(約 7,200文字の記事です。)
バージョンナンバーなどが更新されている可能性が高いので、バージョンナンバーは現在の最新版のものに読み替えて読み進めて下さい。
ZbrushとBlenderとを連携させるGoBアドオンのインストール、再インストール方法です。
Windows版のみの解説です。Macユーザーは参考情報としてご覧下さい。
- 更新履歴
- まずはアンインストール
- GoBの元データをDL
- GoBの正しいインストール方法
- Zbrush側へのインストール フォルダをコピペする
- インストーラの実行
- GoZにBlenderパスを指定する
- 動作確認
- 細かいTips情報
- 最後に
執筆当時の環境はZbrush 2020.1.4、Blender 2.83.1、GoBアドオン Ver.3.3.12です。バージョンが変わっている場合には適宜バージョンナンバーを読み替えて下さい。
更新履歴
2020/07/05 記事の内容を今の最新版に修正。
2020/06/19
一部の記事が長い(というか冗長)だったので削りました。
またVer.3.3.9安定版が公開されたことに伴い、古いVer.3.2.5以前の情報を削除しました。
2020/05/17
GoBプラグインの潜在的な?内在する?バグを回避してZbrushとBlenderとの連携をほぼ理想的にできるようにした支援ツールを開発しました。
Zbrush用プラグイン「GoB アシストツール」です。こちらを利用することでZbrushとBlenderとの往復が最短かつ最高の効率に!
ZbrushとBlenderを連携させるZbrush用プラグイン「YT GoB アシストツール」(Windows専用) - YAMATO Tools - BOOTH
まずはアンインストール
もし初めてGoBをインストールする人は読み飛ばして下さい。
【重要】Blender側の古いGoBを完全に削除する
私はこれにハマりました。ベータテスター中に溜まった古い情報が削除されずに残ったため、何度「正しいインストール手順」を実施しても当時Ver.3.3.9が正常にインストールされなかったのです。「重要なのは、きちんと綺麗さっぱり削除すること」だったのです!
- GoBを検索
- チェックをOFFにする【重要】
- 削除ボタンを押す
チェックOFFしてから削除ボタンを押すという順番が重要。逆にすると削除されないファイルが出てくる(らしい)。
削除ボタンを押した際にエラーが出た場合にも、残存ファイルがあるらしいのでBlenderを再起動後にもう一度上記手順を実施してGoBが残っていないか確認。
残っていなければ完全な削除完了です。
Zbrush側(基本的に頻繁に入れ直す必要なし)
Zbrush側のアンインストール&再インストールは、頻繁には不要です。Zbrush自体がアプデしたり、どうにも挙動がおかしい場合にBlender側のアドオンの入れ直しで解消しない場合に試せばそれでOKです。一応手順としては残しておきますが。
C:\Users\Public\Pixologic\GoZApps
このフォルダ内のBlenderフォルダを削除。
Macintosh版は
/Users/Shared/Pixologic/GoZApps
らしい(公式マニュアルから引用)
で、一度ZbrushもBlenderも終了させて下さい。
では、改めてインストール方法です。
実はDLサイトのマニュアルを読め、以上、なのです(笑)が、いくつか罠があるのでそのポイントについて丁寧に解説することにします。
GoBの元データをDL
GitHub - JoseConseco/GoB: Fork of original GoB script (I just added some fixes)
下の図のようにDLして下さい。今はVer.3.3.12ですが今後も更新されるでしょう。
私のオススメは安定しているVer.3.3.8です。
GoBの正しいインストール方法
- DLしたZipファイルをどこか適当な場所に一度解凍する
- 解凍してできた「GoB-GoZ-Blender_28」フォルダのフォルダ名を「GoB」にリネームする
- リネームした「GoB」フォルダを右クリック>送る>圧縮(zip形式)フォルダ、で再Zip化する(お好みの圧縮ツールを使ってもOK)
- これでGoB.zipファイルが出来上がるし、その中のフォルダも当然GoBフォルダになっている
- あとはそのGoB.zipファイルを使ってBlenderにアドオンをインストールする
when you download addon. Both zip file and first folder inside should be named: 'GoB'
(アドオンをダウンロードしたらzipファイルとその中の最初のフォルダーの両方を「GoB」という名前にするべきです。)
この作業は、要するにzipファイル内の最上位のフォルダ名を「GoB」にする作業です。普段お使いの圧縮・解凍ツールで直接最上位のフォルダ名をリネームしても構いません。
再圧縮した「GoB.zip」を使ってBlenderにインストールする
後は慣れたインストール方法です。Blenderの編集>プリファレンス>アドオン>インストールボタン、をクリックし、作成したzipを指定してインストール。
現れた「Import-Export: GoB」のチェックボックスをONにするだけです。
パスがこのようになっていれば成功です。マニュアル通りのパスになっています。
画面の右上にこのようなボタンが出ていれば成功。
ボタンの文字ありなしはプリファレンスのここをON/OFFすれば出てきます。
プリファレンスの保存を行ってから、一度Blenderは終了させます。
GoBアドオンの頻繁なアプデの対応方法
実はBlender側のアドオンを更新するだけでOKです。Zbrush側でアプデなどしていなければZbrush側への毎回の再インストール作業は不要です。
ただし挙動が不安定だと思ったら念のためZbrush側でも再インストール手順を実施すれば間違いないでしょう。トラブルシュートとは「まさかこれか?」を探り当てる地道な作業なので、不安要素があれば一つずつ確実に試すべきです。
Zbrush側へのインストール フォルダをコピペする
次にZbrushにGoBをインストールします。
コピー先のフォルダを開く
C:/Users/Public/Pixologic/GoZApps
Macintosh版は
/Users/Shared/Pixologic/GoZApps
らしい(公式マニュアルから引用)
次に、先ほどDLして展開したzipフォルダの中身を表示させ、その中のBlenderフォルダをコピーし、GoZAppsフォルダに貼り付ける。
インストーラの実行
バージョンナンバーなどが更新されている可能性が高いので、コピペする際にはバージョンナンバーの部分を修正して下さい。
C:\Program Files\Pixologic\ZBrush 2020.1.4\Troubleshoot Help
ここにある「GoZ_for_ZBrush_Installer_WIN.exe」を実行する。
で、一度完了したら念のためもう一度「GoZ_for_ZBrush_Installer_WIN.exe」を実行する。
私の環境ではなぜか1回ではいくつかのファイル内容が更新されず、2回行ったら正しく書き換わったという珍事件が起こったので。深く考えずに2度実行しよう。
完了したらZbrushを起動させます。
GoZにBlenderパスを指定する
起動後、環境設定>GoZ>path to Blenderをクリック。
しばらく待ちます。
その後、ウィンドウが表示されるのでBrowse...ボタンをクリックし、Blender本体のある場所を指定します。例えばこう。
バージョンナンバーなどが更新されている可能性が高いので、コピペする際にはバージョンナンバーの部分を修正して下さい。
C:\Program Files\Blender Foundation\Blender 2.81
自動検索でヒットしたパスのボタンを押すか、またはブラウズボタンで手動でパスとBlender.exeを指定してOKボタンをクリック。
後は環境設定を保存して、これで準備完了です。
が、念のためZbrushを終了し、再起動させましょう。
動作確認
ZbrushとBlenderを再起動させます。(起動の順番は関係ないです。)
Zbrush側でテスト的なメッシュを作る
お好きなメッシュを作ります。ここではテンプレのDogを開いただけ。
GoZボタンを押してBlenderに送る
Blender側でスイッチをONにする
説明を分かりやすくするために、まずはBlender側のキューブなどは削除してビューポート内を空にしておきましょう。その方が分かりやすいため。
そしてImportボタンをONにする。
直後にDogが表示されたと思います。
GoB Ver.3.3.12ではここをオンにするとボタン+文字名にできます。
Blender側でスイッチをONにできない!
(2020/07/05追記)
あなたはおそらくそのPCで、そのZbrushで初めてGoZ機能を使おうとしたはずです。そしていきなりBlenderのそのボタンを押したと思います。仕様によってボタンがONになりません。
その場合は、実は「まずはZbrush側でGoZボタンを押す」必要があります。それによってGoZ機能が初期化され、外部ソフトでもGoZ機能を利用可能になります。
例えばテンプレのDogを選択してGoZボタンを押します。
すると上記のようにBlenderのスイッチをONにできるようになります。
直後にDogが表示されたと思います。
以後、PCを入れ替えたりZbrushを入れ替えたりしない限りは正常に動作します。もしおかしいと思ったら「まずはZbrush側でGoZボタンを押す」ことから始めて下さい。
初心者でもこの罠にはまらないように、動作確認手順の記載順序をZbrushでGoZ、次にBlenderにインポート、の順に変更しました。以前は逆に書いていたので初心者がこの罠にはまったようです。罠の存在自体に気付きませんでした(笑)
今は記事の通り上から読んでZbrush、Blenderの順に操作すれば、以後はPC入れ替えやZbrush再インストールしない限りはImportボタンは操作可能になります。
(技術情報)
C:\Users\Public\Pixologic\GoZBrush
フォルダ内の「GoZ_ObjectList.txt」というファイルはGoZボタンを押すと自動で生成されます。が、過去にGoZボタンを押していないとこのファイルが作成されません。一度作成されてしまえば後は上書きで利用されていきます。これを作成させるために、利用開始時の初回だけ、Zbrush、Blenderの順でGoBアドオンを動作させる必要があります。(最初から中身が空のテキストファイルをインストールしてくれればいいのにね。そうなっていないのには理由があるのかどうか、よく分からない。)
(追記終わり)
Blender上でメッシュを変形させる
編集モードで適当に変形させます。変形が終わったら、エクスポートボタンを押します。
正常ならZbrushが開いて変形済みのメッシュが表示されます。
以上で動作確認終了です。
細かいTips情報
ZbrushのGoZボタンの隣のAllは全てのサブツールをBlenderに転送します。Visibleは文字通り、可視状態のサブツールのみを転送します。
で、ZbrushからBlenderへはそれでもいいのですが、複数のメッシュをBlenderからZbrushに戻すのは、ちょっとバグがあるっぽいのです。Blenderで複数指定したメッシュはZbrushに読み込まれる際に1サブツールが1ツール(サブツールではない)として読み込まれます。なのでツールがごちゃごちゃになります。いちいち元のツールに移植し直さないと一番最初の編集状態になりません。面倒すぎて、正直、使い物にならない。
なのでGoBは基本的に1つのサブツールをBlenderとZbrushとで往復するためにだけしか使えないと考えた方がいい。使いにくすぎる。
テンプレのSoldierを使って試すと分かりやすいです。
挙動がおかしい
じつはこれがGoBアドオン+GoZ機能の最大の問題点。挙動が不安定なのだ。Zbrushに戻るツールが変わったり、一部のサブツールのみが上書きされたりとバラバラで安定しない。特に複数オブジェクトをZbrushに読み込むと必ずバラバラになる。と思いきや一部のサブツールは1つの別ツールに入ったりする。混乱。
(2020/05/17 追記)
というわけでGoBアドオンをきちんと動作させるためのアシストツールを開発しました。
ZbrushとBlenderを連携させるZbrush用プラグイン「YT GoB アシストツール」(Windows専用) - YAMATO Tools - BOOTH
これでほぼ完璧にZbrushとBlenderとのサブツールの往復が可能です。サブツールが置換されるので余計なサブツールやツールができません。
使い方記事はこちら。
ZbrushとBlenderを連携・同期させる「GoBアシストツール」の使い方 - 3DCGで何をどう作るか考え中
最後に
2020/07/05 追記
最初はバグが多かったGoBもVer.3.3.12になって格段に安定性が向上した。たくさんベータテストやバグ報告に協力したのです(笑)
さらにGoBアシストツールと組み合わせて使えば理想的な挙動になります。GoBアドオンの可能性を感じたらぜひGoBアシストツールのご利用もご検討ください。
ZbrushとBlenderを連携させるZbrush用プラグイン「YT GoB アシストツール」(Windows専用) - YAMATO Tools - BOOTH
今回の創作活動は約2時間(累積 約1,222時間)
(431回目のブログ更新)
筆者はAmazonアソシエイト・プログラムに参加しています。(AmazonアソシエイトとはAmazon.co.jpの商品を宣伝し所定の条件を満たすことで紹介料をAmazon様から頂けるという大変ありがたい仕組みのこと。)
以下のリンクを経由してAmazonで何かを買うと1~3%ほどのお小遣いが私に寄付されます(笑)
- 作者:シゲユキ, 伊丹
- 発売日: 2020/09/01
- メディア: 単行本