画力がないなら立体を作ればいい

「何を作る」より「どう作るか」を考えたい人

髪を作る方法の模索(第2回 コラム回)既定の髪を見飽きた

(約 3,300文字の記事です。)
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第2回目にしていきなりコラム回です(笑)今日は時間がないので思ったことをつらつら書くだけです。

アニメキャラ作りなのになぜリアルから髪を学ぼうと思ったか

普通の人が考えれば、アニメキャラならばアニメの絵を見て立体化すればいいじゃん?って思うよね。私もそう思っていた。だが、沢山のアニメ絵とフィギュア造形を眺めて思ったこと。それは、

人の髪型って、そんなんだっけ?

ということだった。アニメキャラの髪型には特徴がある。それはキャラを個性付けるために色以外で形に配慮している。髪型をデフォルメした結果である。またアニメならではの事情で、作業工程の簡略化などの都合もあるだろう。いずれにせよ、立体造形とは無縁の理由によって作られた絵がアニメ絵であるわけだから、それを直接立体化するには無理がある。

なお、アニメ絵やセルルックの絵であっても画力の高い原作者や原画マンならば、3方向から見て立体的に破綻していない絵を描ける人も沢山いる(と思う)。で、それを忠実に再現するのも、それは一つの才能だし、凄いことだと思う。認める。

だが、そうでない場合も多い。そうなると作り手の想像力がすなわち造形力に繋がる。ここがフィギュア造形師の腕の見せ所かも知れない。

アニメキャラの髪型を見飽きた

実はこれである。金太郎飴的な、記号としての髪の表現に、見飽きたとも言える。バナナを被ったような形、あるいは野球のグローブを被ったような造形、なんというかテンプレ的というか、見飽きた。一方で作り手の立場に立って考えると、ある意味安心で外れがないから、それに頼りたくなるのはよく分かる。前髪と後ろ髪を分けて、境界線を横髪の毛束で隠せばいいというオーソドックスなスタイルが、鉄板であり、安心・安定でクレームも少ないだろう。それについてとやかく言うつもりはない。

だが、私はそれを見飽きた(笑)

ある意味、無個性とも言えるのではないか?とも思ったのだ。もちろん原画・原作に忠実に立体化するほうが優先されるならば四の五の言ってられないから、それはそれでいい。クライアントの要求を満たす仕事が出来ることは立派だからだ。

では趣味では?オリジナル造形では?許可された二次創作ならば?それでも忠実な立体を作りたいのか?と言われると、ちょっとわからない。

リアルな髪型とアニメの髪型との隔たりの大きさの違和感

もちろんアニメ顔が既に頭蓋骨レベルで破綻していて、一種のデフォルメ表現になっていることは周知の通りだ。これについては過去にお絵描きしていた時代にかなり考察して結論も出ている。

一方で、首から下の表現は、アニメ、3DCG、いずれの場合でもかなり現実的だ。肉感の表現なども含めてかなりリアルだ。手足の比率についてはほぼ正確だろう。若干足長が強調されている程度か。

では髪型は?

これについては「どちらにも振れる」というのが正解な気がする。デフォルメ化してもよし、手間暇を惜しまなければリアル路線でも別に問題はない。私はむしろ、髪の表現はリアル寄りの方がドキッとする。表現力に説得力が出る気がするのだ。あくまでも私の主観。ねんどろいどでもない限り、毛束は細かいほど繊細な表現になると勝手に思っている。もちろん3Dプリンタとかリアル造形の問題はあるので、フィギュア造形については深くは触れない、実際によく分からない。あくまでも見た目だけの話。

私もそうだったのだが、何となく既存の髪型をまねしてみて、ぼてっと毛束を置いてみて、なんとなくそれっぽくなったからそれでOKとしていた。

だが、リアルな髪型を見ると、どうもだいぶ違う。髪の毛の生え方、流れの作り方が、自分の知っているアニメヘアーとは、根本的に違いすぎる。ここに今までの違和感を感じた。

アニメ絵を見て、先達の造形を見て、それをまねしても、表現の限界が早いな、と。なぜならば、それらの模倣でしかなく、観察と表現とデフォルメではないから、模倣を超えられない。観察対象が既にデフォルメ状態なので、オリジナルに迫ることすら出来ない。

ではオリジナルとは何か?

ずばり美容師やスタイリストが作った髪型、これがオリジナルということになる。

ミケランジェロの彫刻など、どんな材質を彫っても、表現の基礎は「現存するものの模倣による立体化」だと思う。それプラス想像で、ユニコーンでもいいが、馬の表現が基礎になっていることは間違いない。見たこともない地球外生命体なら、自由に作ればいい。だが、何かしらの形を模したものならば、その現存するモノの表現力が基礎になる。これは誰しもが納得することだと思う。

で、再び髪の毛。

うん、やっぱりリアルな髪の観察と模倣なしには、デフォルメした髪型の表現はできない気がする。人の作ったデフォルメ髪の模倣ならば出来るが、個性は発揮できない。個による創意工夫ができないから。スタート地点が既に他人の作ったデフォルメ形状だからだ。もし他人の作った「オリジナル形状(スタイリストが作ったリアルなヘアースタイル)」ならば、それを観察し、模倣し、そこから工夫してデフォルメすればその表現が「個性」になる。だが他人の作ったデフォルメヘアーというデフォルメ表現をさらにデフォルメしても、オリジナルのリアルヘアーから遠ざかるだけで、デッドコピー、粗悪なコピーに過ぎない、とも言える。必ずしも全てそうだとも言い切れないけれども、どこかで見た何かっぽいよね?と言われるとぐうの音もでない。あるいは違いを必死に説明することになる。だいぶ個性的とは言えない。

もちろん、アニメっぽい造形のアニメっぽい髪型を作ることが目的ならば、アニメっぽい造形の髪を作ることが目標なので、それはそれでいい。私が目指すのは、そうではない表現でデフォルメした髪を作るためには、どこから出発するのがいいのか?ということであって、アニメ髪の模倣を否定しないし、現状の確立された手法を否定するものではない。あくまでも個人的に、それ以外の作り方を模索しようとすれば、どうすればいいのか?を考えているだけ。

オリジナルの観察と模倣

端的に言えば、リアルな髪型(の写真)を観察して、Zbrushで模倣し、それをアニメっぽく自分なりの解釈で「デフォルメ」することで、ようやくオリジナルな髪を作れる、と考えている。デフォルメの模倣ではない、オリジナルなデフォルメの髪を作れる、と思っている。

なので、やっぱりコツコツとリアルな髪型の観察とZbrushでの模倣を繰り返してみたいな、と思った次第。

何かを始めるに当たって、モチベーションの確認は重要。これがないと辛くなったときにすぐに挫折する(笑)

挫折が悪いわけじゃない。次へのチャレンジのきっかけになる。だが続けたいと思う意思をくじくリスクもある。なのでスタート時のモチベーションの履歴は、割と重要。

おまけメモ

現状でリアルヘアーを観察したところ、頭皮側のベース層、一番上のトップ層、それらの中間のミドル層があるな、と感じた。もっと簡略化すればベース層とトップ層の2層だ。で、各層の「毛の長さ・流れ(方向)」が異なる。なのでリアルヘアーでは、最低でも2層構造だと言える。一方でデフォルメヘアーを見ると1層だ。ここに何かしらのヒントがある気がする。
気がするだけ(笑)でもこれをブレークスルーできれば、ヘアースタイル表現の革命(笑)ができるかもしれないね。あくまでも予想。


今夜はここまで。コラム回でした。



今回の創作活動は約45分(累積 約1,237時間)
(440回目のブログ更新)