画力がないなら立体を作ればいい

3DCGでワンシーンメイキング(オリジナル小説の挿絵作り)

モデリング結果は色々と残念だったのでZbrushワークフローの見直し

(約 4,300文字の記事です。)
色々あってアズレンのU-556の「靴だけ」をモデリング練習してみようと思い立った。ちなみにアズレンというゲームはやったこともないです(笑)予定もないです。。。
靴だけです。体は作りません。


まずは下書きモデリング

これは30分くらいで完成した。

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細かい所のバランスを調整して、合計で1時間ジャスト。

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だいたいイメージ通りの立体になった。ではこれを半透明にして下書きを透かしてみた状態からローポリモデリングを進めてみる。

ローポリモデリングでコレジャナイ

で、なんやかんやで1.5時間かかってこうなった。

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面はきれいなんだけど、なんだかコレジャナイ感が爆発している。筋彫りがないとかそういう問題じゃない。何か違う。力尽きてヒールの部分は下書きモデリングの流用です。

ローポリ+クリース+ダイナミックサブディビジョンで面自体は滑らかカーブとくっきりはっきりエッジでできている。踵部分はイメージ通りのカーブできちんと仕上がった。だが、足の甲の部分の作りが雑すぎる。丸まったお菓子がくっついているようだ。くるぶし付近に至っては手抜き感がダダ漏れである。なのに1.5時間もかかっている。時間がかかった割にショボい。つまり、誰得?挫折感だけが残る。

Zbrush中級者ぶってこれである。初心者に格下げである(笑)人に指南している場合じゃない、ということで。

ハイポリでもブラシに慣れると短時間で面の荒れを防げる

スカルプトリスプロモードで下書きモデリングをしている。ごく普通のブラシで盛ったりムーブしたり平らにしたり。もちろん当プラグインのパレットナイフやカーブナイフも使っている。切り取るにはナイフシリーズが最適。

Zbrushを便利にする色々なプラグイン「YT Misc Tools」 - YAMATO Tools - BOOTH

本当に粘土をこねたりナイフで切っている感覚。修正も直径が大きめのムーブで移動させればバランスを保ったまま変形させられる。何も難しいことはない。多少の歪みも気にしない。とにかく全体のバランスを見るために形にする必要があった。そのついでにペイントブラシで筋彫りポイントに線を引いてみる。そして再びバランス取り。気まぐれにポリペイントからマスクを作成して反転、逆インフレートで溝を作ってみた。

ここまでで結構満足感があった。あとはこれに沿ってローポリ化すればつるんとした綺麗なモデルが出来上がるぞ!と意気揚々とラフモデリングからスタートしたわけだが、ここで落とし穴が。

細かい構造の表現がうまくできない

ローポリ+ダイナミックサブディビジョンは、操作可能な頂点数が少ない代わりに滑らかな面を作りやすい。あるいはクリースをかけてきっちりエッジを立てられる。その代わり、細かいグニャグニャカーブは作りにくい。というか制御不能になることが多い。その結果、足の甲の付近の表現が死んだ。これがコレジャナイの原因だ。

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下書き造形で超ハイポリで理想の形を作れるならばハイポリ→ローポリのワークフローを模索しては?

そう思ったのだ。確かに既存のZbrush書籍ではローポリ→ハイポリのアプローチが多い。なのでついついその方法が正しいと思い込んでしまう。オーソドックスなモデリングスタイルだからだ。だがZbrush2019のZRemesherはそれをひっくり返せるほど強力だ。これを上手く活用すれば、トポロジをほとんど意識せずにその辺は全てPC演算に任せて、待っているだけでつるんとした綺麗なローポリモデルが手に入る。

今回の件で再び思い出したのは、ローポリモデリングは独特なので経験値を積まないと上手くモデルに仕上げられない。そして直感的な作り方でもない。なのでストレスが溜まる。だからなんとかしてローポリモデリングのノウハウなしに、結果だけローポリ化したモデルを作れないかを考えてみることにした。

Zbrushは厚さを保ったままの変形が苦手

Zbrushは、一度厚みを作ってしまうと、そこからの曲げ変形などでは厚さが破綻する。なので、最後の最後にしか厚み付けできない。これは結構厄介だ。なので、最後に厚み付けするか、簡単に厚み付けをし直せる仕組みかのどちらかが必要だ。前者の場合だと、直前まで板ポリと格闘することになる。そしてやり直せない。なので、後者の可能性を探る必要がある。


厚み付け方法はざっくり2通り

1つめは、ZModelerでExtrudeやQMeshで押し出す方法。特にローポリからだと綺麗に作れる。面同士が鋭角に折れ曲がっていると自己交差したりすることもあるため、要注意。ダイナメッシュすればいいだろうけれどそうするとトポロジが全滅する。

板ポリの操作は結構面倒で、特に最外周のエッジはほとんど1つずつ手動で移動させることになる。だから手間と時間がかかる。それでも厚み付けしたらもう変形させられない。厚みが変わるからだ。厚みを保ったままの変形はかなり気を使う。なので更に時間がかかるが、それでも厚みが一定である保証はない。結局、厚み付けの均等化の作業が発生することもある。だから全然進まない。

また、ハイポリだと上手くいかない場合もあり、曲げ部分のポリゴンがとげとげになるとか。それはちょっと手の込んだ方法で解決できるらしい。でも試していないのでご紹介は省略です。本当に有効かもまだ分からないので。

2つめは、領域をマスクしてから抽出(Extract)機能を使う。サブツールウィンドウの最下部にある折りたたみパレットにある。これならばほぼ自己交差もなく、トポロジもほぼ維持された状態で厚み付けされる。おまけに前後面にそれぞれエッジクリースがかかる素敵仕様。ダイナミックサブディブとの相性がいい。

クリースの効いた厚みのあるメッシュはZRemesherで割と綺麗に形になる

クリースをキープさせたりエッジを検出させたり、色々試してみると、割と綺麗に形が残ったままローポリ化できる。これが今のZRemesherの力だ。

パレットナイフやカーブナイフでもZRemesherが上手く働く

このナイフは断面に新たなポリグループを作ってくれる。なのでZRemesher時にその境界線を考慮してリトポしてくれるので、割と面が綺麗に出るようになった。これも使おう。

厚み付け(番外編)

IMブラシでメッシュの表面に沿ってブラシをぺたりと貼り付ける方法。これでも厚みができる。ただし形状の調整には限界が有り、IMブラシ自体の作り直しと貼り付け直しの往復が必要にあることもある。だが何度でもやり直せるというメリットもある。またブーリアン減算で彫り込みもできる。IMカーブブラシも使える。応用範囲は広いが知識も必要になる。この方法は将来的に使う予定だが、今回は割愛。

鋭いエッジのほとんどは、実は厚さ由来の造形では?

今回の靴にしてもそうだ。足の甲周りの細かな造形は、足の甲の上に厚みのあるパーツ、足首周りにはV字の切れ込みが入ったU字形状のパーツ、その正面には楕円状?半円状の縦長パーツがある。これらはエッジの形状に細かな特徴があるが、どちらも一定の厚さのあるパーツになっている。

だったらハイポリの元形状に、丁寧にマスクブラシで形を作り、そこから抽出で厚み付けしてからZRemesherでローポリ化すればいいのでは?

まさかの下書きモデリング→ローポリ化が最短・最速のワークフロー?

そういうことになってしまう。下書きモデリングをパーツの数だけ複製し、パーツごとに不要部分をナイフ類で切り取る。あるいはベースとなるメッシュ表面にマスクで丁寧に形を作り、そこから抽出で厚み付けする。ベースメッシュの表面を変更すると曲げ部分のRを変更できるし、そこから再びExtractで厚み付けができるのでやり直しできる。しかもペイントブラシで形を描いておけば、そこからマスクを再生成させられる上に、ALT+ペイントブラシで消しゴムもすぐにかけられる。つまり簡単にマスク範囲を復元及び修正できる。結果、厚み付けパーツはいつでも簡単に作り直せる。

で、そのパーツをZRemesherで理想のローポリパーツに変換「できたのであれば」、それで完成だね。筋彫りなんかは最後と相場が決まっている。IMカーブブラシとブーリアン減算で筋彫りすればローポリパーツのままで最後の直前まで作業できる。基本となる造形の変更も簡単だ。彫り込み用のメッシュの修正も必要だが、ハイポリで筋彫りし直しよりは被害が少ない。

次回試してみる

というわけで、次回はこの靴の作り直しからスタート。理想に近い下書きモデルが本当にZRemesherで綺麗なローポリになってくれるのだろうか?理想の形のパーツになってくれるのか?カーブブラシで筋彫りができるのか?色々試したい。いける予感はあるけれど。これができれば私にとってのZbrush造形のワークフローがとても直感的になるので好ましい。

ついでに言うと抽出に関するプラグインも作りたい。デフォルトだと不便な点が多い。

次回をお楽しみに。


今回の創作活動は約3時間(累積 約910時間)
そのうちモデリング作業 約2時間(累積 約151時間)
(311回目のブログ更新)