(約 3,000文字の記事です。)
前回の記事で、ハードサーフェスでもZmodelerでモデリングしようという結論に達した。その記事を書いている中で、やっぱりFusion 360のレンダリング画像は綺麗だと思った。Keyshotに手を出す前に、今一度Fusion 360の活用方法がないか考えてみた。かなり使い道を選ぶ方法だが、私にとってはFusion 360の活用の可能性を見出せた気がする。3DCGジオラマ環境作りに使えるかもしれない。
- ZbrushのメッシュはFusion 360で綺麗にレンダリングできた
- Keyshotへの苦手意識
- Fusion 360は簡単レンダで高品質
- CGジオラマを作るのが目標
- 今回気付いたこと
- しばらくはFusion 360は続投
- ZbrushのメッシュはFusion 360で綺麗にレンダリングできた
- Keyshotへの苦手意識
- Fusion 360は簡単レンダで高品質
- CGジオラマを作るのが目標
- 今回気付いたこと
- しばらくはFusion 360は続投
Zbrush練習の教科書はこれ
ZbrushのメッシュはFusion 360で綺麗にレンダリングできた
前回の記事の検証では、確かにFusion 360自身が出力した三角ポリゴンのobjファイルは、Fusion 360に再読み込みさせたときに変なレンダリング結果になった。しかし、Zbrushが出力した四角ポリゴンのobjファイルは、メッシュ状態のままでもFusion 360のレンダリングが綺麗にできた。Fusion 360内で作ったソリッドモデルと違いがない。
作りかけの習作モデルをFusion 360にobjでインポートして色つけ&レンダリング。
本物のフィギュア人形をスタジオ撮影したかのような仕上がり。レイトレーシングレンダリングだけあってリアル。光沢の映り込みは天井のスタジオ用ライトボックス(白)ですね。
肌と髪はつや消し、他は艶あり。やっぱりFusion 360のレンダリング画像は美しいね。
なお、Fusion 360ではポリペイントはできない。べた塗り・パターンテクスチャ付きべた塗りかデカール貼りだけ。シンプルでいい。
Fusion 360を学ぼうと思ったきっかけが、そのレンダリング画像の美しさだっただけに、この魅力は私にとって重要。今回の検証結果は一つのワークフローのヒントになった。
Keyshotへの苦手意識
ZbrushでモデリングしてもKeyshotがなければ綺麗なレンダリング画像を手にすることができないはず。別にフィギュアを作るわけでもない。静止画イメージで鑑賞できる3DCG作りができればそれでいい。だからそんなにハイポリでなくてもいい。とにかく簡単にリアルになってくれれば。
だがKeyshotは公式マニュアルを見る限り、かなりプロスペックな仕様。環境の演出やカメラの詳細なパラメータがある。さすが有料だけのことはある。でも、もう気力ないんです。立体造形だけでおなかいっぱいなんです。あとマウスでちょこちょこっとやって終わらせたいんです。商用の1カットを作るわけじゃないのです。そこそこ綺麗でOK。
Fusion 360は簡単レンダで高品質
Fusion 360のレンダリングモードはたいしたことができない。だがそのシンプルさがいい。それでも上のレンダリング結果。素人の趣味にはもう十分過ぎます。これで無料なのだから。苦労した造形のディティールもしっかり出ているから十分です。
CGジオラマを作るのが目標
これです。最終的にはキャラと小物を配置し、背景は多分お絵描きで、1シーンをCGで作りたいのです。それを小説の挿絵にしたいのです(先は長い)。この目的のために、Fusion 360はモデリング機能とレンダリング機能とをフルで活用できそうです。モデリング機能がある点がKeyshotとの違いになるかも。それ以外はKeyshotでもできそう。モデルの配置や簡単な再読み込みなど。
Fusion 360レンダのメリット
ちゃぶ台やカラーボックス、花瓶、テーブル、果てはドア・窓や建物の入り口などは、はっきり言ってFusion 360で作ったほうが早い。しかも後から修正が簡単。造形を単純化すればするほどFusion 360が有利になる。それをZbrushで作ろうと思うと、結構大変だ。作り終わった後に修正も難しい。それは造形の単純さ/複雑さに関係ない。
こういうのはFusion 360早いよね。
Fusion 360上でモデル管理
この辺はサブツールの階層化が難しいZbrushの弱点を補える。ジオラマ作りとして小物が増えてもFusion 360のブラウザ上で管理できるから比較的楽かも。
今回気付いたこと
CGモデルの細部を見ない・作り込まない
画面のピクセルに埋もれる
CGはズームインすればいくらでもあら探しできる。上の画像も、靴のソール部分はゆがみもあるし、手の造形も若干甘い。けど、上の画像サイズよりも寄る撮影でなければそんなところは画面のピクセルに埋もれる程度の物だ。そんなところをいちいち細かく作っても、見えない。
見えないところは手抜きすべき
見えないところは手抜きすべきだ、3DCGは。裸体をどんなにリアルに作っても、着せる衣装がロングドレスなら、手腕、足首、首から上だけ作り込んで後は適当でもいいのだ。見えないのだから。見せないのだから。
Aポーズを作り込んでもしょうがない。
ポージングさせたらゆがむのだから。それが筋肉の動きなんだから。Aポーズを見せるシーンが出たときに作り込めばいい。でも服着てるでしょ?そのシーンw
別のシーンがもし、モブだらけのロングカットだったら、それこそマネキンをそのまま使ってもいいレベル。それよりも全体の配置や建物のモデルに気を使うべきだ。
メッシュの細かさとサイズ感
1カットの全体像の大きさに対する細部の寸法はどれくらい?そう考えたら、ちょっとの段差やカーブの美しさにこだわるほどかどうかを考えなければならない。靴のヒールの部分が、滑らかなスプラインカーブで細くなっているのか、台形状に細くなっているのか、上の画像だとそのこだわりはほとんど表現されない。あ、細くなってるんだな、位にしか見えない。
数カット作ってみてそれでも気になるなら修正してレンダリングし直せばいい。細かいトラップに引っかかると抜け出せなくなる。
問題のかかとの段差も上記の画像内では0.1px未満なことは間違いない。
アレ?Fusion 360でざっと作ったモデルでもOKってことになるね。やった!
フィギュア作りのノウハウとは違う
Zbrushと言えばフィギュア造形を思いがちだが、私の目的は3DCGイラスト作りなので、その辺のノウハウを高めるつもりはない。綺麗に画像イメージになりさえすればいい。細かい彫りの技術や立体造形の作り方その物には興味はない。だから、そのノウハウが必要な人は造形師が発信する情報を吸収した方がいい。
しばらくはFusion 360は続投
と言うわけで、簡易モデリング+がっつりレンダラーとしての存在価値が出てきたのでFusion 360はオワコンからの復活です。暫定的にワークフローは完成したことになる。
- Zbrushでモデリング&ポージング、obj出力
- Fusion 360にインポートして配置&色つけ、他の小物作りと配置
- 背景は写真やお絵描きなどで作る
- レンダリングして完成
こいつがいつの日かちゃんとした頭身のフィギュアになる日が来るのだろうか……
(約 3,000文字の記事です。)
前回の記事で、ハードサーフェスでもZmodelerでモデリングしようという結論に達した。その記事を書いている中で、やっぱりFusion 360のレンダリング画像は綺麗だと思った。Keyshotに手を出す前に、今一度Fusion 360の活用方法がないか考えてみた。かなり使い道を選ぶ方法だが、私にとってはFusion 360の活用の可能性を見出せた気がする。3DCGジオラマ環境作りに使えるかもしれない。
- ZbrushのメッシュはFusion 360で綺麗にレンダリングできた
- Keyshotへの苦手意識
- Fusion 360は簡単レンダで高品質
- CGジオラマを作るのが目標
- 今回気付いたこと
- しばらくはFusion 360は続投
- ZbrushのメッシュはFusion 360で綺麗にレンダリングできた
- Keyshotへの苦手意識
- Fusion 360は簡単レンダで高品質
- CGジオラマを作るのが目標
- 今回気付いたこと
- しばらくはFusion 360は続投
Zbrush練習の教科書はこれ
ZbrushのメッシュはFusion 360で綺麗にレンダリングできた
前回の記事の検証では、確かにFusion 360自身が出力した三角ポリゴンのobjファイルは、Fusion 360に再読み込みさせたときに変なレンダリング結果になった。しかし、Zbrushが出力した四角ポリゴンのobjファイルは、メッシュ状態のままでもFusion 360のレンダリングが綺麗にできた。Fusion 360内で作ったソリッドモデルと違いがない。
作りかけの習作モデルをFusion 360にobjでインポートして色つけ&レンダリング。
本物のフィギュア人形をスタジオ撮影したかのような仕上がり。レイトレーシングレンダリングだけあってリアル。光沢の映り込みは天井のスタジオ用ライトボックス(白)ですね。
肌と髪はつや消し、他は艶あり。やっぱりFusion 360のレンダリング画像は美しいね。
なお、Fusion 360ではポリペイントはできない。べた塗り・パターンテクスチャ付きべた塗りかデカール貼りだけ。シンプルでいい。
Fusion 360を学ぼうと思ったきっかけが、そのレンダリング画像の美しさだっただけに、この魅力は私にとって重要。今回の検証結果は一つのワークフローのヒントになった。
Keyshotへの苦手意識
ZbrushでモデリングしてもKeyshotがなければ綺麗なレンダリング画像を手にすることができないはず。別にフィギュアを作るわけでもない。静止画イメージで鑑賞できる3DCG作りができればそれでいい。だからそんなにハイポリでなくてもいい。とにかく簡単にリアルになってくれれば。
だがKeyshotは公式マニュアルを見る限り、かなりプロスペックな仕様。環境の演出やカメラの詳細なパラメータがある。さすが有料だけのことはある。でも、もう気力ないんです。立体造形だけでおなかいっぱいなんです。あとマウスでちょこちょこっとやって終わらせたいんです。商用の1カットを作るわけじゃないのです。そこそこ綺麗でOK。
Fusion 360は簡単レンダで高品質
Fusion 360のレンダリングモードはたいしたことができない。だがそのシンプルさがいい。それでも上のレンダリング結果。素人の趣味にはもう十分過ぎます。これで無料なのだから。苦労した造形のディティールもしっかり出ているから十分です。
CGジオラマを作るのが目標
これです。最終的にはキャラと小物を配置し、背景は多分お絵描きで、1シーンをCGで作りたいのです。それを小説の挿絵にしたいのです(先は長い)。この目的のために、Fusion 360はモデリング機能とレンダリング機能とをフルで活用できそうです。モデリング機能がある点がKeyshotとの違いになるかも。それ以外はKeyshotでもできそう。モデルの配置や簡単な再読み込みなど。
Fusion 360レンダのメリット
ちゃぶ台やカラーボックス、花瓶、テーブル、果てはドア・窓や建物の入り口などは、はっきり言ってFusion 360で作ったほうが早い。しかも後から修正が簡単。造形を単純化すればするほどFusion 360が有利になる。それをZbrushで作ろうと思うと、結構大変だ。作り終わった後に修正も難しい。それは造形の単純さ/複雑さに関係ない。
こういうのはFusion 360早いよね。
Fusion 360上でモデル管理
この辺はサブツールの階層化が難しいZbrushの弱点を補える。ジオラマ作りとして小物が増えてもFusion 360のブラウザ上で管理できるから比較的楽かも。
今回気付いたこと
CGモデルの細部を見ない・作り込まない
画面のピクセルに埋もれる
CGはズームインすればいくらでもあら探しできる。上の画像も、靴のソール部分はゆがみもあるし、手の造形も若干甘い。けど、上の画像サイズよりも寄る撮影でなければそんなところは画面のピクセルに埋もれる程度の物だ。そんなところをいちいち細かく作っても、見えない。
見えないところは手抜きすべき
見えないところは手抜きすべきだ、3DCGは。裸体をどんなにリアルに作っても、着せる衣装がロングドレスなら、手腕、足首、首から上だけ作り込んで後は適当でもいいのだ。見えないのだから。見せないのだから。
Aポーズを作り込んでもしょうがない。
ポージングさせたらゆがむのだから。それが筋肉の動きなんだから。Aポーズを見せるシーンが出たときに作り込めばいい。でも服着てるでしょ?そのシーンw
別のシーンがもし、モブだらけのロングカットだったら、それこそマネキンをそのまま使ってもいいレベル。それよりも全体の配置や建物のモデルに気を使うべきだ。
メッシュの細かさとサイズ感
1カットの全体像の大きさに対する細部の寸法はどれくらい?そう考えたら、ちょっとの段差やカーブの美しさにこだわるほどかどうかを考えなければならない。靴のヒールの部分が、滑らかなスプラインカーブで細くなっているのか、台形状に細くなっているのか、上の画像だとそのこだわりはほとんど表現されない。あ、細くなってるんだな、位にしか見えない。
数カット作ってみてそれでも気になるなら修正してレンダリングし直せばいい。細かいトラップに引っかかると抜け出せなくなる。
問題のかかとの段差も上記の画像内では0.1px未満なことは間違いない。
アレ?Fusion 360でざっと作ったモデルでもOKってことになるね。やった!
フィギュア作りのノウハウとは違う
Zbrushと言えばフィギュア造形を思いがちだが、私の目的は3DCGイラスト作りなので、その辺のノウハウを高めるつもりはない。綺麗に画像イメージになりさえすればいい。細かい彫りの技術や立体造形の作り方その物には興味はない。だから、そのノウハウが必要な人は造形師が発信する情報を吸収した方がいい。
しばらくはFusion 360は続投
と言うわけで、簡易モデリング+がっつりレンダラーとしての存在価値が出てきたのでFusion 360はオワコンからの復活です。暫定的にワークフローは完成したことになる。
- Zbrushでモデリング&ポージング、obj出力
- Fusion 360にインポートして配置&色つけ、他の小物作りと配置
- 背景は写真やお絵描きなどで作る
- レンダリングして完成
こいつがいつの日かちゃんとした頭身のフィギュアになる日が来るのだろうか……
筆者はAmazonアソシエイト・プログラムに参加しています。(AmazonアソシエイトとはAmazon.co.jpの商品を宣伝し所定の条件を満たすことで紹介料をAmazon様から頂けるという大変ありがたい仕組みのこと。)
以下のリンクを経由してAmazonで何かを買うと1~3%ほどのお小遣いが私に寄付されます(笑)
- 作者:ウチヤマ リュウタ
- 発売日: 2018/03/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)