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プラモデルならば塗装済みのボディにデカールをぺたりと貼り付ければそれでおしまい。だが3DCGはそうともいかない。今回はデカールマシーンでそんな現実では簡単な手順を実現させるためのテスト。
貼るだけなら簡単
デカールマシーンというプラグインを使えば、貼るだけなら簡単だ。
だが、セルルックのシェーダーとは別でマテリアル設定がされるので、ただ貼っただけではちぐはぐになる。
つや消し仕上げのシールをバイクに貼ったみたいになる。
デカールを貼ったところのシェーディングは、セル画調の光沢や影とは別で、プリンシプルBSDFの見え方になる。
なのでKiryToonShaderに合わせたマテリアルにする必要がある。
これが面倒。デカール1つずつのマテリアルにKiryToonShaderの新グループを差し込んでいく方法もある。これは本質的だが、何十個もデカール貼るごとに1つずつそれを挿入するのか?ちょっと辛い上に、KiryToonShaderの設定をオブジェクトごとに変えようとすると全部やり直しになったりする。なのでボツ。
で、結局デカールマシーン上で一度UVにテクスチャとしてベイクする方法を採用。2つのBlenderロゴは1つのテクスチャになっています。これならば後はEevee上でベースカラーと合成するようにノードをちょっと組めば終わる。アルファとミックスシェーダーを使えば簡単。
KiryToonShaderになじむデカール
完成です。
スペキュラ(白飛びのテカリ)もシャドウもKiryToonShaderの制御なので特に何もしなくてもなじむ。KiryToonShaderにはデカールの色情報をカラーとしてシェーダーミックスして渡しているだけなので当たり前なのだが。
では今回のスクショ。
ロゴが入ってくると華やかになるのでいよいよレースマシンという感じがしてくる。
ただしデカールはテクスチャ扱いなのでFreeStyleでは線画になってくれない。もし線を入れたければCLIP STUDIO PAINTに渡して縁取り作戦しか使えない。はっきり言って手間過ぎるので、それは省略。線画はあくまでもメッシュの境界線を示すためだけに入れることにしよう。
とりあえずプラモデル並には扱えるようになった
今日も地味な進化だが、プラモデルを組み立てて色を塗ってデカールを貼る、という所までは3DCGでできるようになった。
たったそれだけのこと?と思う人もいるかも知れないが、これは色々とハードルが高い。メッシュの表面に別のメッシュを貼り付けて、貼り付け後のUVをテクスチャとして再取得し、ノードでベースカラーとアルファを使って合成する、という結構3DCGの色んな機能を使っているから。プラモデルなら水に浮かせたデカールをつるりとスライドさせて貼り付けて乾かして終わりなのに。
3DCG表現でのデカールってのがくせ者で、メッシュの表面に沿っていなければならないし、シェーダーの光と影とのなじみも重要。
2020/03/17 追記
質感の問題は最終的にはテクスチャとしてベイクしてベースカラーとレイヤー合成などして1枚にしないとCyclesでは扱えない。Eeveeでは動的にアルファを使ってシェーダーミックスできるがCyclesでは無理。だったのだが、よく考えると色同士の合成なのでシェーダーミックスではなくて普通にRGBミックス(ミックス)で普通にCyclesにも色+アルファでミックスで合成してベースカラーに入れることができた。
要はめっちゃ面倒臭いのである。だが何とかできるようになった。
これでデジタルプラモデルはいつでも作れることになった(笑)あとはレンダリングボタンワンクリックでいつものカメラアングルの線画は自動的に手に入る。WIPは作りやすい。
今日も地味に前進。
今回の創作活動は約2時間30分(累積 約1,542時間)
(550回目のブログ更新)