(Windows版)

サイバーリンク

PowerDirectorとVEGASとの比較

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両者を一通り触った結果の感想。さっそく比較してみよう。

結構深い内容だが、派手さはないのでスクショ画像は少な目。興味のある人だけがじっくり読んでくれれば言い、と言うスタイル。

VEGASのメリット・デメリット

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VEGASの優れている点

  1. 高画質動画でもタイムラインの操作がとても軽い
  2. シークのレスポンスの速さ、キャッシュファイルのバックグラウンド動作の軽さ
  3. ほぼあらゆるフォーマットに対応
  4. Ut Videoコーデックなどを選んで可逆aviファイルを出力できる
  5. 素材カット時の自動音声フェードイン&アウト機能
  6. シークバーを中心としたズームイン&アウト(地味に便利)
  7. ソフトウェア機能の枯れた安定性(ソフト自体がフリーズすることはたまにあるw)
  8. ソースネクストのセールを狙えば約8千円台で買い切り
  9. 動画編集の機能自体はPremiere相当(ただしPhotoshopやAEとの連携は当然ながら無理)

というわけで、純粋に動画編集のみで考えると、高画質素材に強く、カット編集に強い。またファイルコンバーターとしての機能も果たすくらいに、色んな入出力に対応。またカット編集時に自動で0.01秒のBGMフェードをかけてくれるのでカット編集素材を並べてもぶつ切り音のノイズが出ない

(もちろんこれをOFFにすることもできる、環境設定より。)

機能自体は枯れた安定性があるので安心して使える。致命的なバグに出会ったことがほとんどない。

また、やたらと音の編集に強い。というのもVEGASは何と、元々は音楽編集ツールとしての出身という奇妙な経緯があるので、やたらと音楽の編集に強い。細かい設定も多い。なのでカット編集とD&Dだけで勝手にフェードがかかってくれるので楽ちん。

VEGASの劣っている点

  1. 色味の問題と対処方法の煩雑さ(素材がmp4とaviで対処方法が違う、PC画面の色味と出力mp4の色味が違う。対処方法はあるけれど一手間かかる)
  2. 派手なエフェクトがない(やたらと地味なエフェクトしかない)
  3. シェイプ系(直線、長方形などIllustrator的な図形)のエフェクトが絶望的に使いにくい
  4. タイムラインを画面全体にフィットさせる機能やボタンがない
  5. 日本語の情報が相変らず少ない
  6. ここ数年間、機能的にはあまり進化していない
  7. ところどころに「なんでその実装?」という強烈な癖がある一面も 1. 非選択状態の素材をキーボード操作で選択状態にできない
  8. Ver.16から対応したSRT字幕ファイル、細切れ挿入後に一括編集できないっぽい

なので、簡単なカット編集+BGMを付けるくらいならばVEGASは快適だ。ところが、YouTubeで見栄えのするちょっとした気の利いた演出を加えようとすると一気にハードルが上がる。

演出面に弱いのがVEGASの特徴。そして日本語の情報の少なさ。

VEGASの総評

  1. カット編集に強い
  2. 高画質動画もサクサク編集できる
  3. シャドウファイル(参照ファイル)を利用したプレビューも滑らか
  4. 音の調整がしやすい
  5. ファイル形式の入出力でまず困ることはない
  6. 派手な演出が苦手
  7. 日本語情報が少ない
  8. 毎年の機能的な進化は少な目
  9. 時々癖のある使い方があって戸惑う

なので、カット編集と、それに伴う音質の調整には強い。もともとVEGASは報道用向けにチューンされたソフトなので、凝った演出よりも、すぐに編集してすぐに放送できる映像を作ることが得意なので、こういう進化はうなずける。



PowerDirectorのメリット・デメリット

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では次にPowerDirector。これはVEGASの弱点を埋めることができる反面、VEGASの得意分野がそのままPowerDirectorの弱点だったりもする。

とはいえ、出力ファイルのレンダリングの速さ、特にSVRTやハードウェアエンコーディング(NVEnc利用など)を用いた高速レンダリングは、おそらく動画編集ツールの中でも随一だと感じる。

2021/06/04 追記
私はこれプラス「工夫すればキーボード操作のみでカット編集できること」が決め手でメインの動画編集ソフトをPowerDirectorに決めました

PowerDirectorの優れている点

  1. 工夫すればキーボードのみでカット編集を進められる
  2. キーボードで素材の選択状態・非選択状態を切り替え可能
  3. タイムラインを画面にフィットさせるボタンがある
  4. SVRTによる非変更部分の高速出力
  5. ストップモーションからのズームイン&アウトなどの演出が簡単
  6. Vrew出力の字幕ファイルのインポート後に、見た目や表示位置を一括でいつでも編集可能
  7. シェイプなども可逆な状態で位置・形状の調整が可能
  8. サブスク形式になってから1年間は色んな素材を無料で使い放題
  9. YouTube用のテンプレなども充実してきている
  10. YouTube受けする簡単に派手な演出ができる
  11. 柔軟なデスクトップキャプチャソフトScreen Recorderが無料で付いてくる

演出力の高さが武器だ。しかも割と簡単な操作だけで見栄えをよくできる。また無料のたくさんのテンプレートを使えば、かなりYouTube受けするそれっぽい絵を作れる。

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VEGAS Pro 18にもデスクトップキャプチャ機能が付いたようだが、範囲を指定してのキャプチャができたという情報がないので、その点で言えばScreen Recorder 4に一日の長がある。なのでPowerDirector側に歩がある。

またフルスクリーンキャプチャで良いならばNVIDIA系のグラボを使っている場合にはGeForce Experience経由でリアルタイムmp4録画ができるしなぁ。

PowerDirectorの劣っている点

  1. ホットキー一発で素材の先頭や末尾にジャンプできない(工夫次第で回避可能)
  2. シークが最速で1秒単位、それ以上高速移動のホットキーがない
  3. 出力ファイル形式が主要なものに限られている
  4. シャドウファイルの生成にやや時間がかかる(機能をオフにすれば回避可能)
  5. シャドウファイルがあってもシークや動き出しにワンテンポの遅れがある(これは仕様)
  6. 素材のカット編集、特に頭方向のトリミングに操作が一手間かかる(工夫次第で回避可能)

編集時のモッサリ感は否めない。この点はVEGASの方がまともに感じる。とはいえ、耐えられないほどじゃない。

また、ソフトウェアの機能自体の不安定さが目立つ。特にバグなのか否か、という機能の不全が目立つ。ここの悪い感じが「所詮はサイバーリンク製品」という悪い先入観を思い出させる。

(サイバーリンク、昔は安かろう悪かろうという、割とそういう評価だった気がする。今はだいぶ払拭されたのかな?)

ここら辺は素早いユーザーサポートやアプデ対応に期待したい。

特に「mp4のエンコードパラメータによっては固定フレームレート素材であってもカット素材のお尻になぜか1~3フレームが入ってくる」点については、かなり入念にテストしたが、やはりダメなときにはダメなのだ。タイムライン上にはないフレームがレンダリング出力後、あるいはレンダリングプレビュー時に「突然」入ってくる。したがって全体の尺が数フレーム変わる

2021/06/04 追記

解決方法はこちら。

PowerDirector 365のレンダリング出力時のフレームレートに注意 - 3DCGで何をどう作るか考え中

PowerDirectorの総評

  1. 工夫するとキーボードのみでカット編集ができる
  2. カット編集やシークにもたつきがあるがギリギリ及第点
  3. それを補って余りある「演出力」と簡単操作
  4. サブスクになって色んな素材が使い放題
  5. テンプレを駆使して簡単に派手な演出ができる
  6. デスクトップキャプチャ動画を簡単に作れる環境

演出用の機能が充実している。反面、動画編集ソフト自体の基礎力に欠ける。特にバグの多さは困りものだ。ユーザーサポート次第で今後の評価が変わるだろう。とはいえ、サブスクになって素材が使い放題な点は見逃せない。

【まとめ】カット編集と、エフェクト追加で使い分ける

まずは録画素材を切り出して素材に仕上げるのがVEGASだろう。尺の調整だったり、演出意図を考えて、可能な限り素材を切り出してタイムライン上に配置するまでがVEGASの役割となるだろう。その後、mp4などでPowerDirectorに渡す。

PowerDirector上ではエフェクトをどんどん追加していく。ストップモーションにしてズームインし、見せたい場所に矢印だったり四角なぞの図形で強調し、ズームアウトして次の作業を見せる、という演出はかなり早く仕上げられる。VEGASでやっていたら10分作業を、PowerDirectorならば3分程度で仕上げられる。

また、オープニング動画、エンディング動画をテンプレを使って作れば派手で見栄えの良い動画に仕上げやすい。YouTube向けの演出が可能だ。

こんな具合で、VEGASとPowerDirectorは使い分けられる。

【余談】スクショ動画を簡単に仕上げたい

PowerDirector付属のScreen Recorder でPCソフトの操作方法を録画し、簡単な物ならばそこから直接PowerDirectorで編集すればいい。例えば利用中のソフトやアドオンのバグ報告などで、特に英語の開発者にレポートする場合には、ハッキリ言って操作内容をキャプチャして動画にして送った方が早くて正確に伝えられる。

今までテスト的にいくつかのソフトを使ったが、微妙にどこかが使いにくいことが多かった。ソフトとしての完成度がいまいちなものが多かった。

私としてはPowerDirectorの購入目的の中に、この「スクショ動画+超絶簡単に動画編集してバグ報告用に使いたい」という思いがある。とにかく簡単に切り出して、簡単におかしい注目部分に演出を加えたいわけだ。これは残念ながらVEGASだけではハードルが高すぎた。なのでScreen Recorder + PowerDirectorに期待している。



今日は文章が長くなりすぎたのでこの辺で終了です。もしかしたら続編があるかも知れない。





今回の創作活動は約4時間30分(累積 約2,382時間)
(720回目のブログ更新)

PowerDirector 365(Windows版)

サイバーリンク