3DCGで何をどう作るか考え中

ZbrushとBlenderの使い方、ヒント、コツなど。たまにZbrushプラグイン開発も。

ZbrushやBlenderでシワを作る前に「シワのでき方・作り方」をきちんと学ぼう(おすすめ本の紹介)

(約 4,000文字の記事です。)
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Zbrush2021では布シミュレーションが可能となり、沢山の布ブラシが登場した。Blenderでも同様の機能があり、いよいよスカルプトでシワを作るのが楽になる時代になった。ところが、実際に衣類のシワをスカルプトしてみると、どうにもイメージ通りにできない。ツールの使い方以前の問題として「あなたは自然なシワのでき方を理解していますか?」「いいえ」という結論に至った。

そう、シワそのものの理解が必要不可欠だ。これが分からずしてシワ、特に自然なシワなど作れるはずもない。

まずは作ろうとしているものの構造や仕組みをきちんと理解する必要があると感じた。その次に、シワを作るツールの制御に入るべきであって、シワを知らずしてツールの使い方に習熟しても、そもそも作るべき対象の完成型をイメージできないならば、何も出来上がらないことになる。今更ながら基礎に戻ることにした。

シワについて学習する

学ぶなら本が一番だ。シワを学ぼうと思って一番最初に思いついたのは、イラスト作成時のシワの描き方・作り方のノウハウ本だった。もちろん現実の衣類を実際のポージングで観察するのが最も正確なのだが、イラストもスカルプトでも、リアルなシワに意味があるのではなく、シワという表現によって衣類の存在感を出す=記号としてのシワ、が重要なのであって、本当の衣類シミュレーター相当である必要はない。そもそもそんな物があればだれもシワをスカルプトしないで済む(笑)

シワを作り出すための考え方

なので、如何に自然なシワを記号としてスカルプトすることで衣類の存在感を出すかが重要。その点では、イラスト向けのシワの描き方=シワの作り出し方は3DCGスカルプトでもその理解は理にかなっていると思ったのだ。

という事でAmazonで何冊かピックアップし、実際に大型書店に足を運んで全て立ち読みした。

とはいえ都市部の超大型書店と違って私がアクセス可能な一番大きな書店でも、あまりこういう専門書の在庫が多いわけではない。店頭在庫の服のシワ関連の本4冊ほど立ち読み。

書店のいいところはAmazonと違って立ち読みできる点。パラパラと全体を眺めると本の価値がすぐに分かるから本屋さんは大好きです(笑)

おすすめの1冊「ダテナオト本」

で、まずは一番オススメしたい一冊をご紹介。

この中でも一番3DCGとの相性がいい良書。立体としてのシワのでき方が一番分かりやすい本だった。私はイラストを描きたいわけじゃない。イラストならば線1本でしわになるが、スカルプトではそんなごまかしは利かない。凸と凹を作って初めてしわになるわけだから、立体形状を理解できないとスカルプトのしようがない。4冊の中でダントツに「立体としてのシワ」の原理が分かりやすかった。

Amazonの試し読みでも分かるように、そもそもシワのできる原理から始まり、どういうポージングの時にどういうシワがどういう原理でできるのか?という根本から解説しているので分かりやすい。3DCGでは一般的に、裸の素体から衣類のベースメッシュを作成し、そこから膨張・拡大・スカルプトして服にするというアプローチが多い。なので「ポージングによってどこにどんなシワができるのか」という理解があればシワ作りは楽になるし、より自然な衣類のシワを作りやすい。シワのメカニズムの理解はいいこと尽くめだ。

また、読めば著者は人物をきちんと立体として捉えてることがすぐに分かる。立体として物の形を把握した後に線画化・イラスト化(平面化)しているので、それまでの理解の過程は3DCGのスカルプトでも有用なのは間違いない。

そしてこの本をパラパラと見た段階ですぐに、Zbrush2021.0の布シミュレーション、Blender2.9系の布シミュレーションでは作り出せないシワのパターンが分かった。特定のシワは確かに自動生成可能だが、表現として必要なシワの1~2割程度に過ぎない。したがって8割程度は自力でシワを作り出す必要がある。ちょっと読んだだけでもそれが分かった。

ということは、実は衣類の表現で思い通りにシワを作れることこそが表現力そのものに直結する、ともいえる。なので実は自動生成のシワは2割ほどしか役に立たない、ということになる。新発見。布シミュレーションに夢を見すぎてはいけない。そう気付いた(笑)

良書である。

当ブログでは今後度々ダテナオト本と称してシワの表現ではこちらの本をオススメすることになると思う。3DCGの布のスカルプトの理解にとって胸を張ってオススメできる1冊だ。間違いない。

Amazon限定でデータダウンロード特典がある模様。

【Amazon.co.jp限定】『デジタルツールで描く!服のシワと影の描き方』特典データプレゼントキャンペーン! | マイナビブックス https://book.mynavi.jp/pcbook/blog/detail/id=92717

あぁ~、私は嬉しさのあまり書店で買ってきてしまった(笑)
皆様はAmazonから買って特典データをGetして下さい。

他、惜しかった書籍の簡単な解説

あ、あくまでも3DCGクリエーターがシワをスカルプトするための学習、という見方での、立ち読み結果の書評です。私主観(笑)


Amazonの本検索で「シワ」で上位に出てくるのでどんな本かと思って読んでみたら、あまり3DCGの立体のシワの作り方の学習には向いていない。主にイラスト、線画限定。線を引きまくってシワを演出する技法の解説が多く、立体形状としてのシワの理解は難しいだろう。実際、絵を見てみても、どこか平面的で、作例なのにあまり上手いと感じない点がマイナス。また男女のスーツや女学生の制服がやたらと多い。フレアスカートなどもあったりするが、途中で靴の表現方法などの解説もあって、本としては焦点が絞り切れていない印象。どこか辞書的。

シワそのものの学習にはあまり向かなそう。


Amazonでは見つけられなかったが店頭在庫であったので眺めてみた。こちらはダテナオト本で基礎を固めた上で眺めると勉強になる可能性がある。シワの稜線+影による立体的なシワの表現が多いため、シワそのものの作り方が「見える」と、学べる点が多い。沢山のポージングやシワのでき方が書かれているので、基礎を押さえた上で技量の裾野を広げる上ではいいだろう。だが今の私にはちょっとハードルが高い。もし2冊目を買うならこれかも知れない。


で、こちらも店頭在庫だったので立ち読みしたが、残念すぎた。絵専門なら何かしらの学びがあるだろうが3DCGスカルプトでは全くシワの理解と再現に役に立たないと感じた。絵としての表現に付いてならば何かヒントになるかも知れないが、立体的なシワの理解には学習材料があまりにも少なかった。やたらと実際の写真と線画との比較に終始しているため、なぜそうなるか?の理解ができなかった。ボツ。

まとめ ダテナオト本でシワを理解することは重要

【Amazon.co.jp限定】デジタルツールで描く! 服のシワと影の描き方(特典:本書未収録のイラスト作品・解説の特別編集版)

シワのでき方と法則性が分かれば、そこからは想像力で自由にシワを作っていける。もちろん同じようなポーズ、同じような生地の厚さの服を着てポージングしてもらった写真を用意できれば完璧だが、必ずしも毎回それができない場合、シワのでき方と法則性を押さえていることは短時間での仕上げに大きな威力を発揮するだろう。

なので、まずはダテナオト本で「シワの科学」を理解し、そこからオリジナルで自然なシワをスカルプトできれば造形師としてのステップアップは間違いないでしょう。

しばらくこの本で勉強することにします。Zbrushの布シミュレーションのパラメータ制御の試行錯誤はその後でも遅くはないでしょう。そのうちバグフィックス版が出るだろうし(笑)





今回の創作活動は約1時間30分(累積 約1,862時間)
(607回目のブログ更新)

筆者はAmazonアソシエイト・プログラムに参加しています。(AmazonアソシエイトとはAmazon.co.jpの商品を宣伝し所定の条件を満たすことで紹介料をAmazon様から頂けるという大変ありがたい仕組みのこと。)
上記のどれかのリンクを経由してAmazonで何かを買うと1~3%ほどのお小遣いが私に寄付されます(笑)