画力がないなら立体を作ればいい

デジタル箱庭クリエーターを目指す小さな足跡

Zbrushのポテンシャルを引き出したかった

(約 2,800文字の記事です。)
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短い間に突っ走った間がある。寝ても覚めてもBTCのことばかり考えていた日々。今日、ようやく本当の集大成としての形が実現できた。少しだけ回顧録。
どちらかというのただの日記です。

密度の濃い時間だった

本当にどっぷりとZscriptに浸かりきった日々だった。何が出来て何が出来ないのか。所々誤記のある公式リファレンス。変数が使えない謎の関数。文字は取得できるのにサブツール名は変更させられない謎仕様。マウス位置は取得できるのにマウス位置を指定できない謎仕様。色々ある。ヘンテコな言語だった。

Zbrushのポテンシャルを引き出したかった

Zbrushは有機物の造形が得意だ。だが、それ以外が弱い。ろーぽりでかっちりした造形もできるのに、それをサポートするツールが少ないから、結局はZbrushは人物造形のような柔らかにもに使われることが多い。これが嫌だった。確かに分かる。美しい造形、肌の質感、色々あるだろう。だが、もっとローポリのかっちりした物も作れるのだから、何とか上手く使ってローポリとハイポリのいいとこ取りをした効率的な造形ができないか、いつも考えていた。

左右対称は一つのメリット

コンピュータなのだから、半分作れば残りが出来上がる。手間が半分だ。Zbrushにはディバイドやダイナミックサブディビジョンなど、手間を減らして見栄えを良くする機能がある。

スカルプトリスプロのように適当に自由に直感的に造形できる工面もあれば、Zremesherによる左右対称を保った自動リトポという強力機能もある。Zmodelerは使いにくいが、これでローポリ作業ができる。

だが、どこか分断されているのだ。特定の機能同士が遠い。だから消去法で有機物を作るのが最適、となり、いつのまにかそういう使い方が多くなっているのだな、そう感じた。

もっと自由に、もっとハードに、もっとかっちりと、もっと滑らかに

これがそもそものBTCプラグインの着想のきっかけみたいな考え方である。ローポリなのにつるんとした造形。なので自分にはローポリ造形が合っているのだろう。だが、細かい表現も欲しいときもある。何よりも、直感的に作っていきたい。目的と手段が入り交じるような創作時間は無駄だなと感じていた。

その中のもっとも大きなストレスが、左右対称編集に戻れないことだった。
ちょっとでも傾けて配置したらおしまい。レイヤーズ機能は制限事項が多すぎて使い物にならない。なんなんだこれは?アナログ作業がデジタルになっただけじゃないか。何にもメリットがない。

ずっとそう思っていた。

で、あるときふと思い立って、マクロで自動化できないか?と思うようになった。PCならではである。楽できる。これなんだ。3DCGは手間がかかるが、それは造形のための手間なのか、ソフトに人間が使われるための無駄な時間なのか、いつも考えていた。ほとんどの場合は、ソフト側の変な都合であることが多かった。

だったら使いやすくすればいい、そう考えた。Zscriptを知ったのだった。もっとも、マクロも結局はZscriptと同じだったということに後から気付くのだが。

手段は少ないが可能性は残っていた

リファレンスを読みまくって、何が出来て何が出来ないかを知った。その中で、できそうなモノを組み合わせて実現可能かどうかを判断した。今回はいける予感があった。だが、実装は結構大変で、配列を2重3重に使っている。幸い、最初の設計時点で小分けにパッケージ化できるようにしておいたのでまだマシだったが、それでも途中でスパゲッティープログラムになりかけた。集中力不足で変なミスに気づけないことも。それで数時間浪費したことも。出来上がってしまえば笑い飛ばせるようなちょっとしたこと。カギ括弧、二重引用符、ゼロの書き忘れ、……。そんな1バイトに翻弄された。

不可能が可能になった瞬間に立ち会えた喜び

恐らくは世界で初めての瞬間だったのだろう。あとから感じることになるかもしれないが、出来そうだと思ったことが、現実に出来るようになった。欲しかった機能が、ようやく手に入った。3DCGでモデリングの凄く出来る人はたくさんいるだろうが、凄いプラグインを作れる人は何人いるのだろう?全くへそ曲がりなトライの結果、とんでもないモノができたと思っている。変な物を変なレベルで仕上げてみた。きっと変な運命をたどるのかもしれない。

基本形は恐らくこれで完成だろう

これ以上シンプルに出来ない。5ステップ未満というのはだいぶ凄いことだと思う。そこまで圧縮するためにたくさんの工夫がBTCに込められている。人は使いやすく、複雑な物は全てPCに任される。これが基本コンセプトだ。だから、人がやらないといけないこと以外はなるべくPCにやらせるように実装している。最小の手間で最大の効率を。これもコンセプト。

現状、サブツール名と回転情報との紐付けは最短距離だと思っている。3次元情報を2軸設定と中心点から得ることも、最小の手間だろう。後はクリックするだけだ。上下反転や前後反転もワンクリックだ。移動もワンクリックだ。これ以上圧縮でいる工程が逆に思いつかない。

なので後は、少しずつマイナーメンテするくらいで、安定動作が続くだろう。このツールがZbrushユーザーの鉄板になることを祈っている。そして他に変わりの無いツールだと思うし、変わりを探す必要が無いほどに洗練させたつもりでいる。なにせ私が面倒くさがりなのだから、最小の手間を追い求めることには余念が無い。なのにこんな面倒なことをしてツールを開発してしまうのだから理解されない存在なのかもしれない。そして私も私が良く分からない(笑)

便利なんだからしょうがない

恐らく一度BTCのVer.2系を使うともう手放せないだろう。これで数秒で出来ることが、手作業だと5分以上かかるからだ。集中しまくった5分間と、鼻くそほじりながらクリックしたワンクリックとがイコールになってしまう世界。それだけ価値のあるツールである。知恵の力で時間と労力を生み出すのだ。これもまたデジタルの強み。デジタル同士の強さを生かして、いいものが世にたくさん出れば幸せになれるだろう。そんな世界を見てみたい。

というわけでBTC開発者の微妙な日記をここに記して本日終了です。

Zbrush用プラグイン「Back To the Center」(斜め配置と原点配置とを往復可能) - YAMATO - BOOTH

今回の創作活動は約15分(累積 約750時間)
(177回目のブログ更新)