3DCGで何をどう作るか考え中

ZbrushとBlenderの使い方、ヒント、コツなど。たまにZbrushプラグイン開発も。

Substance 3D Modelerのベータ版が残念すぎた(2022年5月版)

(約 4,000文字の記事です。)

AdobeからVR機器を使ってスカルプトするソフト「 Substance 3D Modeler」のベータ版が公開されたので早速触ってみた。ZbrushやBlenderのスカルプトモードを使ったことがある人から見た感想を書こうと思う。

対象読者はZbrushやBlenderでスカルプトするユーザー。なのでZbrushやBlenderのスカルプト機能を使うための最低限の基礎知識がある人。

Zbrushって何?Blenderのスカルプト機能とは?という初心者のための解説は一切ありません。玄人視点で気になる部分に絞って解説します。なおこの情報は2022年5月4日現在の情報であり、将来的に変わる場合があります。念のため。

ソフトはこちら

クリエイティブオーサリング用3Dモデリングソフトウェアツールの決定版 | Adobe Substance 3D Modeler

「ベータ版に申し込む」ボタンから無料でDLできる。

全然役に立たない

結論はこれだ。まったく役に立たないソフトだ。VRでのスカルプトにとても期待していたのだが、残念すぎる結果に。またベータ版であるという点を考慮し、バグだと思われる挙動を評価から除外したとしても、要するに仕様通りに動いていたとしても、そもそもの仕様それ自体が「ショボいソフト」の域を出ていない。

なのでもしこのままバグが取れてリリース版になったとしても、現時点の機能だけでは、うん、現在のスカルプトモデラーは全く興味を示さないと思う。

ベータ版という名のアルファ版

Blenderユーザーならば、アルファ版からベータ版になったことで「大体使えるレベル」になっていると期待するはずだ。Blenderではそうなのだ。本番直前の公開テスト的な意味合いが強い。だがSubstance 3D Modelerでは違った。ベータ版という名のアルファ版でしかない。こういうことをするとユーザーからの信頼が損なわれる。

「スケジュールが予定に達したのでプライベートベータからオープンベータに切替えました」的な、事務的な感じしかしない。完成度で考えれば全然ベータになっていない。

いくつかの基本仕様がバグで動かず

これでもうやる気を失った(笑)本当に基本的な機能がバグで正常動作しないのだ。なので脳内で「正常に動作したものと仮定して」ソフトの機能を試してみたのだが……。やはりそれでも残念すぎた。

いきなりスカルプトの仕方が分からない

これな!どうやってスカルプトするの?目の前のメッシュはどうやらプリミティブ図形らしい。Zbrushで言うところの球体かキューブか、あるいはMake 3Dボタンを押す前のテンプレ形状だろう。

んでどうやってこれにスカルプトするの?まずここでつまづく。公式ドキュメントを全部読んだがサッパリ分からん。

Substance 3D Modeler | Substance 3D Modeler

結局askNK氏のYouTube動画を見てようやく理解。

New Substance 3D Modeler Beta Is Here! - Walkthrough Tutorial! - YouTube

とっても分かりにくいUIだ。Zbrushもかなり独特なUIだが、それ以上に分かりにくい仕組みだ。UIそのものよりもUIの仕組み自体が分かりにくい気がした。

とはいえようやくスカルプトできるようになったので色々試してみたのだが……。

オブジェクトの構成やUIが意味不明

Zbrushのサブツールに相当するリストはどこ?Blenderのアウトライナーウィンドウはどこ?

これに相当するUIがSubstance 3D Modelerにないのである。敢えて言えばこれがUIということになるのだが。

ナニコレ?

使いにくい。そして代わりにドキュメントでくどくどと概念を説明しているのだ。

Scope and scene structure | Substance 3D Modeler

パッと見でわからないソフトウェアUIに価値なんてないぞ?

箇条書で説明できているのなら、最初から箇条書で表示するUIウィンドウを実装すればよくね?何でCUI的なインターフェースを1行だけ実装してんの?

Blenderのこれみたいに実装すればいいだけだと思うのだが。

もうこの時点でだいぶやる気が失せた(笑)

おまけ程度に各パーツごとに非表示機能があり、全体表示ボタンもあるのだが、とにかくオブジェクトリストを一覧で見られないのでとにかく使いにくいことは明らかだ。

……、あの、本当にAdobeさんですか?(もしかしたら旧サブスタンスチームが惰性で何となく作って、何となく締め切りが来たので何となくベータリリースした、程度の、全く気合いの入っていないソフトな気がしてきたぞ?)

ぶっちゃけ、Photoshopの3D版でいいんだよ、既存のPhotoshopのUIライクにしてくれれば別にそれでいいんだ。

マスク機能はどこ?

だいぶやる気がないのだが、スカルプト時のマスク機能も見当たらない。もう絶望的w

基本機能がNGなので他の機能がよくても無意味

なのでポリペイント機能があったとしても、それ、もう誰が使うの?小学生の3DCGデビュー用お遊びソフトにしか見えない。

またエクスポートの種類がどんなに豊富でも、そもそも使わないソフトになってしまえば意味すらなくなってしまう。

左右対称編集機能やインスタンス機能があっても、全く使いたいと思えない。なぜ超絶基本となるスカルプト機能をきちんと仕上げずに、それ以外の機能を拡張したのか分からない。

Resolutionの上げ下げによる変化もよく分からないので、ユーザーがどんなときに何をどう調整すればいいのかも不明。

個人開発のフリーツールかな?と思えるようになってきたぞ。

使えないソフトにVR機器や没入感があっても、これまた無意味だ。本当はSubstance 3D Modelerの出来がよければそのままMeta Quest 2を買おうと思っていたのだが、まだ買わずに済みそうだ。

【結論】ZbrushかBlenderのスカルプト機能に習熟すべし

Substance 3D ModelerはZbrushやBlenderのスカルプト機能に取って代わるソフトになっていない。なので既存のスカルプトツールに習熟した方がいい。

ということはVR空間で立体モデルを直接立体として仕上げるワークフローが確立する時代はまだ遠い。

だがVR機器の普及により、いずれはVRスカルプトが実現する日が来る。あとはソフトウェアの対応次第だ。おそらくはどこか大御所ベンダーがVRスカルプトに対応すれば他社も追従して一気に普及するだろうなと思っているが、これについては色々書きたいことがあるが今回は割愛。

少なくともSubstance 3D Modelerについてはとても残念な結果となった。今後のVR関連の動向に期待しよう。





今回の創作活動は約2時間30分(累積 約2,803時間)
(816回目のブログ更新)

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