(約 8,200文字の記事です。)
サブスタンスペインター(Substance Painter)を買う前に考えてほしいこと。
- ソフトウェアが欲しいのか?
- サブスタンスソースのアセットが欲しいのか?
これがとても重要で「Steamでの買い切り」か公式からの「サブスクリプション購入」かの違いに直結する。とても大事なことなのだ。
単なる買い方の違いではないのだ。
なお、この記事はサブスタンスペインター 2021の特徴解説の記事とは無関係です(笑)
2021/11/27 追記
サブスタンス3Dペインター2021を所有しているユーザーは2022に乗り換えるべきかを検討しました。
2021/06/27 追記
サブスタンス3Dペインターになった現在の最新の情報と「よりお得な買い方」の記事を書きました。
サブスタンス3Dペインターのお得な買い方(Steamセールとサブスク購入を組み合わせる) - 3DCGで何をどう作るか考え中
- 更新履歴
- 【結論】買い切り版とサブスク版の違い
- 買い方は2種類
- 毎月払いのサブスクリプション
- 買い切り
- 買い切り版とサブスク版の違い(再掲)
- サブスタンスペインターを使いこなすだけなら買い切りでいい?
- サブスタンス製品はどこまで商用利用可能?
- 【結論】サブペが欲しいのか?サブスタンスソースが欲しいのか?
更新履歴
2021/11/27 サブスタンス3Dペインター2021を所有しているユーザーは2022に乗り換えるべきか検討した記事を書きました
2021/06/27 サブスタンス3Dペインターになった現在の最新の情報と「よりお得な買い方」の記事を追加
2021/05/09 記事をメンテ。
2021/03/01 読みやすいようにメンテ。
【結論】買い切り版とサブスク版の違い
1. Steamでの買い切り版
- 買い切り版は永久利用可能
- 1年間の無料アプデが可能
- 通例では新バージョンを割安で買える
- ただしサブスタンスソースで使えるDLポイントは付かない
2. 公式サイトからのサブスク購入
- サブスク版は1ヶ月単位での更新(または1年単位の更新)
- サブスタンスのペインター、デザイナー、アルケミストの3つを使える
- サブスタンスソースで使えるDLポイントが毎月30pt付く(アセットを毎月30個までDL可)
- DLポイントに有効期限はない(ためてサブスク期限切れ後にも使える)
- DL済みアセットは永久に利用可能(サブスクの有効期限とは無関係)
違いは「サブスタンスソースのアセットの扱い」ということになる。
結論を踏まえて上で、2種類の買い方があるのでざっと解説。
買い方は2種類
- Steamから購入して永久利用(買い切りで1年間のアプデ権付き)
- 毎月払いのサブスクリプション
この二択になるようだ。Adobeに買収される前は、特定の条件を満たすとサブスク購入から買い切りに変更できたみたいだが、それも今は無理みたいで、上記二択のみ。
またAdobe買収前にはSteam買い切り版とサブスタンスソースのポイント付与等の相互変換が可能であったらしいですが、今は無理みたい。。。
で、この両者の違いを比較してみた。なお売上一千万円未満のユーザーが利用可能なインディー版で比較していく。
毎月払いのサブスクリプション
3D design software, AR design software, and apps | Adobe
- 毎月払いにする(19.90 USドル)
- 1年払いにする(219.00 USドル)
年払いの方がちょっとお得。支払い方法はクレジットカードかPayPalが使える(らしい)。
(PayPalは国によってサブスクでは使えなかったりするので日本はどうなのかな?未検証)
サブスクにするとサブスタンスソース(Substance source)でのダウンロード権が1ヶ月あたり30ポイントもらえる。毎月30個まではアセットをDLできる。
他、サブスクではサブスタンスペインターの他にもSubstance DesignerとSubstance Alchemistも使える。
私にとってはまだサブスタンスペインターだけ使えればいいのだが、色々と便利に使えるらしい。DesignerもAlchemistもサッパリ分かりません。。。
毎月30個までのアセットのダウンロード権が付いてくる
サブスクのメリットはやはり毎月30個までの「サブスタンスソースのダウンロード権」が付いてくることだ。以下、DLポイントと呼ぶことにしよう。毎月30ポイントが付与される。これはアカウントに付与されるみたいで、サブスクの契約状況の変更によって減ったり消失したりすることはない。
Do Substance Source Points decay?
なのでサブスク期間が多くてアセットをDLしなければ利用可能ポイントが増えることになる。DLポイントには失効期限がないので、サブスク期限が過ぎた後でもポイントを利用してアセットをDLできるし、サブスタンスプレーヤーなる無料ツールでテクスチャをエクスポートして利用可能とのこと。
1ヶ月に30個以上もサブスタンスソースからDLするためには?
同一アカウントで同月に追加で1ヶ月分のサブスクを申し込めば30個増えるらしい。要するに1サブスクで30個のDL権利が買える、と考えると分かりやすいだろう。
同一アカウントで「同月に複数のサブスクを購入する」という概念自体はとてもわかりにくい(笑)
だが、1サブスク=30個のアセットDL権利、と考えれば分からなくもない。
買い切り
今なら2021予約販売中で多少お得に買える。1万2千円程度。
Steam:Substance 3D Painter 2021
SteamというPCゲーム販売プラットフォームから、2021年版の買い切り用販売予約が始まっている。ちなみに今から買っても2020年版でも使える権利が付いてくるので販売開始まで待つ必要はない。この買い切り版は2021年の1年間は無料アプデ権利が付いてくるので、最新のサブスタンスペインター本体を1年間使える。(1年間ではなくて2021年まででした、残念。)とはいえ最新でなくてもいいならば2022年以降も使える。
だが前述したようにサブスタンスソースのポイントは一切付かない。ちょっと分かりにくいけれどSteamのページにも明記されている。公式FAQなどを見てもDLポイントは付かないよ、と書かれている。
このライセンスには、SubstanceSourceへのアクセスは含まれていません
なので、Steamでのサブスタンスペインター買い切り版はあくまでもサブスタンスペインター本体のアップグレード権が1年間付いているだけの、ソフト単体のライセンスだと思って間違いない。(なおアップグレード権がなくなっても永久利用は可能。)
なお、通例では1年後、2年後にはおそらく半額程度で次年度の買い切り版が買えるらしい。旧買い切りユーザーへの優遇措置。
買い切り版であってもサブスタンスソースの無料アセットは使えるが、数が少ない。同様にサブスタンスシェアというコミュニティー製のアセットも無料で使えるが、やはり質はまちまちだ。
しかもサブスタンスシェアの利用に関しては商用・個人利用を問わず、クレジットの表記が必要で、色々と面倒に感じる。(請負業務用途には絶望的)
では両者を比較してみます。
買い切り版とサブスク版の違い(再掲)
Steamでの買い切り版
- 買い切り版は永久利用可能
- 1年間の無料アプデが可能
- 通例では新バージョンを割安で買える
- ただしサブスタンスソースで使えるDLポイントは付かない
公式サイトからのサブスク購入
- サブスク版は1ヶ月単位での更新(または1年単位の更新)
- サブスタンスのペインター、デザイナー、アルケミストの3つを使える
- サブスタンスソースのアセットを毎月30個までDLできる(DLポイント30ptの付与)
- DLポイントに有効期限はない(サブスク期限切れの後からでも使える)
- DL済みアセットは永久に利用可能(サブスクの有効期限とは無関係)
う~ん、どうやら違いは「サブスタンスソースのアセットの扱い」ということになる。これはどういうことだ?サブスタンスソースについて深く調べてみた。
ここから先はユーザーの考え方次第です。
サブスタンスペインターを使いこなすだけなら買い切りでいい?
私は最初そう思った。だが「サブスタンスソースって何?」と思って調べて、以下のURLのようにジーンズ素材を「Jeans」で検索し、ウェブブラウザ上の簡易アセット操作ツールをいじってみて、考えが変わった。
https://source.substance3d.com/allassets?q=Jeans
ジーンズ素材を選んで以下のアイコンをクリックするとカスタムしてプレビューできる。(サーバの都合上だろう、画面の更新はだいぶ重め、待つしかない。)
サブスタンスソースのアセットはこういうインターフェース全部を含めて1つのアセットとして提供されているわけだから、パラメトリックな制御ですぐにイメージ通りのジーンズを何パターンも作ることができる。
これを逆に、サブスタンスペインター本体の力のみで自力で作り出すことはかなり時間がかかるだろうし、ハッキリ言って無駄な努力とも感じる。このアセットを作り出そうと思ったらサブスタンス デザイナーやサブスタンス アルケミストなども使わないと作れないだろうな、と素人ながらに直感した。
だが、クリエーターのニーズは「そもそもアセットを作りたいわけじゃない」のだ。クリエーターの多くは結果が欲しいだけであって、便利なアセット作りに興味はないのだ。結果を安く買えてイメージ通りのアウトプットに速攻で近づけるならば、買うのが一番早い。
「マテリアル作成スキルの問題」と「期限内にクライアントの要求を満たすアウトプットを出せるか否か」の違いは、混ぜて考えてはいけない。重要度、緊急度が違いすぎる。(あとでスキルをフォローアップするための検討は必要だが納期には替えられない。)
そして個人創作にしても、望む結果が早く出る手段を選ぶのは必然だ。
人生の時間には限りがある。
なお、DLポイントに有効期限はなく、サブスク期限切れであってもDLポイントは使えるし、サブスク期限切れであってもサブペが使えないだけで購入済みアセットからテクスチャ自体は取り出し可能(サブスタンスプレーヤー経由)。
しかも、一度サブスタンスソースでDLしたマテリアルなどは永久に利用できる。サブペのサブスク期限とは無関係。(ソフトウェアにではなくアカウントに紐付くため。)
Will materials become unavailable when I unsubscribe or expire?
なのでサブスタンスペインターの有効期限とサブスタンスソースは無関係。それぞれ別々のソフトウェア。
だから運営側も「サブスタンスソースへの唯一のアクセス方法はサブスク購入のみ」と断言している。なのでどちらかというと「サブスタンスソースを売るためのサブスク販売であり、他のソフトの利用権は販促のためのオマケ」的な考えであることがFAQを読んでいて分かった。
サブスタンス製品はどこまで商用利用可能?
この情報を見つけるのにちょっと手間取ったけれど、結論としてはサブスタンス謹製のものは全て、固定的なテクスチャにした後ならば問題ない模様。例えばサブスタンスソースを利用した場合には「元々のサブスタンスペインター用ファイルまたはテクスチャイメージそのものを提供先のユーザーが取得できないようになっていれば問題ない」とのこと。ま、テクスチャマップ出力後であれば、テクスチャの見た目がサブスタンスソースのそれと全く同じであっても「元の(パラメータ制御可能な)ファイルをユーザーに提供していない」のでOKという解釈だ。
もしパラメータ制御可能な形式のファイルをユーザーに提供する場合には、サブスタンスソースのそれと全く同じパラメータ制御状態ではNGだが、独自に新設定したパラメータ制御機能を実装した物はOK。要するに、サブスタンスソースのファイルそのものを他人に提供してはダメ、ということだ。何かしらの制限を加えた加工をすればOKということ。
Is it possible to resell texture created with substance?
より詳しい解説はこちら。
「パラメトリックな制御状態を維持したまま元ファイルを公開してはいけない」という事だ。「パラメータ制御をNGにして固定的な画像にしたもの」は別アセットとして販売可能とのこと。
サブスタンス「シェア」に注意!
ただし上述したように、サブスタンスシェアに関しては必ずクレジット表記が必要になる。ここは未だに議論中らしいが、今のところそういうルールらしい。
……、うん、ハッキリ言って使いにくいし、個人的な作品制作以外にはかなり使いにくい。
サブスタンス シェア、業務用途で納品するという用途には無理でしょう……。
【結論】サブペが欲しいのか?サブスタンスソースが欲しいのか?
多分こうなる。サブスタンスペインターというソフトウェアが欲しいのか、それともサブスタンスソースによって提供されるパラメトリック制御が可能なアセットが欲しいのか?
私は最初は前者だったが、サブスタンスソースの「パラメトリックな制御で簡単にイメージ通りのテクスチャを手に入れられる」ことを知った今、本当に価値あるものは、実はDLポイントを使ってDLして永久利用可能にした「DL済みアセット」なのではないか?と思い始めた。
だいぶ長くなってしまったので今回はこの辺でいったん終了します。少し頭を冷やしましょう。クールダウン。
(おまけ)
本記事のURLは誤ってdialyとなっていますが正しくはdiary(日記)です。LとRをスペルミスしていますが、ま、そんなこともあります(笑)記事の内容に影響なしということでご容赦下さい。
多分疲れていたんだと思う。。。
今回の創作活動は約4時間30分(累積 約2,115時間)
(669回目のブログ更新)
筆者はAmazonアソシエイト・プログラムに参加しています。(AmazonアソシエイトとはAmazon.co.jpの商品を宣伝し所定の条件を満たすことで紹介料をAmazon様から頂けるという大変ありがたい仕組みのこと。)
以下のリンクを経由してAmazonで何かを買うと購入額の1~3%ほどのお小遣いが私に寄付されます(笑)