画力がないなら立体を作ればいい

「何を作る」より「どう作るか」を考えたい人

結局はUE4とBlenderのCyclesとの使い分け

(約 4,300文字の記事です。)
UE4を使うのに静止画限定というかなり狭い範囲の話だが、広大な地形を含むワンシーン作りならばUE4の魅力がある。加えてMegascansの活用。だが、物撮りのようなスタジオ環境かつ静止画限定ならばBlenderのCyclesの方が相当早いと言うことに気が付いた。分かっていたけれど、やっぱりそうだった(笑)

MegascansをBlenderに持って行ける

公式動画でも紹介されている様に、Quixel Bridgeから数クリックでBlenderにマテリアル+メッシュをインポート出来る。全く問題ない。手順も簡単。

BlenderからDatasmith経由でUE4へ

これもMegascansアセットと、基本的なPBRマテリアル設定ならばそのままBlenderからUE4に移植される。Blender上で凝ったマテリアルを作っていない場合にはほぼ完璧に移植できた。

ここまでで、少なくともMegascansアセットについてはBlenderからUE4へ、というワークフローは確立された。なのでUE4の公式チュートリアルのDatasmithに関する動画を一通りチェックした。確かに便利な機能がいっぱいある。DCCツールが生きる、それがDatasmithインポートだ。

BlenderとUE4との違いは大きかった

ではBlenderで設定を詰めてからUE4に送れば全てが丸く収まるかというとNoだ。見え方に違いがある。結構違った。

では何が違うかというと、ずばり光の扱いがかなり違う。光の強さ、影の出来具合が決定的に異なる。それ以外の、配置やマテリアル設定は問題が無くても、光の扱いが異なれば当然影の扱いも異なる。また光の扱いに関するパラメーターはBlenderよりもUE4が多いからなおさらだ。

またBlenderのCyclesとUE4とでは、また違う。UE4はどちらかというとEevee側に近いので、そもそも光へのアプローチが異なる。結果、光の強さも影のでき方も両者で異なる。だからBlenderでいくらライト設定を詰めてもDatasmithでUE4に持って行けばまたライト設定のし直しなので無駄ということになる。

光の扱いが両者で異なる

ま、当たり前の話になるが、両者ではレンダラーが違うのだから、どこまでが共通化できてどこからが独自設定になるかというと、最終的には光の処理と影の処理の違いになるわけだ。
で、今回この検討中に両者を触っていて気がついた事がある。まずBlenderから。

Cyclesはいじるべき場所が少ないから楽だし自然で綺麗な仕上がり

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とにかく楽ちんだった。レイトレーシングだから、面倒なことは何もない。現実みたいに、光源の位置と強さ、これを決めれば影ができる。それだけ。後はそれらを調整すれば望みの絵になる。シンプル。とても簡単。だから早い。レンダリング時間も、サンプル数を減らせば数秒だし、出てくる絵はかなり自然。UE4のときみたいに疑似演算が少ないから、自然なのだ。リアルなのだ。

加えてGRSでの操作が早い。メッシュの移動でも、光源の移動でも、とにかく早い。両手で移動操作できるわけだから。

はっきり言って、スタジオでの物撮り撮影の結果が欲しいなら、Blender上でCyclesで撮影してしまった方が早いと思った。背景に何も用意しなければデフォルトでグレーだし。地面影が欲しいなら四角い板ポリでも用意すればいいし、そもそも仕上がりの「物」だけを見せるなら床板すら不要だ。シンプルに光源の配置によって影を制御し、見せたい角度にカメラを設定したら、何度かサンプル数を変更してレンダリングすればいい。どんなに高画質にしても5分以内には絵が出てくる。綺麗だし。

うん、Cycles、いいじゃん。見直した。
ただ、それは1枚の静止画出力だけの話。動画にしようとすると無理。1枚ごとのパラパラ漫画のレンダリングだから、1秒×30枚の画像。無理、さすがにレンダリングが長すぎる上にやり直し回数で倍々ゲームだから。

動画にするならUE4

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UE4は、実はリアルな反射に弱い。Staticに関しては反射キャプチャを使って疑似的な映り込みを与える必要があるし、ステーショナリーであってもスクリーンスペース反射でなければ色々と嘘絵でリアルタイム処理をしているから、細かい所を見れば反射物には弱い。

この点についてはUE4の弱点だ。もし本気ムービーを作りたい人で反射が多いシーンならば、そこだけBlenderのCyclesで動画作りした方がいいと思う。Cyclesは演算コストが高いが反射については仕上がりに文句なし。それだけUE4の反射の扱いは、シーンによって弱点が露呈しやすい部分がある。

ただ、その反射の映り込みを除けばUE4が有利。シーンが仕上がってしまえばメッシュを動かさない限り静止画でも動画でも何度でもリアルタイムでリトライ可能だからだ。また多少の移動でも仮の影などは仕上がりイメージに近い形で表現されているから、最後の最後に本番用のテイクにするまで「ほぼ完成レベル」の質で色々と眺め回せる。

あと、地形エディタと植林ツール。これはBlenderでは無理だから。地形を作って草色や土色を塗って小道を作ったり、そこに小石や倒木をばらまくことで背景を作るってのは、Blenderでは多分大変だと思う。その点はUE4上で作るのがよさそう。Megascansアセットも使えば更にいい。

地形エディタと植林ツールのこの2点があるから、UE4でないとワンシーンメイキングは行き詰まると思ったからこそ、UE4をコツコツ学んでいるわけだが。
逆にず~とスタジオ撮影的な物撮りだけならば、BlenderのCyclesで十分な気がする。

結局、BlenderのCyclesとUE4の使い分けに落ち着く

使い分けようと思った(笑)

小物の製作過程だけを見せるならCyclesでささっと済ます

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ワンシーンではないキャラの小物などはスタジオ撮影的でいいので、Blenderにぽつんと配置してマテリアル設定し、後は見せたいように光源を適当に配置して即Cyclesでレンダリング。これでおしまい。背景も要らなければそのままグレー背景でいいし、地面影なども不要。メッシュの仕上がり具合だけを見せられればそれでいいので、余計な作業は一切なし。光源の制御のみで即レンダリング。これでいいじゃない?

Megascans素材を使うならUE4に持って行く

Megascans素材を使うときには広いシーンになるはずなので、空模様だとか、中近景の作り込みが必要そうなので、きっとUE4のフォリッジ機能が使いたくなるだろうから。どのみちMegascansの利用規約があるのでUE4を使わざるを得ない。


え~と、結局両方とも使うことになるわけですね、ハイ。手抜きしてどちらかだけを学んでそれでおしまいが効率いいと思ったのに、その効率を考えたら逆に2つを使い分けた方がいいことになろうとは……。

3DCGってほんと面倒臭いよね。勉強だらけじゃないか。

Zbrushでモデリングも大変だと思ったけれど、それ以上だ。モデリングから先のステップで見える様にするまでの必要な知識とツールの使いこなし量が半端ない。基礎知識が無ければツールの使いこなしが分かるはずもないし、基礎知識が身に付いても今度はツールの使い方を知らないと問題解決できないし、両方できるようになってようやく試行錯誤が始まるけれど、その過程で出てくる問題も調べないと分からないし、そもそも0~10まで通しで指南してくれる本のほうが少ないし、その本があっても自分が使えるツールでないことも多いし。

3DCGメッシュを使って静止画1枚作るだけでも、モデリング以降でざっとこれくらいはできないと絵を作れない。

  1. UV展開
  2. テクスチャ作りまたはUV調整
  3. マテリアル設定と調整
  4. レンダリング環境への配置
  5. 背景作り
  6. ライティング設定
  7. レンダリング

たとえ物撮りのレンダリングの場合でも省略されるのは背景作りだけだ。他は全部必要。
でUE4だとUE4独自の技術として以下の理解もないとお手上げだった。

  1. ライトマップ
  2. Static, ステーショナリー、ムーバブルの違い
  3. ベイク(ビルド)によって変わるもの
  4. 影と距離の関係(カスケードシャドウマップなど)
  5. グローバルイルミネーションとライトインポータンスボリュームの設定

くどいが、これ、静止画やカメラのみ動くムービーを撮るためだけに必要な知識の話。もしゲームを作るならゲーム特有の項目もどんどん追加される。インタラクティブ性、コリジョン、モーションなどなど。それらをカットしても、このボリュームなのである。

さすがにちょっと疲れた。

とりあえずワークフローは見えてきた

少なくともこれでワークフローはできてきた。

  1. メッシュを作る
  2. UV展開する
  3. テクスチャを当ててみてUV調整、マテリアル完成
  4. 途中経過用のCycles撮影
  5. 1キャラ分完成させる
  6. リグ入れ&ウェイト塗り(ポージング用)
  7. ポージング
  8. 顔に関する書き込み作業など
  9. ポーズ確定後の関節部分の微調整(Blender上)
  10. 完成キャラの配置
  11. Megascansアセットを使った風景作り
  12. UE4にDatasmith転送
  13. 地形作りやフォリッジツール使用
  14. ライティングの設定と調整
  15. ビルド
  16. 撮影

……。長いな(笑)16工程もあるのかよ~。なげ~。使い回しキャラが完成しても7~16までの10工程がワンシーン構築ごとのルーチンになる。長い、長い長い。ちょっとやそっとの思いつきではやれないレベルだ。




3DCGってハードル高いな。
心は複雑骨折です。




今回の創作活動は約2時間30分(累積 約1,429時間)
(504回目のブログ更新)