3DCGで何をどう作るか考え中

ZbrushとBlenderの使い方、ヒント、コツなど。たまにZbrushプラグイン開発も。

今後の活動の方向性(2021年初頭)

(約 7,600文字の記事です。)

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ここしばらくの間、創作活動の方向性に悩んでいましたが、ついに結論が出たのでその記事です。Zbrushについてはハイポリ+リトポをメインに利用し、創作活動はローポリ+サブペによるテクスチャ表現にする予定。Zbrushプラグインについては引き続きメンテ+新規開発の予定。

前書き(プロローグ)はこちら。単なる回顧録なのでスルーでOK。

プロの表現が凄すぎて「まねする気がなくなる」

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当たり前かも知れないが、3DCG表現でプロクリエーターの表現は日々向上している。より精細に、よりリアルに。PC資源の能力向上がすさまじいので、今までの不可能がどんどん可能になってきた。特にリアルタイム処理のUE4関連の表現など。そのため、プロ同士の競争も当然加速し、素人ではたどり着けない高みでプロは切磋琢磨していると思う。そういうのをTwitterのタイムラインで見ていて、いつもそう思っていた。

なのでもし学生で3DCGのプロを目指すならば早くそこにたどり着くことを考えるべきだろう。学生無料のMaya, 3dsMax, C4Dなど、学生無料の特権をフルに使って「そこにたどり着けたことを証明するポートフォリオ」を作るべきだ。ライバルがたくさんいるが席は少ないはずだから。

能書きや講釈で作品は完成しないのだから。

だが、社会人になった大人にとっては、その高みを目指そうという気が起こらない人が大半だろう。無理、凄すぎる、その品質のポートフォリオを作るのに何百時間かかるの?できたとして、何なの?と思うのだ。超絶リアルな胸像が数百時間かかってたった1つできたからって、何なの?その1つで満足できるの?2つ目はいつできるの?できたから何なの?……。分からなくなる。分からなくなった。

現実問題、中途採用でポートフォリオがその年齢のクリエーターが作るクオリティーと同等かそれ以上でないと誰が採用しようというのか?という問題がある。同等であるのが最低条件で、プラスアルファで付加価値の能力があればまた別とは思うが……。

(参考)

https://youtu.be/eMilMa9UCCk

何にしても、趣味の3DCGクリエーターには縁のない話だ。

逆にアマチュアらしさを大切にしよう

そう、プロとは逆の立場をフル活用しよう。私はアマチュアなので、素人なので、凄い作品は多分作れない。というか、作ろうという意思がない(笑)それだけエネルギーを注ぎ込めそうもない。ゆるくやりたいのだ。これがポイントになるのではないか、と思っている。対極にいるのだ。アマチュアなので、好き勝手にやれる。そしてやりたいことをやるのが本筋だろう。

で、あなたは何をやりたいのか?

今までの活動を振り返る(今後の活動の方向性のために) - 3DCGで何をどう作るか考え中

ということで、私の場合には、オリジナルの一次創作がしたかったわけ。でもハイポリでリアルなプロっぽいものを一人で作り上げるには、ワンシーンを1カット作るのに何ヶ月かかることやら、ということで、私が最も作りたかった物は、ワンシーンなわけ。ワンシーンを量産したいわけ。だがエネルギーが足りない。そうなると、色んな物を削るしかない。

ローポリ表現に特化する

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ぶっちゃけ、カックカクならば誰でも作れる。簡単に作れる。それを基本とした世界観を作ってしまえばいいのでは?と思った。

だが、カクカク過ぎる上に、リアリティがない。四角い箱が木箱に見えない。メッシュ形状と見た目の印象の違いとで悩んでいた時期が長かった。

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だが、最近、サブスタンスペインター(Substance Painter)を学び、テクスチャの威力を知った。

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私はこれまでZbrushメインだったので、何でもかんでもメッシュ表現だったのだが、そもそも私がしたい表現はメッシュによる立体物ではなくて目に見える表現なので、ノーマルマップなどの疑似立体表現や画像のテクスチャ表現でも問題ない。ようやくテクスチャに辿り着いた段階で、ローポリをメインの表現手法としても成立し得ると思えるようになった。

ローポリならばUV展開も簡単だ。やり直しも簡単。そしてサブスタンスペインターで手書きの温もりのあるテクスチャ、これは商用のプロでは作れない「味わい」がある。Windows付属のペイントブラシで描いた落書きでも、上手い人が描けば味が出る。下手な人が描けば落書きだ。だがそれも素人ならではの表現だ。プロの表現では滅多にお目にかかれない。でもそれはそれでいい。落書きでできた世界観ならば、何の問題もない。

ラーメンの上のナルトみたいな模様でも、周囲に発散する棒線を複数書き加えるだけで太陽に見えるのだ。

私は「世界観、ワンシーンをたくさん」作りたいのだ。仮に高精細であったとしても1カットしかないならばそれは駄目で満足できないのだ。

SketchFabの活用

Sketchfab - The best 3D viewer on the web

SketchFabという無料の3Dメッシュ公開サービスがある。これを使えば誰でも簡単に自作のメッシュ+テクスチャをDL可能な状態で公開できる。これを上手く利用すれば誰でもローポリ表現のメッシュを気軽に利用してデジタルな空間内でジオラマを作れる。(もちろん著作権表記=クリエイティブコモンズ表示は必要だけれど。)

例えばLowPolyWordという共通タグを付して一定量以上のアセットが出そろえば、それを利用してデジタルジオラマをやってみようか、という人も出てくるかも知れない。ローポリなので敷居が低い。そして手塗りなテクスチャでもOKな世界観が構築されれば、どんな初心者でも気軽に「まだSketchFabにないメッシュアセット」をアップロードできる。それを利用して別の誰かが新たなジオラマを作って公開する、といういいループができると思っている。

しかもメッシュもテクスチャも素人が簡単に作れる程度の物だから、販売品質にないことは明らかだ。だれも悪稼ぎしようとは思わないだろう。そうすると、初心者3DCGクリエータの、初心者3DCGクリエータによる、初心者3DCGクリエータのためのコンテンツが出来上がることになる。低品質だけれど自由に使っていいよ、という場ができる。

「MMD、いらすとや」から学ぶ

MMD、Miku Miku Danceである。気が付けばそれも10年以上前に開発が終了したソフトたが、未だにYouTubeなどで新作が溢れている。MMDが未だに続いていることは、ひとえに、初心者がとりつく島があるからだ。初心者が、好きなモデル、好きな曲&ダンス、好きなステージを組み合わせるだけで、お好みのキャラクターが踊ってくれる。この気軽さと感動のインパクトがMMDにはある。だがツールとしては枯れた上に終了している。発展はない。誰かが新規開発を継承しない限り。

だが3DCGは終わらない。Blenderがある。とはいえ、MMDとは色々と違う。MMDはMMDという一つの3DCGソフトウェアであり、3DCGソフト間の互換性が低いのは周知の事実だ。それぞれがそれぞれで完結するのが当たり前だから。なので、MMDに固執し続けることは難しいだろう。

物理特性をBlenderなどに移植するなどすれば、延命は可能だが……。

あと、気軽にそのシーンを表現する手段として、いらすとやのイラストがある。これも上記と同じ理由で、簡単に欲しいシーンに欲しいイラストがあったから、こぞって利用されているわけだ。

そんな具合で、3DCGにおけるローポリ、手書きベースのほっこりした素人っぽいテクスチャ付きモデルがたくさんあったならば、もし3DCGに興味のある初心者はまず「それらを組み合わせてワンシーンを作ってレンダリングする」ことのハードルが下がるのではないか?と思っている。そして本人がローポリモデルを分析したり改造したりしているうちに、徐々にレベルを上げたいと思う人も出てくるのではないか、と思っている。

あとはハイポリになればそれ特有の問題とリトポ、テクスチャとの兼ね合いなど、色々出てくるが、それでもローポリに慣れ親しんだ上で次のステップ、というのは学習教材としては効率的だと思っている。

ローポリワールドを作るための仕組み作り

あとは仕組み作りが必要だ。例えばSkechFabで「LowPolyWorld」などというタグ付けを宣伝してそれで検索したモデルがある程度以上充実して利用しやすく検索に出てくるようにならないと起爆になり得ない。でもこれはあとは自分で頑張って無名の人の参加を神様に祈るしかない。もしそれで市民権を得れば、3DCG初心者でも「自作のショボいローポリモデルであったとしても、LowPolyWorldでヒットしないメッシュアセットならばそれを作ってアップロードしていい文化」が育てば、それはいつかどこかで誰かが利用して喜ぶだろう、という「場」が生まれる。

MMDやいらすとやの需要があったように、LowPolyModelにも初心者にとっての需要が生まれるのではないか?と思っている(少なくとも私にとっては嬉しいw)。

サブスタンスペインターだけが有料での必須ツール

Blenderならば無料だが、テクスチャリングになるとサブスタンスペインターは外せない。これだけが有料ツールであり、ツールを買い上げるにせよサブスクするにせよ、お金がかかる。ここだけがネックかも知れない。だがローポリという「メッシュそのものの情報量の少なさ」を補うためにはテクスチャによる質感情報の付与は絶対に外せない。この問題をどう解決するかにかかっている。

Zbrushの創作物は減る予定

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Zbrushでの創作活動は、今までも少なかったが、同様に少ないままの予定。というのも、Zbrushの強みは粘土細工なので、トポロジ一切無視の超絶ハイポリでモリモリ形を作るやり方が一番Zbrushらしく、かつ直感的なのだ。で出来上がった完成型をデシメーションマスターなどで少し頂点数を減らした後、Blenderのリトポフローアドオンでリメッシュする、という流れをワークフローの基本にする予定。

RetopoFlow 3 - Retopology Toolkit for Blender - Blender Market

Zbrush 2021.5でZbrush内でも手動リトポできるが、効率はかなり悪いと感じる。リトポフローでズバッと半手動でリトポした方が早いし、細部のトポロジの煮詰めもBlenderの方が操作しやすい。頂点、辺、面の複数の扱いはDCCツールであるBlenderに歩がある。

なので私はZbrushでの手動リトポをするつもりはなく、Zbrush上では「Blenderで快適に操作可能な1オブジェクト200万ポリゴン」以下にデシメートしてGoBでBlenderに渡してリトポする予定。適材適所で各ツールの「美味しいところ」だけを使って作業するワークフローを組み立てる予定。

(だがどうしてもZbrush内で完結したいならばそれはそれで仕方がない。)

ソフトウェアとしての創作物=プラグイン開発

なのでZbrushはソフトウェアの創作物としての形となる予定。ツールとしてZbrushプラグインは、せっかく作れるようになったので保守の他にも、より便利に使えるようなツールも今後作ることは可能なので、私の創作物の一つの発表形態として、目に見える3DCG作品だけではなくてZbrushプラグインも開発&発表していく予定。まずは過去のプラグインのメンテが先かも知れないが。

サブペとBlender

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この2つはローポリ表現をする上で欠かせない。(人によってはMayaなどのDCCツールでももちろんOK。)サブペでテクスチャリングをする。単なる四角い箱も木製の板きれテクスチャを貼れば木箱になる。この表現はメッシュと色だけではとてもじゃないが表現できない。できたとしても非効率すぎる。またローポリならばUV展開・展開の修正もラクだし、テクスチャの基礎も身に付けやすい。人によっては徐々にポリゴン数を上げていけばUVとテクスチャとトポロジの関係も学びやすいだろう。

あとはUV展開を修正する手段としてBlenderがある。

もちろんBlenderはハブとして機能してもらう。Blender+Zbrushの為のGoBアドオン、Blender+サブペのためのライブリンクアドオンがある。他にもDCCツールとして、リグ入れやポージング、レンダリングなど色々と中心に据えて利用するツールになる。最終的にはレンダリングして完成だ。

もちろん、その後にCLIP STUDIO PAINTなどでエフェクトの加筆もいいと思う。人によってはアニメーションを加えて動画編集ツールやAEなどで演出してもいいだろう。

とにかく3DCGはやることが多いので、そこをローポリに割り切ることで余力を後工程に回すことができ、作品全体としての完成型に色々と寄与できる気がするのだ。一個人でできる事には限りがあるし、それが複数名になっても素人同士の集まりなので、やはり限界もある。そこでローポリと割り切ることで各部に発生する様々なエネルギーをカットしようと思うわけだ。

必要ならばポリゴン数を上げて作業していけるようになればあとは何とでもなるだろう。だがローポリより作業量が減ることはないだろう。なのでローポリから始めようと思ったわけ。

今後の活動方針 まとめ

箇条書するとこんな感じ。

  1. ローポリ+サブペによるテクスチャでワンシーンを作る
  2. サブペとBlenderを活用する
  3. 素人感を大切にする
  4. 適当に簡単に、メッシュアセットを量産する
  5. SketchFabを利用する
  6. LowPolyWordを展開する
  7. Zbrushは自由なハイポリ造形からBlenderでリトポ(リトポフローアドオン)
  8. Zbrushプラグイン開発は続行だが創作物は減る予定

おそらくこれで私の中では各ソフトの役割分担がキッチリ別れた感じだ。どれか1つで完結させるつもりはないし、各ソフトの得意分野で使い分ける事になる。DCCツール、ハイポリスカルプトツール、リトポツール、テクスチャリングツール、レンダリングツール、これらがキッチリ別れた。もちろんBlenderが兼任している部分が多いけれど(笑)

なので今後は、暖かい(ショボい)ローポリモデルに暖かい(ショボい)手描きテクスチャをベースとして、初心者が少しずつメッシュアセットを作っていき、ある程度の小物の数が揃ったら背景などを用意してBlenderでレンダリングしてワンシーンの1枚絵を完成させていく、というループを回していきたいと思います。

素人臭さを守ることが重要かも知れない(笑)あとは実際にやってみないと分からないが、今のところの構想はこんな感じです。

ようやく自分の道を決めることができた気がします。。。





今回の創作活動は約1時間30分(累積 約2,165時間)
(675回目のブログ更新)

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